127話 最強対最強 Ⅷ
更新遅くてすいません。
書留のデータが消えたり、スマホやらパソコンのネットワークが悪かったりして更新できませんでした。
言い訳にしかなりませんが本当にすみませんでした。
それでも見てくれたら幸いです。
司が人工生命体との戦いに備えて奥の部屋に籠るようになってから二日が経った。
つまり、人工生命体が来るのは明日という事になる。
司が明日人工生命体と一人で戦う事を知っているのは姐である千尋と汐里、親友である龍、皇気、涼の三人、居候中のアイドルである奈波だけである。
つまり香菜美、由井、ステラ、慶夏はこの事を知らないのである。
司達が四人にこの事を言わないのは、単純に心配させたくないからである。
出来ればこのままバレずに行きたいのである。
だが、現実はそう上手く行かない。
「お兄ちゃん。この前から奥の部屋で何してるん
ですか?」
「え・・・何をって何だよ・・・?」
今、司が何をしているのかバレた瞬間である。
「私知ってるんですからね。お兄ちゃんが奥の部
屋で何かやってることを」
「そ、それは・・・だな・・・」
司は諦めて慶夏に教えることにした。
ただし、一人で戦うということはあえて伏せておいた。
「俺は人工生命体と戦うために魔力を貯めてるん
だよ」
「一人で戦うんですよね?」
「え!?あ、ああ・・・そうだけど・・・」
一人で戦う事を伏せたはずなのに、慶夏には見透かされてしまっていたようだ。
「はぁ・・・お姉ちゃん達は納得したんですよ
ね?」
「一応許可は貰ったよ」
「なら、私が止める訳にはいきませんね。でも、
どうやってお姉ちゃん達を納得させたんです
か?」
意外にも、慶夏は司を止めるつもりは無かったらしい。
「まぁ、覚悟を示したって所かな」
「そうですか。なら、私にも覚悟を示して下さ
い。お姉ちゃん達を納得させられるなら私も納
得させられるはずですから」
止める気は無いが、納得はまだしていないらしい。
「そうだな・・・俺は死んでも必ず帰る。これで
どうだ?」
司は千尋と汐里に言った台詞を慶夏にも同じように言った。
慶夏と司の共にいる時間は他の人間より短いが、司の覚悟を慶夏は良く理解できた。
「・・・わかりました。私はこれで納得しました
が、他の皆さんが納得するかはわかりません。
納得させられるかどうかはお兄ちゃんしだいで
すね」
「・・・ありがとう慶夏。俺は良い義妹を持った
よ」
「こちらこそありがとうございました。」
慶夏は頭を下げ何かのお礼を言った後、台所行こうとしたが、すぐに後ろを振り向いてもう一言言った。
「しっかりとご飯の時には出て来て下さいね。そ
ろそろお昼なんですから」
「ああ、わかったよ」
こうして司は奥の部屋に、慶夏は台所に入っていった。
司は奥の部屋に入っていった。
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それからしばらくの間は集中して魔力を貯めることが出来ていたのだが、とある出来事でその作業は中断されてしまった。
「司先輩いますか?」
突然扉を開け、入ってきたのは由井だった。
司は驚きのあまり魔力を貯めるのを中断してしまった。
「何でここに居るんだ!?」
「それは慶夏に呼ばれたからです。というか、そ
もそも先輩達にこの日に司先輩の家に来てくれ
って言ってましたし」
「何だと・・・」
慶夏とあの三人の男達が由井だけを呼んだとは到底思えない。
つまり、他のメンバーも居るということである。
とりあえず連れられるままに手前にあるリビングに行くと、そこには香菜美やステラに加えエリナやミカエラもそこには居た。
「エ、エリナ様にミカエラまでいるのか」
「お二人はたまたまここに来る途中で出会っただ
けですよ」
「そ、そうか・・・」
エリナとミカエラも来るとは思っていなかったので、司の不安は更に増えた。
「で?呼ばれたのはわかったけど。何すんだ?」
司は軽く聞いたつもりだったが、どうやら呼ばれたメンバーは真剣な話をしに来たようだった。
エリナとミカエラ以外は真剣な表情をしていた。
「師匠。明日人工生命体と一人で戦うそうです
ね」
「あ、ああ・・・」
男三人がバラしたのか慶夏がバラしたのかはわからないが、三人が人工生命体との戦いの事を知っているのは確かだった。
ちらっと慶夏の方を見たが、慶夏は真剣な眼差しでこの状況を眺めていた。
どうやら、司が三人を説得できるか試しているらしい。
司はそれを理解してため息をついた。
「この前言ったこと何もわかってないじゃないで
