第4話 ユウナ登場
祐樹は教室で友達とサバゲーについてかたりあっていた。
「今度近くの廃墟でサバゲー大会が開かれるらしいぜ」
「そうなんだ。 でもあれって4人以上いないとチーム登録できないよね?」
「また出られないな」
友達はがっかりしながら祐樹の側から離れていこうとしたが固まったまま動かなかった。
「どうした?」
祐樹が友達をみるとそこにはつーさんが立っていた。
「サバゲーの大会だと!? 面白そうじゃねぇか」
と楽しそうに言っている。
「あの、僕の友達を怖がらせないで下さい」
「おぉ、悪い悪い。 お前名前は?」
つーさんは、手を差し出しながら聞く。
「和也です」
友達も手を差し出しながら答える。
「よろしく。 あと1人いれば大丈夫なんだろ?」
「……は……い」
和也は恐る恐る答える。
「待ってください。 まーさんはダメですよ!」
祐樹は先に止めた。
「え? なんで?」
「あの人が来たらゲームじゃなくて本当の戦争と化しますよ」
和也は完全にビビっている。
「そうか、でもよお前ら銃あるのか?」
「和也が持ってますから」
「あ、はい、でも4人分はないです……」
「それならまーさんがいれば解決する。 ところでチームは何人までいいんだ?」
「何人でもです、相手のチームに合わせて人数調整すればいいので」
祐樹が答えるとつーさんは席を離れすぐに茜ちゃんを連れてきた。
「和也、お前は好きな女の子いるのか?」
「え!? あ、はい。 年上ですが……」
「おっ! 誰だ誰だ!?」
つーさんは楽しそうに聞く。
なぜか普段話しているとつーさんは優しいと思える。
「あの……永田 ユウナさんです」
和也は頬を染めながら言う。
永田 ユウナ、それはまーさんや、つーさんと同じ学年で学校一綺麗と評判の女生徒だった。
「お前もか。 まぁあいつはみんなにモテるからな。 誘ってみるか」
「誘えるんですか!?」
和也は驚いている。
「まぁ大丈夫だろ! それじゃあな」
それだけ言うとつーさんは出て行った。
「あの、ごめんね」
茜ちゃんは謝っているが、祐樹も和也も楽しみだった。
週末になると祐樹の家に和也がやってきた。
「おはよう、銃も持ってきた」
「おはよ、ありがと」
ショットガンにマシンガン、遠距離を狙えるライフル。
祐樹もハンドガンは持っていた。
2人で準備して外で待ってるとすぐにワンボックスの車が停まった。
運転席には莉子さんが座っていた。
窓が開く。
「さぁ2人とも乗って」
そういうと2人は後ろの席に座る。
更に後ろの席から声が聞こえてきた。
「おはよ、今日晴れて良かったね」
後ろに茜ちゃんとつーさんが座っていた。
「あ、おはようございます。 晴れて良かったです」
祐樹が答えるとつーさんが体を乗り出して銃を掴んだ。
「これがオモチャの銃か。 軽いな」
オモチャといえども結構な重さがあるはずだがつーさんには関係ないようだ。
しばらく走ると莉子さんがブレーキを踏む。
「本当にここでいいの!?」
「あぁ。 ちょっと祐樹降りてそこの小屋に入って伝えてきてくれ」
目の前には物凄いお屋敷の門があった。
門の高さは5メートルはありそうだった。
しかも家までも見えない。
「ここですか!?」
祐樹も驚いている。
「もういいよ、場所あけろ、俺が行く」
祐樹がどくとつーさんは降りていく。
門の横にある小屋の中に入っていく。
しばらく待つと門がゆっくりと開く。
「入るぞ」
助手席の扉を開けて車に乗り込むと屋敷に入っていった。
「凄い……」
中を2分走るとようやく家が見えてきた。
「あれが家ですか?」
思ったほど大きくは無かった。
「あそこがオモチャ置き場だ。 あそこにまーさんがいるはず」
つーさんは驚く事なく答える。
もしかしてつーさんの家もお金持ちなのかもしれないと思った。
莉子さんが車を停めるとみんな降りる。
家の扉が開くと中から物凄い美人が現れた。
「こんにちは。 お久しぶりね」
茜ちゃんは嬉しそうに女性に抱きつく。
「え? 彼女さん!?」
莉子さんも驚いている。
「私に彼氏はいません。 ここは私の家ですので、いて当たり前ですけれども?」
「ご夫婦!?」
「まだまーさんは結婚出来ない年齢ですよ」
祐樹が突っ込む。
「あ、あ、あ……」
和也の様子がおかしい。
「ユウナだ。 祐樹知らないのか?」
「知らなかったです。 初めまして上杉 祐樹です」
「あら、よろしく。 茜ちゃんのお友達?」
「うん、2人とも同じクラスの男子なの」
「そう、良かったね。 それで今日は何をするの?」
「サバイバルゲームだ」
まーさんが刀を腰に刺して現れた。
「刀もありなのか!?」
つーさんはしまったという顔をしている。
「ダメに決まってるじゃないですか……」
「あ!? ダメなのか? まぁいいや」
扉の中に入るとみんなも後に続く。
中に入いると色んな武器が飾られていた。
「一階のはほとんどレプリカだ。 エアガン、ガスガン、電動ガンはこの奥の部屋にある」
扉を開けると中には銃がギッシリと棚に飾られていた。
真ん中の引き出しを開けると中にハンドガンが入っていた。
「凄い……こんなに揃ってるのは初めて見た」
和也は喜んでいる。
「良かったね。 オモチャが役に立って、あんたに友達が出来るとわね」
「つーさんがいるだろ?」
「そうね」
興味無さそうに答えると茜ちゃんと銃を選び始めた。
「あの、お2人はなるべく隠れていただいた方が……」
「ルールは?」
「えっと、相手のチームメイトを全員撃てばいいんです。 今回は室内なのでサブマシンガンの様な初速度の早い方がおススメです」
和也が説明する。
「ナイフはダメなのか?」
「ダメです! 危ないです」
と言った後に祐樹はまーさんを見た。
「何見てんだよ。 分かってるよ」
それぞれに銃を選ぶと軍服に着替えることにした。
「これは戦時に使われたやつ。 こっちは現役の服」
「いや、あの……普通に売ってるやつじゃないですよね!?」
「まぁ手に入らないだろうな。 売ってるのがいいならこっちだ」
となりの部屋に入ると新品のミリタリーグッズが大量に置かれていた。
それぞれ着替えると家を出る。
何故か莉子さんも着替えて銃まで携えていた。
車に乗ると車を発進させた。
後半へ続く
えーっとこの祐樹の話は、実話を非現実的にしてお送りしております。
えーかなり着色されております。
そんな感じです。
よろしくお願いします。