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残酷で、ただ残酷なこの世界  作者: 海鳴ねこ
二章ヒーロー
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二節フリバー・ライヘルド5



 「………」

 あれから2日が経った。

 フリバーは手図を手に「エルシュー街」を歩いていた。

 向かう先は『“街”』の外――。

 もっと詳しく言えば、「エルシュー街」の先。街の外に出られると言う門。

 

 ――因みになぜ2日も経ったかは仕方がない事である。

 フリバーからすれば「昨日」ようやく、今この異世界には夜が無い事実を知ったのである。

 予定通りに入った質屋でその情報を知ったのだが、その時の時刻は既に正午過ぎ。

 仮眠のつもりで眠ったら、実は夜が明けていて、それも寝過ごしていたとか。もう驚きを越して笑うしかない。ただ、寝たのが明朝だったから、それは仕方が無い。



 なんにせよ。これで、組み上げていた予定は大きく崩れる事になった。

 すでに一日経っていると言う事で、あの空き家を使うと言う事は取りやめ。

 夜が明けたら行おうと考えていた『“街”』の外へ行くのも一先ず保留。

 取り敢えず優先すべき事は、最低限の此処での暮らしと考え、当初の目的を進める事に。

 見繕っていた質屋を回った後。エルシュー街で一泊する事したのだ。

 その結果、久しぶりに時計を購入する羽目になった。此処の住人は皆この時計を持ち、暮らしていると言うのだから仕方が無い出費だ。


 この世界の時計は少しだけ特別だ。

 ぱっと見、普通の懐中時計だし、蓋を開けても此方も普通の時計に見えるのだが。

 唯一違うのは、時計の文字盤の下。

 そこには太陽の絵と月の絵が其々半分、半月の様に描かれており。示す様に短い針が一本。

 朝の6時になると太陽の模様に針が動き、夜の6時になると月の模様に針が動くと言う仕組みであると購入した時に説明を受けた。この夜が無い“世界”では必須な物なのは間違いない。

 

 ――それが「昨日」一日の出来事。無駄に一日消費してしまったのは違いない。


 意外に、得した事は、銀貨が予想以上に高く売れると知ったことか。少なくとも銀貨2枚で今の宿屋なら半年は軽く泊まれる程の値段。他の質屋に行けばもう少し高く売れるかもしれない。


 更に、それとは別に、手に入れた情報の中で気になる事が一つ。

 だから一夜明けた今日は、まずそれを最初に確認すべく、『“街”』の外へと向かっている。

 このために、『“街”』の外に近い宿屋を取ったのだ


 「――ここか」

 30分は歩いたか、目的地に辿り着く。

 10メートルはある外壁に、アーチ状の、扉も無い門が一つ。

 ここが『“街”』の出入り口。

 出口の向こうには緑色の草原。遠くに風車やら建物が見える。

 フリバーは地図をしまうと外へと足を進めた――。




  『街の外』


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