第三話 双魂合子
おはようございますおもちです
ようやく次話完成致しましたので投稿です。
頭の中でストーリーが思い浮かぶのに文字に
するとなると語彙力が足りなくて全然進まなくて
めちゃくちゃ難しいですね!何百話と投稿してる人達には心の底から尊敬します。この次の話も書いてる途中ですがまた何時になるかわかりませんが頑張ります
「カルマ、お前たちの赤ん坊は生まれつき目が見えない
盲目の子だ……」
「うそ……でしょ?」先程まで我が子の才能があると言う事をダルカンに解析をして貰い夫婦揃って嬉々として喜んでいた顔が一瞬にして取り乱し、どん底に落とされたような顔をした……
「ダ、ダルカン!し、白魔法で目が見えるように出来ないの!?」と、アリシアは懇願するような顔付きで聞いた
「奥様、大変申し訳ありません。勿論白魔法で回復出来るかと思い魔法を使ったのですが……生まれつきなのか分からないですが元から目の機能が無かったんですよ、私はそれなりの白魔法を使えますがあくまで怪我をしたりした場合は回復させられますが今回のお子さんのケースは怪我だったりといった形ではなく元から目が見えない……どういう事か説明すると生まれながらにして目という機能や目の存在そのものがありもしないといった形でして白魔法が機能せず……目が見えなくなった訳じゃなくこの子にとって最初から目なんて物は存在しなかった訳でこの状態が普通なわけで治しようがなかったんです……」
「嘘……でしょ……」とアリシアは膝から崩れ落ちながら今にも消えてなくなりそうな声で言った、そんな今にも消えてなくなりそうなアリシアを優しく抱き寄せながら父カルナはダルカンに向けて
「ダルカンその顔してるって事は目は見えないけどなんとかなる可能性があるんだろ?」ニヤリと口角を上げながらダルカンに向けて言葉を放ち、アリシアの肩をぎゅっと先程より少し強く抱き締めながらカルナは「大丈夫だアリシア、さっきも聞いただろ?うちの子は魔法の才能があるんだぜ?しかも飛びっきりのさ!って事は詳しくは知らんが目の代わりになりそうな魔法だってある筈さ!」と詳しくは知らないと言っておきながら必ずなんとかなるとそう自信満々な得意気な顔をした
「流石カルナだな、そうだなぁカルナの子がもし白魔法に適性が無ければどうしようかと思ったが有難いことに白魔法の適性もあったから一先ずなんとかなる方法はあるぞ、白魔法は回復の他にもバフだったり索敵をしたりする魔法もあるのは知ってるだろ?視覚の代わりを補うためにも身体強化のバフで聴覚を良くしたりして音で位置を把握することも出来るし、次は説明が難しいんだが索敵系のとある魔法を最低3種類同時展開したら擬似的ではあるがほぼ見えてるのと変わらないくらいのこともする事が出来るぞ」とダルカンは得意気に語った
「ほらな?何とかなるっぽいから一安心じゃないか、アリシアのせいじゃないんだからそんなに気にするなよ?」カルナがアリシアの頭をポンポンしながら安心させる様に優しく声をかけた
「うん、そうね……きっと大丈夫よねそれに目が見えないからと言って別にウルの事を愛してる気持ちは全く変わらないものむしろウルが不自由なく暮らせるように私達でできる限りの事をたくさんしてあげましょう!」アリシアは気持ちを切り替えこれから子育てがより一層忙しくなる事に気合を入れた
「それと、先程も伝えたように白魔法で視覚の代わりを補う事は可能だが残念ながら俺にはその手の白魔法が少し苦手だからその手の分野が得意な魔法使いを家庭教師として雇った方がいいと思うぞ」「そうだな、もし良さそうな人材が居れば王都に戻った時にでも誰か声を掛けておいて貰えないか?結果によっては報酬は弾ませるとも伝えて置いてくれ」「あぁ勿論!わかったよ、必ず期待に応えれる様なやつを見つけてくるよ」
「盛り上がってるところ悪いが、最後にもう1つ悪い知らせがある……捉え方によってはいい知らせになるかもしれないが悪い知らせとも言えるんだが」とダルカンが二人に向けて話しかけた、悪い知らせだけどいい知らせ?と矛盾したような事を言われ頭の上に?マークが見えるようなくらい首を傾げた
「二人のお子さんなんだが実は双魂合子と言う極めて稀に見る子供だ……」二人は初めて聞いたその言葉に若干の疑問と不安を抱えながらその後のダルカンの言葉を静かに聞いた
『そう…こん…ごうし????』カルナとアリシアは二人揃って聞いた事がない単語に疑問を抱きながらダルカンの話を引き続き静かに耳を傾けた
