34 ハーフエルフと古酒(その8)
「ヒヤハッハ~~ッ、み~つ~け~た~っ!」
暗闇の中、逃げまどうエルフに追いついたら思わず笑い声がでました
たとえば、幼稚園児の甥っこと公園で追いかけっこをしていて
小さい足を必死に動かして逃げていた甥っこに追いついた感じ?
わかります?
真剣勝負なんて地の果てくらい遠いっす
遊び半分以下だけど微笑ましい?
なぜだか笑いがでちゃいました
暗闇の中、エルフの顔に絶望が広がります
あ?
なんで暗闇でも見えるか?
訓練です
異世界召喚された世界では、魔法があるものの中世レベルでした
おかげで夜なんて真っ暗ですよ
日が昇れば起きて、沈むと寝る
そんな世界に数年いれば、真っ暗の中でも結構見えるようになります
だってね、夜中にトイレ行く時、必要ですから
なんども危機が訪れました(笑)
「えいっ」
エルフの前に足を出してひっかけます
<ズシャ>
見事にスライディングが決まりました
顔を打って痛そうです
「さあ、どこかいい?手か、足か、顔か、腹か?」
言っていて楽しくなってきました
も~サイコ~ッ!って感じっす
人間、いやエルフ狩りが楽しくなってきました
なんにでも楽しみを見つけるオレ
だってさ、魔王討伐なんて無理ゲーでクソゲーに強制参加だったんよ
おかげでこんなんになっちゃいました
オレが「どこがいい?」と聞くとブルブル震え始めました
「た、助けてくれ・・・」
え?するわけないじゃん!
一人に対して数十人で囲みやがったんだよ?
当然、タダではすまないでしょう
それなのに負けると有耶無耶にしようとする
いや、酷いってイイガカリをつける
オレ、忘れてないよ?
人の酒場を燃やそうとしたこと
さあ、トドメを刺していいかな
「ギャーッ!」
暗闇の中、エルフの叫び声が響き渡りました




