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今日から俺は君のカノジョ  作者: もち大福


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第1話:カノジョ

第1話


季節は秋。高校生にとっての一大イベントである学園祭や夏期休暇も終わりを告げ、まだまだ残暑が残る今日この頃。


俺、諸星(もろほし) 蒼也(そうや)は運命の分岐点に突入していた。


「えっと…来てくれてありがとう。ごめんね、急に呼び出したりして。」


「あ、い、いや…別に気にしなくていいよ!部活もやってねーし、予定も何もなかったしな。」


「そ、それで、その、海晴。話ってなんだ?」


そう、俺は今、クラスメイトである海晴(みはる) 優衣(ゆい)に呼び出され、この場に立っている。


しかもただの呼び出しではない。


放課後。二人っきり。教室。


…まぁ教室は教室でも被服教室だが…そんなのは些末なことだ。うん。


ともかく、ここまでの要素が揃えば、余程の鈍感系主人公でない限り、この先の展開なんて軽く想像がつく。


ーー告白だ。


しかも密かに思いを寄せているクラスメイトからの。


気持ち悪いと思われないよう、必死にニヤけそうになる顔を抑えているが、正直もう限界に近い。


きっと俺の頬筋は明日、心筋と一緒に筋肉痛になっているに違いない。


「うん。あのね。諸星くん。」















「好きです。私のーー。」











「カノジョになってください!」


「よろこん、…え?」



「え、えーと。ご、ごめん。今、なんて?」


「…え?そ、その…好き、だから…カノジョになってほしいな、って。…も、もう!2回も言わせないでよ。結構恥ずかしいんだよ。」


顔を赤らめ、必死に俺に好きだと告げる様子は大変可愛らしい。好きだ。


だがちょっと待ってほしい。


「か、カノジョって、あの、俺の認識が間違ってなければ、彼に女って書く…あの?」


「?他に何があるの?」


「…俺、男なんだけど?」


「知ってるよ?」


「What?」


なんてことだ、いつの間にか俺はアメリカナイズされてしまっていたらしい。


ニホンゴ、ムズカシイ。


「えっと、海晴は俺に彼女になってほしいの?男の?俺に?」


「う、うん。ダメ…かな?」


あ、可愛い。いや待て、流されるな俺。


「ダメ、っていうか…普通に彼氏じゃダメなの?」


「ダメ。」


まさかの即レス。


「ちなみにだけど…なんで彼氏じゃダメなの?」


「…私、かわいいのが好きだから。」


「…うん?」


「かっこいいじゃなくて、かわいいがいいの。」


「好きな人には、私の好きでいてほしいの。」


「だからカノジョがいい。」


「Oh…。」


正直に言って意味がわからない。理屈も何もあったもんじゃない。


…でも。


「…やっぱりおかしいよね、こんなの。ごめんね。」


「そんなことねーよ。」


「え?」


「自分に正直でいいじゃん。それにほら、あれだ。理想を貫き通すってすごいことだし、うん。とにかく恥ずかしがるようなことじゃないさ。そう、そうに違いない。」


「そ、それじゃあ…!」


「あぁ、これからよろしく。」


「う、うん!よろしくね!」


悲しいかな。


女がかわいいに勝てぬように。


男もまた、可愛いには勝てないのだ。


母さん、父さん。高校1年、秋。


俺、生まれて初めて彼女ができました。


そして。


生まれて初めてカノジョになりました。

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