「双魂合子って言うのはその名の通り一つの身体に二つの魂が宿っている事だ、だから二人の子は身体は一つだが双子なんだ、一応そのもう一人の子も先程の検査では女の子と判明したよ」と盲目に引き続きまたしても普通ならばショッキングな事をダルカンは黙々と告げた。そう普通ならショッキングではあるがそれを聞いたアリシアは
「まぁ!双子なのね!そしたらもう一つ名前を決めなくちゃね貴方!!」まさかの回答が返ってきた事にダルカンは驚きを隠せなかった
「あぁ、そうだななんて名前にしようかなウルの名前はアリシアが決めたから次は俺が考えてもいいかい?」なんてカルナとアリシアは特に気にしてない様子で二人で和気あいあいともう一人の名前を考え始めた。
仲睦まじく名前を考えている二人にむけてダルカンはごほんっと咳払いをし、また話し始めた
「一応双魂合子について軽く説明をしとくよ……極めて珍しい症状ではあるのだがただ単純にそれなりの白魔法の使い手でないとこの症状について気が付かないってのも大きな要因である、特に平民の人達はそんな事のためにお金を使おうとは中々しないからな、だから別の呼び方もあって二重人格者っても言われてるな、勿論そう呼ばれてる人達が全員双魂合子って訳でもないけど一定数はいるが極めて稀な症状だ。大丈夫だと思うが平民の人達の中では変わったヤツって事で少なからずイジメを受ける可能性もあるのは覚えておいてくれ。それよりも特に気にして無さそうだが大丈夫か?」と心配の声をかける
「勿論気にしてないと言えば嘘になるわ、ただ目が見えないって事もあって正直どうして私たちの子がとは思ったけれどそれでも私たちの子なのは変わりないし目が見えない一つの身体に二人居る双子だろうがなかろうが変わらず愛を込めて育てる事には変わりないもの、その上でこの子達が元気にすくすく育って行けるようサポートするのが親の役目でしょ?だったらそんな事で挫けている暇なんてないわむしろこれから忙しくなる訳だからそんな事気にしていたらキリがないわ」
「勿論最初聞いた時は多少の驚きはしたが俺たちの子なのには代わりないし少し人と違うからと言って態度を変えるつもりも毛頭ないからな」と二人はどんな事があろうとも自分の子を大切に愛を込めて親として責任を持って育てるという覚悟が見えた。当たり前の事を当たり前と言える二人の家族愛を見て流石二人だなと感心するのであった。
「それと検査で双子だと気づいた時に調べたんだがもう一人の子の方はまだ、目覚めてないみたいだ。どういう原理で一つの身体に二つ魂が入ってるのとかはよく分からないが何かのきっかけなのかその、双子の子の意思で交代出来るのかはわからないがもしいつもとなんか違うとか違和感を、覚えた場合もしかしたらまだ目覚めていないもう一人の子と交代したんだとでも覚えておいたら分かりやすいんじゃないか?まぁ二人ならその区別も容易な気もするがな、はははっ!」ダルカンは軽く二人に向けてアドバイスをした。
「そうね、その状況になってみないと分からないけれど私たちだけじゃなく他のメイド達にも説明はしておいた方が良さそうね!」とアリシアがカルナに向けて話しかけた途端
「よしっ!!アリス、アリスオルペディアだ!」突如大きな声を上げたのでアリシアとダルカンはびっくりした。
「ウルは、俺の名前とティーマという花から取った名前だろ?だからアリシアの名前から連想してそれとエイリスという花からアリスにしてみたんだがどうだ!?」と自信満々な顔付きでアリシアに意見を求めた。「アリス……アリス!うんっ、凄く可愛くていい名前だわ!二人共私達の名前と綺麗なお花の名前も入っていてお洒落だわ……ウル、アリス貴方達が伸び伸びと楽しく幸せに暮らして行けますように……」とアリシアはカルナの考えた名前をとても気に入りながら『彼女』を優しく抱き、二人の幸せを願いながらこれから始まる親子四人の生活を想像し、ふふっと過去一の優しい笑顔を見せるのであった。
あれから少しして赤ん坊が眠ってしまった為、三人で昔話などをしながら盛り上がっていたのも束の間、気づいたらもう日も暮れ掛けていたのでゆっくりと腰を上げダルカンは二人に向け
