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前世の俺、異世界で目覚める
初めてまして杏城紗里奈といいます。初めて小説を投稿するのですが皆さんに楽しいひとときを送れるような作品にしたいと思っております。どうぞよろしくお願いします!
灰色の朝。
満員電車に揺られ、上司の小言を聞きながら、俺田中直樹は今日もため息をついていた。
独身40歳。誰にも気づかれず、誰にも必要とされず、ただ毎日をこなすだけの人生。
「もう、疲れた……」
デスクの上の書類の山に目を落とした瞬間、意識がふわりと遠のいた。
あぁ体がいてぇ…
目覚めるとそこは見慣れない光景が広がっていた。
でも、体の感覚が教えてくれる
柔らかく沈む感触、ほんのり温かい肌触り。
——ここは、ベッドだ。
「おぎゃあ おぎゃあ……!」
あれ、ここに赤ん坊でもいるのか??
そう思うのも一瞬だけだった。
なんせこの声は40歳 おっさんである俺から発せられたものであったからだ。
体は小さく、思うように動かせず、でも意識は40歳のまま。
なんだこの違和感……。
目をぱちぱちと瞬きすると、視界の端にあるものが見えた。
天井の模様も、壁の色も、布団の感触も、匂いも、空気の冷たさも……全部全部何か変だ。一言では言い表せない。とりあえず異質である。
そして、気づいた。俺は転生したのだ。




