↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破鏡の世に……  作者: 刹那玻璃
孔明さん新婚ですが、レッドカードスレスレですよ。
PR
40/428

孔明さんは、敵に回さなくて良かったと思ってます。※

 アワアワと慌てふためく使用人達を尻目に、孔明(こうめい)はのんびりとお茶を飲みながら、


「済みません。義父上に月英(げつえい)。ちょっとやり過ぎました。もし……」

「言うなよ。孔明。お前が間違ってないのはオレが解ってる。でもな、あの馬鹿が限度を超えた馬鹿だから、お前に迷惑をかけたらと……」


 月英がガリガリと髪をかき回すのを、慌てて止める。

 琉璃も義父も月英も怪我人である。


「家族なので大丈夫ですよ。月英」

「……それもそうだな」


 にっと二人で笑う義兄弟の横ではらはらしているのは、


「だ、大丈夫かね? 婿殿」


 黄承彦(こうしょうげん)が示すのは、孔明の膝の上で黙々と干し杏(あんず)を食べている琉璃(りゅうり)である。


「あんなに酷い怪我だったんだ、熱を出したりしてないか!? もしくはさっきの、『そう(王に宗)』のせいで参ったり……」

「少し、酷いことを言われてショックを受けてますが、今のところ大丈夫そうです。化膿止めの薬を飲ませてますし」

「それなら良いけれどね」


 ほっとする義父に孔明は、


「義父上こそ、私の行いを責める資格はあるんですよ? 私が……」

「いつかはわしや月英が、解決しなければならなかった事だよ」


 穏やかに微笑んではいるが、先程孔明が『そう』を叩き出してすぐ、屋敷の使用人達を次々使いとして送り出し、あれこれ策略を練り始めた。


「まぁ、そろそろ、かねぇ」


と、呟いた黄承彦の言葉に被さるように、次々現れる使者が、


「申し上げます。水鏡老師(すいきょうろうし)より、お弟子の方々の一斉出仕取り止めの件、ご了承戴きました」

「申し上げます。龐家(ほうけ)の徳公様(とくこうさま)より、了承されたとの由」

「申し上げます。襄陽(じょうよう)の街の市場、一斉に売買停止となりました」

「申し上げます。襄陽の井戸を一斉に使えないように操作しました」

「申し上げます。城内の道を全て封鎖、移動を制限しました」

「申し上げます。川を塞き止め、物流を完全に停止しました」

「申し上げます。南西東の門を封鎖しました」

「申し上げます。住民達が混乱し、一斉に荊州牧(けいしゅうぼく)の元に殺到しております」


 聞こえてくる内容に、孔明は義父の影響力の凄まじさを思いしる。


「あぁ、良くやったね。本来ならもう少し早く出来るんだけどねぇ……」


 苦笑しながら黄承彦は、息子を見る。


「月英。又侵入者が来たら、思い切りやるが良い。お前はわしの息子であり、この黄家(こうけ)の跡継ぎだ。黄家の力を見せつけろ。手加減無用だ」


 老獪(ろうかい)な商人の目を見返した月英は、


「解ってらぁ!! 黄家の跡取りとして目にものを見せてやる」

「それでこそ、わしの息子」


 ニヤリっと笑い合う親子を止める術はなく、まぁ終息するまで見守ろうと心に決めた孔明である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。