「それじゃあもうこんな時間だし俺は王都に戻るとするよ!何人か家庭教師で良さそうな人材が居るから戻ったら早速声を掛けてみるよ。」「折角なんだから泊まって行けばいいのに…」「いやいや、折角の家族団欒の時間を邪魔する訳にはいかないし、王都での仕事もまだ残ってるしな!」とダルカンは空気を読んだのかそう言いながら立ち上がった。「全く、何が守護騎士だよ全く持って主人である俺を守ってないじゃないか!こんな事過去一度もなかった事なんだぞ?」と少し呆れた顔をしながらダルカンに皮肉を言った。「ははっ!仕方無いだろう?俺なんかよりもお前の方が遙かに強いんだからな、それに今日からは守られる立場じゃ無くむしろ守る側に立つのだからしっかり気を引き締めておけよ。」と話しながら家の扉を開けた「気を付けてねダルカン。また時間が出来たら子供の顔でも見に来てね!」「早く来ねえと気づいたら赤ん坊でっかくなっちまうから定期的に顔を見せにこいよ!」とアリシアとカルナはそう言いながら大きく手を振った。
「おうっ!またそのうち顔出すよ!」とダルカンも手を振って一言「契約召喚」
その直後ダルカンの足元から魔法術式が黒く書かれ透明な魔法陣が浮き出てきた。この世界の魔法は五色の魔法で構成されているがごく稀にそれとは別の魔法を使える者がいる。それが無属性魔法、いわゆる固有能力である。その珍しい魔法と得意の白魔法を使って王都で成り上がってきたのだ。
彼は王都ではかなり有名な魔法使いでそれなりに権力もある。なぜ王都での地位を手に入れるため守護騎士なのにも関わらず主人の元を離れたかと言うと、先ほどの通りダルカンでは戦闘面ではカルナには足元にも及ばないからどうしようかと考えた結果、補助に徹しようと結論付き王都での地位を手に入れられれば、裏でオルペディア一家に害を成そうとしている輩達がいればカルナ達に知られる前に片付ける事もでき、必要な情報があれば大抵な情報は手に入れられるし、実際ダルカンのお陰でオルペディア一家も巻き込まれる可能性もあったであろう戦争ですらダルカンの裏での活躍のお陰で幾度となく回避してきた。勿論そんな事を気づかない筈がないカルナ達は直接的には言わないにしろその分報酬を与えたり何か希望があれば出来る限りの願いは叶えてきている。それにカルナ自身戦闘に関してはピカイチではあるしそこら辺の軍師よりも戦闘面だけに絞れば王都でもトップ3に入る実力者ではあるが、事政治に関しては大の苦手だ。戦闘での立ち回り戦い方等も目に見えて分かる凄さなのに、政治となった瞬間に急にダメダメになるのだ。それもその筈、カルナは完全な感覚派だからだ何故そんな感覚派のカルナが軍師にも劣らない戦術が出てくるのかと言うと、それもひとえにダルカンの努力の賜物だ。他の人らがカルナの作戦を聞いた所で理解できないだろう、それをダルカンが分かり易くいつも説明していたからだ。その時からか…ダルカンは諜報員として徹底的にサポートに徹しようと思ったのだった。そんなカルナに振り回され苦労する未来しか見えないサポートに徹するダルカンの旅はまた別のお話………
そんな苦労も気にせず二人は契約召喚で呼び出したグリフォンの背に乗り夕日に向かって飛び立つダルカンを手を振りながら見守ったのであった。
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「おいっ!!まだ見つからないのか!」「すっ、すみません!それが本国で起動させたアルカブレインですら転生先が特定できません。この国にあるレプリカのアルカブレインじゃ無理があります」「くそっ!xxが転生なんて成功させてみろ!そんなことが起きたら約千年もの間平和だったのが一気に崩れ落ちる事になるんだぞ!こちらもできる限り転生先を特定できる様視力を尽くせ!本国にも何がなんでも転生先を特定して即刻始末しろと連絡を入れろ!最悪の場合封魂の第一封鎖を解放させろ!」「第一封鎖をですか!?ですが、あれはまだコントロールが…」「関係ない!どの道xxが転生してしまったら元も子もない!」
ずるずる……と何か引き摺られる音が聞こえてきてその瞬間、ドカァァァンと扉が破壊される音が聞こえた。ここは遥か地下深くに千年前から密かに完全に秘匿してきた数ある研究所の一つで、それこそこ地上の守りよりも堅牢な作りになっているのにも関わらず侵入にも気づかないレベルでここまでくる輩はxxの手下しか考えられない。最も簡単に侵入してきた彼女は笑顔で指揮官らしき人物に声を掛けた
「あらあら、ここはハズレを引いてしまったみたいですね、それに地下だからなのか埃臭いですよ。……それとそんなに必死になってどうしたんです?あぁ、安心してください返事や聞きたい事は死んでから調べますので…」その瞬間……
ザシュッ…ドパッ…ビチャ…グチャ…グチュ…バキッ…ブチッ…ゴリッ…先程まで数十人は居た筈の人間が彼女以外一人残らず見かけれず残ったのは辺り一面真っ赤に染まった部屋とよく分からない肉片がそこら中に転がっていたのだった。