表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。婚約者(悪役令嬢)だけは絶対に守ります  作者: ふうこ0701
第4章 女王と忠犬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/47

第29話 言葉にできないもの

毎週土曜部21時更新


雨が降って来たので、更新します。


俺たち三人は身支度を整え、そのまま園遊会、そして晩餐会へと参加した。


会場では、すでに様々な賓客たちが会談を交わしている。


そんな中、俺たちを見つけるなり、真っ先にやってきたのは宰相だった。


「殿下、先ほどはヒヤリと肝が冷えましたよ。ルシアン、お前もだ」


「申し訳ありません、父上……」


ルシアンは素直に頭を下げる。


「とにかく、お前も陛下にこってり叱ってもらうから、覚悟しておけ」


そう言い残し、宰相は鋭い視線をルシアンに向けた。


ルシアンは肩を落とし、完全に項垂れている。


見かねて俺は、


「ルシアンは本当に――」


と言いかけるが、


「いいえ、殿下。情けは無用です。ルシアンにも責任はありますから」


宰相にぴしゃりと遮られた。


そのまま宰相は、ルシアンを睨みつける。


続いて現れたのは、グランディア伯爵だった。


アルベルトの頭を容赦なく叩く。


「この馬鹿息子が。セレナだけでも頭が痛いというのに、お前までとはな」


ため息をつきながら、こちらへ向き直る。


「殿下、此度は申し訳ございません。息子を庇っていただき、ありがとうございます」


一礼した後、視線をアルベルトに戻す。


「だが、恐らく主犯は殿下ではなく――アルベルト、お前だな」


「陛下には早々に進言しておく。覚悟しておけ」


そう言って、アルベルトの首根っこを掴み、そのまま連れて行った。


俺は静かに、周囲へと視線を巡らせる。


――無意識に探していたのは、エレノアだった。


会いたかった。


だが、現れたのは騎士団長だった。


「殿下、中々やりますな。潔かったですぞ」


豪快に笑う。


「ですが、カイルには後でこってり絞られそうです」


俺は苦笑するしかない。


その言葉どおり、あとでどうなるかは目に見えていた。


そして気づけば、俺の周りには見知らぬ令嬢や婦人たちが集まってくる。


「相変わらず、殿下はおモテになりますな」


騎士団長が面白そうに笑う。


俺はそれを聞き流しながら、女性たちに適当に愛想を振りまく。


「殿下、素敵ですわ。痺れました」


「私は一夜限りの夢でも構いません。殿下と過ごしたいのです」


甘い言葉が、次々と投げかけられる。


だが――


俺は、それらをほとんど意識していなかった。


別に、モテたいわけじゃない。


俺はただ――


エレノアと、穏やかに暮らしたいだけだ。


その後、国王から特別な叱責はなかった。


あれはあくまで、場を収めるためのもの。


本気で怒っていたわけではない。


ただ一つ、言われたのは――


自分の言動に対する、説明責任を果たせ、ということだけだった。


今回の件で、国王自身は怒っていない。


だが――


婚約者側の親たちは、そうはいかなかったらしい。


宮殿へ戻ると、ずらりと婚約者たちが並んで待っていた。


その中に――


エレノアの姿もある。


だが、その表情からは、何一つ読み取れなかった。


何を考えているのか、まるでわからない。


最初に口を開いたのは、クラリッサだった。


「レオニス殿。此度のことで、父王がお怒りになっております。私は連れ帰られるかもしれません」


「まあ、仕方ないでしょう。アステリア王の怒りを買ったのですから」


俺は淡々と答える。


「それだけですか?」


クラリッサが問い返す。


「私から言うことはない。アステリア王がそう望まれるなら、姫も従うべきだ」


「……」


空気が、わずかに冷える。


「とにかく、今日は疲れた。私は休む」


それだけ言って、俺はその場を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