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第十五話「反論」

第十五話「反論」


-------------------


その日は、少し早めに座れた。


田中殿と堀田殿が私を見つけて急いで座り、

田中殿は昨日の続きを開いた。


-------------------


653 名無しさん

YOMI2020今日も来るかな


654 名無しさん

>653

もう住人やろ



655 名無しさん

弟の話重かったな

「本人の行いとは関係のないところで家を失った」



656 名無しさん

>655

あれはきつかった

YOMI2020今日どんな話するんやろ



657 名無しさん

>656 そろそろ言いたいこと全部言い切る気がする



658 名無しさん

>657 なんとなくそんな雰囲気ある



659 名無しさん

YOMI2020に聞きたいことがある

結局忠清って何がしたかったんや

一言で言うと




660 名無しさん

>659

ええ質問やな

YOMI2020来たら聞いてみよう



-------------------



私は画面を眺めた。


「六五九番の方……」


田中殿が言った。


「一言で言うと、何ですか。」


私はしばらく黙っていた。


一言で言うと。


合議制。殉死禁止。戸籍。海運。農政。治水。歴史書。外交。蝦夷地。伊達騒動。越後騒動。宮将軍。器量。墓。弟。

全部、繋がっていた。


「仕組みで動く政治だ。

 一人の人間の器量や、

 血筋や、

 母の言葉ではなく。

 合議で決め、記録に残し、後世に伝える。

 そういう政治を作りたかった。」


田中殿は静かに頷いた。

「……それが合議制だったんですね。」


「そうだ。」



堀田殿が静かに言った。

「今日は、それを伝えますか。」


私はしばらく黙っていた。

「伝える。

 最後に、伝える。」


書きたい内容を田中殿に伝えた。


-------------------



661 名無しさん◆YOMI2020


おはようございます。


>659

良い質問をありがとうございます。


最後に、一つだけ申し上げさせてください。

合議制は、近代的な「合議政治」の先駆けだったと思っています。


一人の人間が全てを決めるのではなく、

複数の者が議論し、全員の合意で決める。


記録に残し、後世に伝える。

それを潰したのが誰かは、明らかです。




662 名無しさん

また来た



663 名無しさん

>661

合議政治の先駆けって

YOMI2020にしては強い言葉やな



664 名無しさん

>663

今まで淡々としてたのに



665 名無しさん

>661

「それを潰したのが誰かは明らかです」

綱吉やろけど

直接名前出さんのがまたええな



666 名無しさん

>665 でも明らかに綱吉やんな



667 名無しさん

>661

え、急に熱くなってるやん

YOMI2020大丈夫か



668 名無しさん

>667

いつもと全然違う



669 名無しさん

>661 これ最後の書き込みな気がする



670 名無しさん

>669

なんかそんな雰囲気ある



671 名無しさん

>661

「最後に一つだけ」って書いてあるし

やっぱり最後やろ



672 名無しさん

ここで歴史ガチ勢ワイが言わせてくれ

YOMI2020がこのスレで話してきたこと



全部繋がってたんや

合議制→殉死禁止→戸籍→海運→農政

治水→歴史書→外交→蝦夷→伊達→越後

宮将軍→器量→墓→弟


全部「仕組みで動く政治」を作ろうとした人間の話やった

それを綱吉が一人の将軍の権力でぶち壊した


YOMI2020が言いたかったのはそういうことやったんやと思う



673 名無しさん

>672

それが全部やな



674 名無しさん

>672

このスレ最初から全部繋がってたんか

気づかんかった



675 名無しさん

>672

YOMI2020ありがとうって言いたい



676 名無しさん

この人もしかして……

本当に酒井忠清本人やったりして



677 名無しさん

>676

それはないやろ笑



678 名無しさん

>676

でも最近ほんまに否定できんくなってきてるんよな



679 名無しさん

>678

YOMIって黄泉やろって話

最初は冗談やと思ってたけど



680 名無しさん

>679 まじで誰なんやこの人


--------------



田中殿が小声で言った。

「やばい、676の方……バレそう。

 第三者風に書いたはずなんだけどな。」


「……構わぬ。」


私はしばらく画面を眺めた。


六七二の方が、全部まとめてくれていた。


合議制から始まって、弟の話まで。

全部繋がっていた、と書いてくれた。


頼んでもいないのに。


名前も知らぬ者が。


「田中殿。」


「はい。」


「最後に、もう一度だけ書く。」


「はい。」


-------------------



681 名無しさん◆YOMI2020


長い間、お付き合いいただきありがとうございました。

言いたいことは、言いました。

伝わったかどうかは、


読んでくださった皆さんが決めることです。

ただ一つだけ。

名前を知らなくても、


分かってくれる者がいる。

ここで、それを知りました。



682 名無しさん

>681 またきた



683 名無しさん

>681

「言いたいことは言いました」

やっぱり最後やったんか



684 名無しさん

>681

「名前を知らなくても分かってくれる者がいる」

これはちょっと泣けるな



685 名無しさん

>684

なんか胸にくるわ



686 名無しさん

>681

結局誰やったんやこの人



687 名無しさん

>686

酒井家の子孫やろ



688 名無しさん

>687

でもYOMI2020って黄泉やし



689 名無しさん

>688

まじで黄泉の酒井忠清本人やったりして



690 名無しさん

>689

それやったら怖すぎやろ笑



691 名無しさん

>690

でも否定できんのよな

最初から最後まで当事者感がありすぎた



692 名無しさん

このスレ神スレやったな



693 名無しさん

>692

禿同

忠清のこと調べようと思う




694 名無しさん

>692

最初権力の亡者やと思ってたのに気づいたら応援してたわ




695 名無しさん

>694

ワイもや




696 名無しさん

YOMI2020また来てくれんかな



697 名無しさん

>696

また来てほしいな



698 名無しさん

>697

でもこれで終わりな気がする



699 名無しさん

>698

そうやな

「言いたいことは言った」って書いてたし



700 名無しさん


700ゲット

YOMI2020ありがとう



-------------------



時間が来た。


静かだった。


田中殿が言った。

「……バレたか。」


堀田殿が少し笑いながら言った。

「バレたかどうかは分かりません。

 でも、ほぼバレていますね。」


私は何も言わなかった。


堀田殿が静かに言った。

「気は、すみましたか。」


私はしばらく黙っていた。


すんだか。


三百年分の言いたいことを、言った。


合議制のことも。

殉死禁止のことも。

戸籍のことも。

海運のことも。

農政のことも。

治水のことも。

歴史書のことも。

外交のことも。

蝦夷地のことも。

伊達騒動のことも。

越後騒動のことも。

宮将軍のことも。

生類憐れみの令のことも。

墓のことも。

忠能のことも。

全部、言った。


「……すんだ。」


私は静かに立ち上がった。

からくり箱の前を離れた。


田中殿が静かについてきた。


堀田殿も、静かについてきた。


一時間ずつ、届けてきた。

それだけだ。


---完---

第一部「黄泉の政、また取りまとめ申す。〜大老・酒井忠清の冥府改革〜」

から、閑話「忠清の、忠清による、忠清の為の調査書」

そして、第二部「合議制で決めた事なのに悪者にされているのだが~大老・酒井忠清の反論~」

お付き合いいただきありがとうございました


最後にスピンオフ「堀田から見た、酒井忠清 ~堀田正俊の子孫、黄泉にて邂逅す~」

を書かせていただいて、「忠清シリーズ」は終わりになります。


もう少しだけお付き合いいただけましたら幸いです。


竹の春と猫

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