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女心がわからない  作者: 伐 飛鳥
プロローグ
2/19

今から振られに行ってきます(後編)

後編も加筆修正いたしました!

ただ…上手く馴染んでない感が凄くて大丈夫か?という思いが凄いです。絶対また改稿するんだろうな〜と今から感じてます(大汗)



俺の誰よりも大好きな彼女

そして今から俺を振る彼女

友香が来た。



「おじちゃん、お待たせ」



おじちゃん…つまり俺、枢木瞬生くるるぎしゅんせいの事だけど、おじちゃんと呼ばれているからって別に、40、50のおじちゃんでもなければ友香の親戚のおじちゃんでも無いよ!

もちろんおこずかいをあげる怪しい人でもない、友香より年上ではあるけどね。ツレに


「瞬生は、おっさんポイ所がある」


とよく言われる為


「どうせ俺は、おっさんですよ!」


「俺の事は、おっちゃんとでも呼んでくれ!」


と言ってしまったのが、そもそもの原因なんだけど…自分の彼女におじちゃんて呼ばれる俺てどうなんだろう?最近よく2人で飲みに行くツレの喜屋武きゃんには、


「愛称で呼ばれる瞬さんが羨ましい…いいじゃないですか!おじちゃん!呼んでくれるんだから!僕なんて…僕なんて…もう呼んでくれる彼女いないんですよ!」


喜屋武きゃんに熱く怒られた。本当にそう思うか?と聞きたかったが、ここは引く事にした。別に俺は言う程おっさんポクは無いと思うんだけど…てか、人の事をおじちゃん呼ばわりするのは軽いイジメでは?と思うのは俺だけなのか?


俺と付き合う前の友香は「枢木くるるぎさん」て、名前で呼んでいたのに、 気が付けば「おじちゃん」と愛称で呼ばれる様になていた。

最初は…ん!?とも思ったが、友香がそれで呼びやすいなら仕方がない。別にイヤではなかったし、愛称なので別によかったのだけれど…ヤッパリ「瞬」と名前で呼んで欲しかったから、一度だけ友香に名前で呼んで欲しいと頼んだが


「恥ずかしいから言わない!」


と言われた。そう言ってる友香が可愛いかったので許したけど、男としては彼女に名前で呼ばれたいもの!女性の方〜覚えておくとイイですよ。今まで名前を呼ばれた事のない子から急に名前で呼ばれると男は勝手に勘違いをして急に意識をし始める生き物です。気になる男がいたら使ってみる価値はありますよ!


話しが逸れたけど、滅多に呼ばないが友香も名前で呼んでくれる事がある。その時は、やっぱり嬉しかった!男にとって好きな女から名前を呼ばれるのは、かなり嬉しいイベントなのです。


でも、おじちゃんと呼ばれるこのやり取りも今日が最後になるのかな…なるんだろうな。

たとえ別れる事になる覚悟はしていていても心が苦しい…心臓が握り潰されている様な感覚だった。

やっぱり彼女と別れるのはツライね…



「おじちゃん、どこか座れるお店に行こうよ」


「近場に、ゆっくり話せる場所が無いから少し歩くけどアノ店にする?」



とりあえずトドールには細井さんがいるので当然却下な訳だけど、駅周辺の店には人が溢れかえっていたので、あまり人のいない店を選択して友香に確認を取るが、あまり乗り気では無いようだ。

すると友香が、



「近くに公園てあったけ?」


「この辺りだと、学校近くの公園しかないと思うよ」


「じゃ〜あの公園でいいよ」



あの公園と言った。あの公園…俺が友香と付き合い始めたばかりの頃に2人で昼飯を食べた思い出の公園だ。訪れるのは一年ぶりくらいになるのかな?何だか2人の思い出の場所を巡っている様な気がして一段と苦しくなってきた。


