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3話

「いっらしゃーーい、風鳥の焼き鳥だよーここらでは見ない俺の故郷のタレを使った珍しい串だよー!一本銅貨3枚から!!」


どうも頑張って声を張り上げて屋台で焼き鳥を焼いている俺です。もうすでに屋台を始めてから5日ほど経ちましたが、正直売り上げはやばいです。1日目の売り上げはかなり少なかったのですが一度食べた方があまりのおいしさに感激し常連になりそこから口コミで広がり買いに来る人が増え、今ではものすごい人気店になりました。

忙しくて死にそうです。1日に600本売り上げるのは頭おかしいと思います。てか今も行列ができています。死にそうです。業務用焼き鳥機を合計4つ使いながら頑張って焼いています。ほんとに死にそうです。

まさか自分でもここまで人気になるとは思わなかった…だって一本銅貨3枚だよ?俺的適当計算によって導き出された銅貨3枚の日本円換算は一本300円だよ?こんなに買いに来る人が増えるとは思わないじゃん、しかも最近人気になりすぎてほかの屋台の店主とか料理屋のコックさんとかがわざわざ食べに来て味を盗もうとしてるレベルである。やばい、このたれをどうやって作っているのかと聞かれても答えられないので秘密としか答えられない。


「あんちゃん今日も人気だな、モモ、皮、ねぎま、ムネ一本ずつくれ」


「はいよ!!」


いそがしい…今順番が回ってきて声をかけてきた知らないおっさんは明らかに常連みたいな雰囲気を出しているがここ5日間で1000人以上接客してるので正直顔が全くピンとこない、ごめんよおっちゃん、


俺ほんとはたまーにお客さんが来る屋台を想像していたのにこれはちょっと違うよ…今日を乗り切ったら明日は休むんだ…頑張れ俺…








今日の営業が終了した。疲れた本当に疲れた。最後のお客さんにお礼を言い、火を落とし、商業ギルドから「その屋台古いものだし君に上げるよ、てか君の串焼きのタレレシピ売るつもりない?」といわれありがたく譲り受けた屋台を異世界に来てからずっとお世話になっているスットンの宿屋に向かう、あ、そうだ今日の晩御飯どうしようか…適当に『ISEKAI』でおにぎりでも買うか…はぁなんで俺異世界まで来て社畜してるんだ…


うーん、明日の内に商業ギルドに行って従業員の募集掛けてもらおうかな?確かお金さえ払えば仲介してくれるサービスをやっていると聞いたことあるし、うんそれがいいなそうしよう、接客と会計を担当てくれる子が一人でもいればかなり助かる。まじで助かる。今までの傾向からみて1日たつごとにくるお客さんの数が増えているので本当に本当に…従業員が欲しい、後は焼き鳥のタレをこっちの世界で作る方法かな?それさえわかればレシピを売れるんだがなぁ…現状俺のところしかおいしい焼き鳥を売っているところがないからお客さんが集まっているわけだし、そんなことを考えつつ少し暗くなった道を行き宿屋へと帰宅した。

よし、部屋に荷物を置いて、もう一度外に出て水浴びをしてからメタ部屋に戻りベッドに寝転ぶ、そのあとスマホを取りだし『ISEKAI』のおススメ欄をゆっくりとみていく、あー、焼き鮭弁当がうまそうだ今日はこれにしよう…ポチっと購入ボタンを押しいつも通り箱が届く、のそのそとベッドから起き上がりもそもそと食べ始めるうま…











次の日、お昼ごろになってからようやく目が覚めた。

どうやら本乙に疲れていたようだ。でも今日はお休みだ!思う存分遊ぶぞ!もちろんやることをやってからな!さーて商業ギルドにレッツゴー!!


「なるほどなるほど、ビジー様の頼みでしたらすぐにでも手配いたしますとも、少しお待ちください読んでまいりますので」


「え、あ、はい?」


あ、これ絶対前もって準備してたやつだな、味を盗むために送り出す要員だな、めちゃくちゃいい笑顔してたものあの商業ギルドのおじさん。いあやまぁいいんだけどね研究してくれる分には俺の手間も省けるし…むしろめちゃくちゃ優秀な人材が欲しいのでどんどんやってくれ。一応俺の方でも空いた時間に焼き鳥のタレに書かれている原材料を見ながら似たような食材を探しているがまぁこの世界に来て6日目の分際で見つけられるわけがない

おっ、廊下からどたどたと音が聞こえてきた。もう連れてきたのか、早いねぇ…


「お持たせいたしました。ビジー様、お連れいたしました。ほらサリーネ君入りなさい」


おじさんがそう言い、中に案内した人は…え、くっそ美人…ってかエルフじゃん…耳とがってるじゃん、髪の毛めちゃくちゃきれいな金色じゃん、うっわすっげぇテンプレエルフだ…

あー、なるほど、ハニートラップか…わかりやすい


「初めまして、商業ギルドにて料理人見習いをしております。サリーネと申します。」


「はい、よろしくお願いします…」


これ完全に商業ギルド全体で囲いに来てるな、俺が少しの間サリーネさんのことを見ていたのを見惚れていると勘違いしたのか、おじさんがよし、うまくいった。っていう顔していたもの…


「私、一度ビジー様の焼き鳥なるものを食べさせていただきましたのですがあまりのおいしさに感激してしまいましてこの度ここに参上させていただきました。どうかよろしければ私を採用してくださいませんでしょうか?」


「あ、はい採用で、明日からお願いします。給料は1日銀貨8枚で大丈夫ですか?」


ちなみにだがこの王都での1日のアルバイトしてもらえる額の平均は銀貨5枚である。世知辛いね!完全にハニートラップ丸出しだけど別に隠してることはないの全然かまわない、というか隣で美人さんが働いているのはテンションが上がるので大歓迎である。


「本当ですか!もちろん大丈夫です!ありがとうございます!では明日からよろしくお願いします!」


はい、というわけで従業員ができました。(おじさんはものすごい笑顔でした)



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