第6話 デートだったのかな?
対戦が始まる時間になると相手のチームは祐樹に挨拶しに来た。
「2人だけか!? まぁいい、あいつらは強そうだからな。 よろしくな」
祐樹が手を出すと隊長は優しく握手してくれた。
「よろしくお願いします、気をつけて下さいね」
一応忠告はしておいた。
しかしゲームが始まると悲鳴がビルの中から聞こえた。
初め4人が固まり中に入っていった。
1階のフロアをくまなくチェックするが2人はいない。
「隊長、彼らは各フロアに1人ずついると思います。 挟み撃ちしましょう」
「そうだな、2人ずつに分かれて東と西の階段を上がろう」
彼らはたしかにプロだった。
動きに無駄もないし連携も取れている。
その頃3階にいる2人は座っていた。
「いいか、2人ずつ東と西の階段をのぼってくる。 しかし西の階段は破壊出来るようになってるから東の階段を守ればいいだけだ」
つーさんは作戦を説明する。
「わかった」
まーさんは頷く。
下の階から声が聞こえてくる。
「クリアー」
「クリアー」
その声は自分たちの真下の様だった。
まーさんはニヤリと口元を動かすとつーさんは跳んだ。
次の瞬間まーさんは床を殴りつける。
実は落とし穴風に壊れやすくしてあったのだ。
下の階に落ちると相手は全員飛び退いて避けた。
銃を構える前にまーさんは1人の隊員を吹き飛ばし次に移る。
他の2人が構えたところにつーさんも降りてきて銃を奪い2人を撃ち更にもう1人の残りを撃った。
「俺たちの勝ちだな」
つーさんが言うと隊長は3人を立たせる。
「お前たち何者だ?」
「ただの高校生です」
つーさんが答えると全員で外に出た。
体調がまーさんとつーさんの手を取ると高々と上げた。
「やった」
莉子さんは喜んでいるが祐樹と和也は血の気が引いていた。
「茜ちゃん、もうあいつらには関わらない方がいいわよ」
「うん……そう思う」
帰りの車の中ではつーさんの武勇伝を聞いていた。
中学生の時に30人に絡まれて1人で戦ったらしい。
その時妹が少し怪我をしてしまったことを後悔しているみたいだった。
「あの、まーさんにも武勇伝あるの?」
莉子さんは助手席に座るまーさんに聞いた。
「いや、俺は無い」
まーさんは外を見ながら答える。
「あるぞ、まーさんは100人に喧嘩売られてさ……」
つーさんは楽しそうに話す。
「倒したんですか!?」
「あぁ、車を奪って100人轢いた」
思い出しただけでも爆笑している。
「あのそれゲームか何かですか?」
「いや、現実だよ。 受け入れろ」
「でもどうしてそんなに大勢に恨まれるんですか?」
「いやぁ、俺はさこの通り人気者だからさ。 まーさんはもうあれだよ、鬼退治みたいなものだろ?」
「鬼退治って言うか……魔王って感じですけど……」
つーさんは爆笑している。
「祐樹、余計な事を言うなよ。 喋れなくするぞ」
まーさんは外を見ながら言った。
その後も盛り上がり家まで送ってくれた。
和也も祐樹の家の前で降りた。
「凄い体験だったな。 あんな伝説のチームを秒殺するなんて……それに美しいお姉さん。 最高だよ」
和也は興奮している。
「たしかに……今までのままなら関わることのない人たちばかりだよ」
祐樹も答える。
2人は別れるとそのまま家に入る。
その時に初めて気がついた。
「今日のって……デート!?」
つづく?