↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/261

(63)少しだけ未来のお話

短いです

 王都に春が訪れ、人々の活動が活発になるころ、王城に二人の子供がやってきた。

 ただの村人らしいが、さっぱりした服装をし、護身用だけではなさそうな武器まで備えている。

 当然、胡乱な目で見られるが、王妃の名による本物の紹介状を持っていたため、応接室に通された。

 やがて、

「ムティア、カシム!」

 バタンと開いたドアから赤毛の弾丸が二人の飛びかかり、椅子ごと二人をひっくり返した。

「もう、リーシャったら危ないじゃない」

「いてててて、リーちゃん、変わらないね」

 二年ぶりに再会した幼馴染みにアリーシャは、えへへへへ、と満面の笑みをかえした。


     *    *    *


 グリゴリ王の第三姫、わたし、アリーシャは八歳になりました。

 去年無事にステータス魔法も習得できました。魔法は使えないけど、呪術紋の研究を重ね、魔法と同じ効果を発する呪符を開発したりもしています。

 もちろん、莫大な魔力を有し、魔力結晶(マナクリスタル)を独占販売する神殿との軋轢もあるけど、新しい魔力循環法を普及させ、神殿の影響力を少しづつ削いでいます。

 平定された西方王国は平和そのもの。

 その平和を支え、内政を支える文方ふみかた達ですが、彼らも大幅に増員され、日々国民の生活を豊かにするために働いています。

 そんな大幅増員され、日々書類仕事に精を出すのは、貧民街(スラム)出身の【底抜け】達です。

 わたしが設置した教室で読み書き算術を教え、魔法がなくてもできる仕事を斡旋しました。文方に就職したのはその第一期生です。

「社会を支えるのは教育です」

 あり余る魔力を全てそうした【魔法を使えないもの(サイレント)】達の教育と自立のために使い、それが結果として西方王国の国力を増すことに繋がっているのです。


 そんな時に、二人の幼馴染みが来てくれたのです。

 さすがにフライングボディプレスはやりすぎだったか、窘められたので、改めて二人に淑女然としたカーテシーを披露し、

「お久しぶりです。お二人ともご壮健でうれしく思います」

 と、気取って返したら、二人して吹き出しやがった。いや、ジョーもかかさまも笑ってるし、もう。

 二人も立ち上がり、王妃(かかさま)に綺麗な礼をした。こうして見ると二人とも良いとこの子女に見えるから不思議だ。

 しばらくの歓談の後、二人が本題を切り出した。

「王妃様。わたしをアリーシャ姫の侍女にお加えください」

 まずムティアがそう切り出した。続いて、

「王妃様。僕をアリーシャ姫の侍従にお加えください」

 更にカシムは、ジョーに向き直り、

「ジョー・ミリガン神官殿。僕を弟子に加えてください。あなたの指導の下、第三種並びに第二種神官免許の取得を目指します。それは全てアリーシャ姫のためになることでしょう」

 共に十歳にも満たぬ子供とは思えぬ様子に、王妃もジョーも快諾してくれました。

 しかし二人ともまだ幼いため、侍女、侍従の見習いとして、わたしの学友として一緒に学んでいくことになりました。

 これからの毎日がすっごく楽しみです。


     *    *    *


 わたしがコンサルティングしたお店が王都にオープンしました。

 【適正化】されていない食材を用いた料理店です。

 異世界転生物の定番、おいしい異世界飯でこの世界の人たちをみんな、ハッピーにしちゃいます。

 料理はお客様の目の前で【清潔(クリーン)】の魔法をかけてから供する方式で、偏見にも配慮。

 それでも、まだまだ偏見が強いですが、これまでにない様々な料理が食べられるとあって、密かなブームとなっています。

 店のオープンには料理長のトムさんが尽力してくれました。当初は料理長を辞めてそっちでやる、と言っていたけど、ジョーに止められてました。


     *    *    *


 今年の夏は南西山脈の金床神殿に行くことが決まってます。

 わたしが大量に道具類を購入していることが先方の耳に入り、何度か手紙のやり取りをする中で道具の使い方等をレクチャーしたところ、是非来てくれ、と招待を受けたのです。

 王都本神殿の神官長などは、戻ってきますよね、絶対戻ってきますよね、と五月蠅いので、あんまり五月蠅くすると向こうに行っちゃうよ、と言ったら黙ってしまった。ゴメンね~w

 金床神殿を通して道具の使い方が広まれば、更に【魔法を使えないもの(サイレント)】達の自立にも繋がる。

 自立が促進されれば、差別も減るだろうし、そうなれば魔力に頼らずとも社会が成り立つようになり、神殿への依存も減ることで更に差別も減り、また戦争をする理由も減るでしょう。

 そんな未来。

 わたしが、このアリーシャが、お兄様(****)の記憶を持つこのわたしが、この世界で為すべきこと。


「うん、この世界の未来は明るい♪」

 アリーシャは大きく天を振り仰いだ。

     リーは

     ようやく

     のぼりはじめた

     ばかりだからな


この

はてしなく遠い

底抜け坂をよ…

             未完


 って感じになってしまいましたが、まだまだ終わりませんw

 前話の終わり方が不穏なので、ちょっと清涼剤代わりに書いたら、

別の意味で不穏になってしまったw

 次回更新まで少し間が空きますが、遅くとも来週末にはアップ予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。