第一話 俺と金髪
起きると見知らぬ天井だった。
「ましゃかひょんとうり?」
思わず声に出してしまう。
その声はーーーーーとても可愛らしかった。
「……ほえ?」
は?って言おうにも呂律がまわらねぇ……。
結論から言おう、異世界ではなかった。
よく見ると引っ越しをした部屋であることがわかった。
それはいい、いいのだが……。
この部屋には引っ越したばかりで鏡が無い。
自分の顔が見えないのだ。
ただ一つ自分の容姿について分かることがある。
金髪ロングといえば分かるだろうか?
そして視点が低い、つまり金髪ロrゲフンゲフン。
まぁ容姿については置いておこう。
「……学校どうしよう」
一言目がこれなのは自分でも驚いた。
そうだ、制服……なんで女子用のなん?
しかもサイズピッタリ。
しょうがない、行くか……。
通学路で今更ながら思う。
「書類とか大丈夫なのだろうか……」
……まぁ制服が女用の時点で今更だし、多分問題ないよな?
それはそうとこの声にこの口調はダメな気がする。
適当に取り繕っとくか。
あと夢も気になるなぁ……。
それに次妹に会うときどうしよう。
もういっそのこと他人のふりをして……無理だな、どう足掻いても気付かれる気がする。
と、そんなことを考えていると学校が見えてくる。
「普通だな、うん」
まあ特別なにを求めてたわけでもないのだが。
とりあえず校内に入り、職員室を目指す。
校内地図があったため、迷いはしなかった。
「失礼します」
遅れました、反省はしているが後悔はしていない、だって読む人いないんだもの。