38 ハーフエルフと古酒(その12)
「それでは賠償について話そうか?」
オレが言うとハーフエルフは驚いてました
驚きすぎて手に持っていた酒の入ったコップがカウンターに転がってます
おいおい、あんたが酒場に逃げ込んだおかげでグッチャグチャになったんだよ?
当然、払うモノは払って貰うよ
「あ、あのっ、私、親がいなくって、だからお金ありませんっ!」
必死になって言い訳してます
知ってるよ
しっかりエルフの村の話を聞く時に、一緒に聞いたから
「大丈夫!身体で払って貰うから!」
余計に顔色が悪くなりました
あれ?
安心させようとしたのに逆に不安がらせた?
「痛くないよ、多分?」
「多分なんですか!?」
「大丈夫、傷は10日で治るから」
「10日も治らないほど傷つけられるんですか!?」
「心を強く持ってれば問題ない」
「強くないとどうなるんですか!?」
オレが何か言うたびにハーフエルフが不安になっていきました
「なあ、あれって脅しているようにしか聞こえないだけど?」
剣士がそう言うと
「絶対に脅しているよね?」
美女が答えます
おいっ、聞こえてるよ!
「こちらがマイスターです」
そういってハーフエルフにマイスターを紹介します
「・・・どうも」
ハーフエルフが返事をしましたが、困惑してます
なんでここで紹介?
そう思っているのが丸判りです
「このマイスターについて行って仕事してください、その賃金が今回の賠償に充てられます」
そう言うと彼女はホッとした顔になりました
身体で払うってのが労働だと気がついたようです
オレ、どんな鬼畜だって思われてたんだ(涙)
「まあ、金貨100枚だから頑張ってくれ」
そう言うとまた驚いた顔をしてました
ああ、そう言えば金額についての話してませんでしたっけ?
「それじゃあ行こうか?」
そう言うとマイスターはハーフエルフをズルズルと引きずって酒場の扉から出て行きました
「え?えええ?え~~~っ?!
彼女が叫んでます
でもマイスターは
「医者達が首を長くして待ってるよ、貴重なサンプルが届くのを、どんな結果がでるか楽しみだ・・・」
なにやら楽しそうに呟いてます
彼女の叫びはどうやら耳に届いてないようです
あ~、検討を祈る?




