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7/8

4.意識せずに倒した相手は。

続きが気になったら、是非★評価などおおおおおおお(*'▽')!!

応援よろしくうううううううう!!









「なんだよ、そういうことか! ビックリさせんなよな!」

「お、おう……誤解がとけたなら、何よりだよ」



 絶叫の後、ボクは全速力でアクトを追いかけた。

 ミラには明日また、と断って。


 ひとまず勘違いを解消できたので、一安心というところだった。

 そんなこんなで、成り行きとはいえボクとアクトは共に帰路を歩いている。ちょうど家の方向も同じだったらしく、ついでに近所の川へと立ち寄った。

 王都の外れをサラサラと流れる水を眺めながら、ボクはゆっくり腰を落ち着ける。

 アクトも大きく息をつきながら、同じようにしていた。



「それにしても、まさかドラス家の嫡男に喧嘩を売るとはな!」

「ん、ドラス家って……?」



 そして、ふとそんな話題を振ってくる。

 そういった家系事情に疎いボクは、間抜けた声でアクトに訊き返した。すると彼は驚いたように目を丸くする。まるで、信じられないものを見るかのように。

 いったい、どうしたというのだろうか。

 そう考えていると、アクトは肩を竦めながら教えてくれた。



「ドラス家、っていったら名門騎士家系だよ。爵位だって与ってる貴族の中の貴族様だ。ちなみに取り巻きのもう一人は、その親戚だな」

「あー、そうなのかー」



 どうやら、あんな奴でも良いところの坊ちゃんだったらしい。

 それを聞いてもまだ実感はわかないが、アクトのような一般学生にとっては一大事のようだった。そして、そんな相手に楯突いたのだからボクはとんでもない奴扱い。

 教室を四人で抜けていった時にはもう、なかなかな空気感だったとかで……。



「リュークは本当に、どこか変わってるよな」

「変わってる、かなぁ……?」



 アクトの指摘にも、まだ判然とはしなかった。

 だって、ボクは自分の思ったままに行動をしただけだから。

 自分の目の前で起こった理不尽に対して、無視したままではいられなかった。それはイジメられているのがミラでなくても、きっと同じだっただろうと思う。


 だって、悔しいから。

 生まれながらに覆せない差があるなんて、考えたくないじゃないか。



「ボクは、それが普通だと思うんだけどな」




 そう結論付けて、ボクは小さくそう呟くのだった。









「へぇ……負けたんだ、アニキ」

「う、うるせぇ! 剣さえあれば、あんな奴……!!」

「言い訳が酷いよ。それに、スキルだって使ったんだろう?」

「ぐ、う……!」



 ――その頃、ドラス家では。

 喧嘩に負けて無様に帰還した兄に、冷めた言葉を投げる弟の姿があった。




「でも、俺も少し興味が湧いたよ。……ふーん?」




 悔しげに歯軋りをする兄。

 対して弟の方は余裕のある笑みを浮かべ、こう口にしたのだった。





「今度、少しだけ遊びに行こうかな……?」――と。




 


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[一言] お、新しい獲物?w
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