吾妻の護衛と藪中の守護者
「アンジュの継承の儀にヤツが現れるってことはご存じだよな?」
「白夜ちゃん先輩のこと尊敬してるッス!敬語で話されるなんて恐縮す!」
屋根の上を飛び回る銀に近い金髪の女とインカム越しに言葉が飛ぶ。コイツの口振りに付き合うだけ無駄と知っている赤い髪の男が答える。
「何か見つけたら知らせろ」
そう伝えた男が街中で聞き込み調査を続けていた。
「なるほど、失踪事件ですか…」
「せんぱい!」
「どうした?」
「ここ、風が気持ちいいっス!」
「わかった。一回ちゃんと怒るから降りてこい」
声の主が背後の屋根から周囲を見渡していることは白蓮も把握している。
「あと向こうから血の匂いがするっス」
「それを先に言え」
守るべき主人、闇珠がいる宮へ飛ぶように二人が翔けた。
儀式の場へ疾風の如く舞う金髪の女が地上を走る男に言う。
「その重そうなの置いてったらいいじゃないスか」
「これは特別な銃なんだよ!今回必要なの!」
「何が特別なんスか」
女の問いにジュラルミンケースを抱えた男が答える。
「弾が当たれば誰であっても、”必ず一つあるものを奪うことができる”」
「命をって?クソダサ厨二病みたいっスね」
白夜がオーロラの様に煌めく髪で朱に染まる空を切り裂いてゆく。
「…」
それを追って赤髪の男が無言で駆けた。
屈強な体躯をした金髪の男が隣に座るダークスーツの男に訊ねる。
「二十一が残した血文字通り、ヤツは現れると思うかね」
「現れてほしい」
来賓席に座る暗い瞳をした黒髪の男が答える。
「相変わらず血の気が多いな!君は」
「不当に友を殺したゴミはこの手で排除しなければならない」
そう告げた男に吾妻家の当主が旧知の仲として言葉を返す。
「納得があれば許せたか」
「アラン、貴様からそんな言葉は聞きたくない」
古来に建立されたと思しき荘厳な鳥居が佇む中で厳めしい声が響く。厳格な儀式が行われようとしている場を前に男が歯噛みした。
「エドガー、今のお前の言葉と感情はネコに響く」
男の隣に座る黒い礼服を着た金髪の女が凛とした声で静かに告げた。悪鬼のような己の表情に気づき、自制したダークスーツの男が表情を崩して返事をする。
「失礼いたしました」
従妹の儀礼の場に参列している制服の少女が、アランを挟んで二人のやり取りを聞いていた。
白白コンビ
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