結局公園に着くまでの間たいした会話もなく住宅に囲まれた小さな公園に黙々と歩いた。何か話した方が良かったのかもしれないけど、正直何を話せばいいのかわからなかった…


公園に着くと3人の子供が遊具で遊んでおり、少し離れた所ではサラリーマンがコンビニの菓子パンをコーヒー片手に食べていた。

相変わらず長閑のどかな風景だった。

日陰の座れそうな場所を探し2人並んで座り俺は覚悟を決めて重たい口を開いた。



「友香は、何か話したい事ある?」


「前に話したし、メールもしたから私には何も言う事は無いよ」


「そっか…友香は多分そう言うかなと思ってた。鍵…俺に返すんだろ?」


「うん…」



分かっていた事だけど、キツかった。ここで友香から「ヤッパリ別れたくない!」とかっていう劇的な展開はやはり残念ながら訪れない…ドラマやアニメの世界では結構普通におこる展開なんだけどね。テレビの中じゃありえても、世の中そんな都合よくはいかない、コレが現実。

友香はカバンからポーチを取り出して鍵を探し始めた。



「…はい…」



無意識に、その一連の動きを目で追ってしまった。

すると、どうにも友香は鍵を返したく無いようにしか見えなかった。俺の気の所為かもしれないけれど…考えすぎ?ま、そう俺が思いたいだけなのかもしれないけれど…でもさ、最後まで諦めたくないじゃん!「諦めたら、そこで試合終了ですよ」そんなセリフが頭をよぎるけど…この場合はどうなんだろう?

でも自分の感を信じるなら、友香はなんだか寂しそうに俺に鍵を手渡していると感じた。



「ん…」



友香は、俺が渡された鍵を財布に仕舞う間ずっと鍵の行方を目で追っていた。あれ?本当は返したくないの?それとも、ただ見てただけ?わからない…ただ、どうしても最後まで諦めたくないという俺の気持ちが勝手に暴走しているだけなのだろうか?先生!どうなんですか!?教えて下さい!



「友香は、本当に何も言う事は無い?」



友香を見ていると、こう聞かずにはいられなかった。もう俺に残された時間は少ない…でも、やっぱり別れたくない!

色々な思いが溢れてくるが、別れは残念ながら確定している。

この筋書きを書き換える方法はもはや俺にはない…だからと言って、それで諦められる程俺は利口でもないし、その程度で全てを諦めてしまえるような気持ちで友香と付き合っていない。だって結婚したいて本気で思った女だから…まだ試合を終了させる訳にはいかなかった。


だから全てを賭ける事にした。

これ俺の悪い癖なんだけどね…

おのれの全てを賭けて残された僅かな時間を、今にも途切れてしまいそうな、か細い可能性を紡ぎ出す為に自ら一歩を踏み出す決意をして友香に語る事にした。



「うん…」


「俺は、もう友香にとって要らなくなった?」


「だってそう言う約束だったでしょ?私が立ち直るまで側に居るて…もう一人で大丈夫だよ」


「確かに、立ち直るまで側に居るとは言ったけど…立ち直ったら別れるて言った覚え無いけどな」


「でも、あの言い方とあの時の態度は絶対にそうだった!」



鋭い指摘だった。友香の言い分に、確かに俺は否定出来ない所もある。残念ながら…

友香と付き合いだした当初、実は人間不信…特に女に対しての不信感から、やっと立ち直り始めたばかりで彼女になってくれた友香でさえ俺は最終的に捨てられる、騙されると怯えてた。ま〜現に今振られている訳なので、あながち間違ってもいなかった訳だけれども…そもそもそんな気持ちで付き合い始めてしまった俺の問題点は多いよね。ゴメンなさい…


今以上に好きになったら、振られた時に苦しい思いを今の何倍もしなければならい…イヤだ…怖い…

それに、また騙されるかもしれない…そんな怯えが常に心の中を巣食っていた。

なら彼女なんか作らなければよかったのに…けど一人はイヤだった…寂しかった…ただのワガママだよね。今思えば本当に申し訳無い気持ちでいっぱいだよ。


でも、おかげで突破口が開けた。友香から初めて本音を聞けた気がしたらに他ならない。正直友香はいつも俺と同じ様に本音を隠して話してくれないので、こんな状況なのにチョット嬉しかった。

