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会議(のようなもの)

あ、章で分けるの忘れてた……

ちなみに今は一章に当たるんですが、一章はもうすぐ終わる予定です。

二章以降も話の大枠は決めてあるので、特に一章が終わったからと言って休養期間を取る予定はありません。(仕事次第です)

「で、これはどういう事か説明してくれるわよね?」

「どういう事って言われてもなぁ。俺はカレンに用があるって言うから、案内してきただけなんだが」

「そこはどうでもいいわよ!!」

「いやそこが本題だろ!?」


 何故かカレンが吊り目を更に吊り上げて俺を睨み付けている。そのうち90度回転して目が縦長になるんじゃなかろうか。


「だからなんでレナリス様がアンタの腕を掴んでたのかって話よ!!」

「それ割とどうでも良くない!?」

「良くないわよ!! 普通騎士に腕を掴まれるなんて、犯罪者を連行する時くらいのもんよ!!」

「ああ、そういう……」


 言われてみれば確かにそうだ。想像するに、まるで事情聴取に応じずに強制連行される容疑者みたいな絵面じゃないか。


「おいレナ」

「申し訳ありませんでした!!」


 そしてまた土下座である。流石のカレンも驚いているようだ。


「だから土下座はやめろって言っただろ!!」

「だってまた師匠がどこかに行ってしまうかと思うと……」

「師匠? ああ、なるほどそういう事ね。つまり貴方が--」


 どうやら得心がいったのか。カレンが口を挟む。


「ソータが追放される原因になったっていうポンコツ騎士ね」

「うぐっ!!」

「おいカレン、いくらレナがポンコツでもその言い方はかわいそうだろう」

「ポンコツ……私はポンコツ……」


 ぶつぶつと呟くレナ。諦めろ。お前は間違いなくポンコツだ。


「カ、カレン様は師匠が王都を出た理由をご存じなのですか?」

「ええ、私の方でも色々あったし、ソータからも話は聞いてるわよ」

「ししょぉ--いえ、事情を知った上で師匠がお世話になっているという事は、カレン様は理解者であると考えても良いのですね」

「まあね。とは言っても私もソータには命を救われたクチだし、流石に命の恩人を無碍には出来ないわよ」

「流石師匠、抱いて」

「ちょっとお前は黙ってろ」


 気が付いてみればカレンとレナによる情報交換会となっていた。主に俺の。


 やれ魔族を倒しただとか。やれオークキングを倒しただとか--ってああ、そういえばこの二人。どっちも俺と助けた状況が似ているのか。

 もしかしたらその辺りでシンパシーを感じているのかもしれないな。多分きっと恐らく。

 とは言え、自分の事が話題になっているのは少し気恥ずかしいというかなんというか。

 どんな風に言われているのかを聞きたい半面、逆に聞くと気まずいような。なんともむず痒い状況である。

 聞こえて来た限りでは、今までどういう風に俺と過ごしていたかの話である。


「私は毎日ソータと一緒に行動してるわよ。流石に一つ屋根の下とはいかないから、ソータには宿をとってもらってるけど」

「う、羨ましい……」


 と、レナが羨ましがったり。


「私は毎日師匠に腕を斬り落とされてました!!」

「それは羨ましくないというか……正直言ってドン引きよ」

「えっ!?」


 と、カレンがドン引きしたり。というか当たり前だろう。誰が腕を斬り落とされる事を羨ましがるというのか。

 断じてそれは良い思い出として語っていい話ではない。


「まあソータの話はこれくらいにして、本題に入りましょうか」

「そうですか? 私はまだまだ話足りないくらいですが」

「どうせしばらくこの村にいるんでしょう? だったら時間はいくらでもあるわよ」

「それもそうですね。ではつまらない話は早く済ませてしまいましょう」


 今つまらないって言った? 

 確かに楽しい話ではないだろうが、国に仕える立場としてそれで良いのかレナよ……

 そこからは真面目に話が進んだ。


「--なので、出来れば集められる範囲で構わないので、回復薬と魔力薬。それから宿泊場所の確保を……」

「ああ、それなら任せて頂戴。在庫ならそれなりにあるし、宿泊場所は最悪店を使ってもらっても--」


 と、トントン拍子に話は進み。ものの十分ほどで大体の方針は決まったようだ。


「おや、もうお話はお済みですかな?」


 まるで狙いすましたかのようにオイリー村長が部屋へ入って来る。というか狙ってただろう流石に。


「ええ、物資と宿泊場所の確保を依頼されたくらいだから、それほど時間はかからなかったわ」


 むしろその話に行き着くまでが長かったけどな。


「そうですか。それはなにより。何か儂が出来る事はありますかの?」

「そうね。村長には宿泊場所をいくつか手配して貰えると助かるわ。もし人数分が確保出来なかった場合には店を使えばいいし」

「なるほど。ところで勇者様方はいつ頃に来られるのでしょうか?」

「ああ、それを聞いてなかったわね。レナリス、勇者様達はいつコルの村に到着するのか分かる?」

「ええカレン。数日のずれはあるかもしれませんが、大体今から十日前後でこの村に到着すると思います」


 すっかりお互い名前で呼び合っている。どうやら相性は悪くないようだ。良かった良かった。


「と、言う事はもう出発しているの?」

「恐らくは。あるいは本日か明日には出発する頃でしょう。一応道中で兵士達が状況を見守っていて、自分の担当場所を勇者達が通過した場合、早馬でこの村に報告に来るようになっています」


 十日後くらいか……良かった。準備しておいて。

 とは言っても早く到着する可能性もあるわけだし、大体一週間後には出て行けば問題ないか。


「じゃあいきなり来て驚くような事にはならないわね。だったら今日はここまでにしましょう。レナリスの宿泊場所も確保しなくちゃならないわけだし」

「私は宿でも取ろうかと思っていますので大丈夫ですよ」

「そう? じゃあ一緒に食事でもどうかしら。この村は酒場くらいしか飲食店しかないけど、なかなかいけるわよ?」

「ならご一緒させてください。せっかくなので三人で行きましょう」

「そうね。そうしましょう」

「あ、行ってらっしゃい。じゃあ俺は店に戻ってるから」


 十日後に向けて代表者三人での話もあるだろうし、俺は先に店に戻ってようかな。仕事も途中だし。


「何を言ってるんですか?」

「は?」

「言ったでしょう? 三人で行くのよ」

「うん、だから三人で行くんだろ?」


 なんで俺がおかしいみたいな流れになるんだろうか。レナ、カレン、村長で三人だろ?

 何もおかしなところはないと思うんだが……


「ほっほっほ、儂は家内が作る食事がありますからのう。どうぞお若い三人で行って来てくだされ」

「ええ、村長。また細かい話は後日」

「承知しましたじゃ」

「さあ行きましょう師匠!!」


 そして三度腕を掴まれて連行される。如何せん人目が辛すぎるので止めて欲しいんだが……

 仕方ないから飯は一緒に行くとして、レナが宿を取ったら適当に逃げる事にしよう。


今日も休みなので、お昼に書く予定です。

もし結構書けそうなら、また二話更新するかもですが、明日以降の平日分を考えるとストックも必要なので、状況次第って感じです。

そして評価とかブクマとかは大歓迎です(セールストークは忘れない)

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