最強種との邂逅
俺たちは中級者向けの依頼 そこまで危険じゃないはずのダンジョンに足を踏み入れた。
「……なんか雰囲気変わってないか?」
レイアンが警戒する。
「たぶん気のせいだよ〜」
レイナは相変わらず軽く言うが、その目は少し鋭い。
最初は順調に攻略していく。ガルドの剣、レイナの魔法、フィリアのサポート、ノクスの黒いオーラ。完璧に連携が取れて、順調そのものだった。
しかし、最深部 そこに入った瞬間、空気が変わった。
「ここ……中級者向けじゃないぞ」
ガルドの低い声が響く。
その先には、巨大な岩が砕けたような広間。さらに奥、うごめく影。
黒く、威圧感の塊のような存在 最強種だった。
「……え、マジで?」
思わずレイアンが息を呑む。
だが、攻撃はしてこない。こちらに目を向けるだけだ。
「……どういうことだ?」
ノクスが眉を寄せる。
最強種はゆっくり近づく。距離を詰めるが、戦う気配はない。
まるで、俺だけに興味を示しているようだった。
「……なんで俺だけ?」
レイアンの心の声。
広間の出口は奥に伸びており、偶然、ここは別のダンジョンへ繋がっている。
つまり、中級者向けのダンジョンの奥に、上級者クラスの空間が存在していたのだ。
「次は……本番かもしれないな」
ガルドが剣を軽く振り、俺たちは息を整えた。
そして最強種は、一瞬だけこちらを見て、闇の奥へ消えた。
戦わなかったが、その存在感は忘れられない。
次に会うときに戦うのか、いや、そもそもこいつは何者なのか。
俺たちは、ただその影を追うしかなかった。