申し訳ない気持ちが心を支配しそうになるが、ここで折れたら試合終了!今まで友香が我慢してた本音を聞き出す事に徹した。






この後も更にお互いに話し合う事になるのだけど…それは、この話しが終わりを迎える頃に改めて話そうと思う。



友香の言葉を全て信じるなら2人は今だに2人は両思いらしい。あくまでも友香の言葉を信じるならだけどね。もしかしたら友香の言っている事は…今までの女達の様に嘘を言っているだけなのかもしれないという気持ちがないとは言えないが…

俺が信じなければ始まらない。

俺は全てを賭ける事にしたんだから。

だから俺は最後まで可能性を追う。

乗るか反るかは、イヤでも、いずれ解るのだから…諦めたら、そこで試合終了です!


でも、俺は友香に人間不信になった俺自身最大の秘密を話してない。

それは今話せば、ただの自己満になってしまうから…とても重くて悲しい暗い話しだから…

今の友香に話しても受け入れられないと思ったから…友香には時間が必要だった。

俺は全てを話す覚悟が決まった。

次は友香の番、俺の話しを聞く覚悟が出来るかどうか、聞いた話しを受け入れてもらえるか?

俺は、その一点に賭けた。

だから、別れる事を選択した。


また友香は友香で不安だったみたいで、俺にいつか捨てられるのではないか?私に秘密を話さないのは信用してないからでは?嘘は言わない。けど好きになっても裏切るのでは?

安心出来るけど…と不安に陥っていた。また俺の存在をプレッシャーに感じてもいた。別にプレッシャーに感じる事など何もないのに、自分と俺を比べて何も出来ないと自分に苛立ちも感じてた。俺…プレッシャーに思う程たいした人間じゃないんだけどな…

どちらにしても友香自身の心に限界が来ていた。


裏切るつもりも無いし、友香の事が好きなのに…でも、結局は全ては俺のせいである。話せなかった。話さなかった俺が悪い。

残念ながら、お互いに時間の必要性を感じていた。






だから、お互い別れる事にした。








時間は流れ、17時45分…


2人は手を繋いで歩いていた。

はたから見たら、どう見ても別れているとは思わないだろうね。

賭けに勝ったとは思わない…

友香も場に立っただけの話し、本当の賭けはココから始まる。



「友香、負けるなよ!ガンバレ!俺は約束を守るから、待ってるよ」


「うん!けど、ヤダな〜頑張りたくないけど頑張るよ!でも、待たなくていいよ。もっと良い人現れるかもしれないし」


「友香は本当にそれでいいの?」


「本当に、おじちゃんのそういう所嫌い!」


「でも、友香にだって良い人現れるかもよ?未来は分からない」


「そうだね。でも、おじちゃん以上に好きになる人は現れないとおもうよ?特別だから」


「そっか。俺は友香と一緒に歩きたいから、前でも後ろでもなく一緒に」


「うん…」


「だから頑張れ!」



友香と大きなマネキンの前で別れたのは18時…


5時間の間に何を話しあったのか?

今言える事は、次に2人が会う時は多分一生離れる事はないだろという事だ。

お互い同じ気持ちで、同じ考えで、同じ様に確信していた。


でも、今日で2人は別れた…

未来はどうなるか分からないけど、また会うことを信じて…







さて…これでは意味が分からない!空白の5時間…その前に、どんな経緯で2人は付き合い始めたのかも!全部今は、あえて伏せてあります。


次話からは、時間が遡って大学一年生からの話しになります。あくまで現在進行系の話しなので、昔を思い出してる感じを出してるような…出してないような…感じで頑張ります(大汗)


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