すか!!」
由井の怒鳴り声が響く。
だが、三人が怒るのも無理はない。
無理をするなと言ったそばから無謀な事をしようとしているのだから、怒るのもしかたいだろう。
「それは悪いと思っている。だが、俺にしか出来
ない事なんだから仕方ないだろ」
そう、確かに無謀ではあるが、司しか相手にする事が出来ない相手なのだ。
それは三人も重々承知であるが、論理より感情が優先されてしまうのだ。
「安心しろとは言えないが、俺は死んでも帰って
くるとだけ言っておこう」
司は慶夏や姐二人に言ったような事をもう一度言った。
どうやら、この一言が一番司の覚悟を表すのに適しているらしい。
「わかりました。私は司を信じます」
唐突にエリナが発言をした。
あまりにも唐突だったので、司を含めて全員が驚いていた。
だが、エリナはそのまま話を続けた。
「そもそも私は司を止める気はありません。司の
実力は良く理解しているつもりですから」
「私もエリナ様と同じですね。立花さんの生命力
はよくわかっています」
「確かに司の生命力は凄まじいものですね」
エリナとミカエラも司の実力を知る第一人者である。
それゆえに、司の事は他の魔術師より頼りにしているのである。
「司は私の騎士ですから。私が司を信じなくてど
うするんですか?」
「私は主であるエリナ様の意向に従うつもりで
す。まぁ、そもそも立花さんは同じウィザード
として信頼していますけど」
「ありがとうございますエリナ様。ありがとうな
ミカエラ」
司はエリナとミカエラの思いを聞いて感動していた。
エリナからの言葉はいつ聞いても嬉しいが、ミカエラからの言葉も司は嬉しく感じていた。
「でも!!」
「香菜美、由井、ステラ。貴方達も司の事を信じ
てみてはいかがでしょうか?」
「そうですよ。何より立花さんの生命力を一番わ
かっているのは貴方達のはずですから」
ミカエラの言うとおり、三人は司の実力や生命力をよく知っている。
ただ、それでも司には今回ばかりは戦ってほしくないのだ。
ここまで止める理由の内、左腕を切断された事が大きいようである。
だが、ステラは覚悟を決めたようであった。
「わかりました。わ、私も司さんを信じる事にし
ます。司さんは私が尊敬している人ですから」
「「ステラ(さん)!?」」
ステラのいきなりの発言に香菜美と由井は驚いた。
当然司も驚いたが、エリナやミカエラ、そして慶夏はそこまで驚いている様子は無かった。
「香菜美と由井はどうしますか?司を信じるか、
それともまだ止め続けるか」
ここで信じなければ司の覚悟を踏みにじることになる。
たとえそうだとしても、二人は司を止めたい気持ちが強いのである。
「先程、私は司を止める気は無いと言いました
が、別に止めたいという気持ちが無い訳ではあ
りません」
「え?じゃあ、どうして止めないんですか?」
「司の意思を優先しました。司の覚悟を無駄にす
るわけにはいきませんから」
エリナは自分よりも他人の事を優先に考える人物である。
軽く理由を述べているが、恐らく苦渋の決断をした結果、こうなったのだろう。
「では、どうしますか?香菜美、由井」
二人は黙って考えた。
ほんの数秒の間だったが、何故か余計長く感じられた。
そして、考えられる纏まった。
「「決めました!!」」
「私師匠を信じます」
「私も司先輩を信じる事にします」
二人の結論は、同じく司を信じるということだだった。
二人も苦渋の選択だったのだろう。
目を見ればどの程度の覚悟か良くわかった。
「そうか・・・」
これで司の身の回りの人間の説得は完了した。
慶夏の方も満足げな顔をしていた。
「これで心置きなく戦える・・・ありがとう皆。
何度も言うようだけど、俺は死んでも必ず帰っ
て来るよ。そう、何があってもな」
司のこの台詞に各自言葉を返した。
「ええ、絶対ですよ師匠」
「司先輩・・・待っていますから」
「が、頑張って下さい。信じてますから」
「お兄ちゃんなら大丈夫ですよ」
「私は司なら出来ると思っています」
「立花さん。健闘を祈ります」
人工生命体との戦いは明日。
ついに大決戦が行われる。
果たして、勝つのは破壊者か最強の生命体か・・・
つづく。
今回の解説。
司の現在の魔力蓄積量と精度について。
今の司が魔力憑依を行った場合、通常の魔力憑依を軽く越える制度になる。
負担も底が見えないが、どの程度強くなるのかも想定不能である。
だが、人工生命体の実力も未知数である。
まさに未知数対未知数の戦いになるであろう。




