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黒魔女  作者: 取手ポテト
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『黒魔女』 第二話:ネズミ狩り

『黒魔女』 第二話:ネズミ狩り


港区、芝公園のすぐ裏手にあるコンビニ。 この街では数少ない“補給所”として機能している場所だった。

黒魔女は音もなく降り立つ。店のガラスが割れているのが目に入った。 棚が倒れ、商品が床に散らばっている。

「……荒らされた、か」

その言葉と同時に、店の奥から金属音が響く。

続いて、低く唸るような声。

「……解体せよ……」

黒魔女の目が細くなる。

「ザイム解体教……ネズミ共」

その瞬間、ヘルメットとマスクをつけたネズミ男たちがコンビニの奥から現れた。 鉄パイプを振りかざし、火炎瓶を片手に持った男もいる。

「ここにも港区女子が……!排除ッ!」

黒魔女は素早く前へ出る。静かに、無駄な動きはない。

「──騒がしいネズミほど、始末が早い」

一歩踏み出した瞬間、彼女の姿がブレる。

ワイヤーが射出される。横の壁面を蹴りつけながら敵の背後へと跳び腰のダガーで突き刺す。 一人のネズミ男が、悲鳴すら上げられぬまま崩れ落ちる。

「なっ……囲めッ!」

残りのネズミたちが鉄パイプを構えて突進してくる。

黒魔女はスカートの内側から投げナイフを抜き、壁を跳ね、狭い店内を縦横に駆ける。

一匹、また一匹と駆除する。 ネズミたちはパニックに陥り、互いに衝突しながら倒れていく。

最後に残った一人が、震えながら火炎瓶を構える。

「お前なんか──ッ!」

黒魔女は視線を逸らさず、無言でナイフを投げた。 瓶は投げられる前に男の手から落ち、足元で発火した。

黒魔女は冷徹に言う。

「汚いネズミ、燃えてしまえ」

ネズミ男が呻きながら崩れる。

炎が天井に届く頃、黒魔女はすでにコンビニを出ていた。

遠くのビルの屋上。 黒い影がひとつ、こちらをじっと見ていた──。

「……気持ち悪い」


読んでいただきありがとうございます。

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