表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)アルドの異世界転生  作者: ばうお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

540/542

540.捜索

540.捜索






ドラゴンアーマーへ着替えて1階へ降りると、青い顔で佇んでいるオリビアと難しい顔のライラが立っていた。


「アルド……ルイスを頼みます。あんなのでも、私にとっては大切な兄なのです」

「大丈夫。絶対にルイスは助け出す。レオンに誓うよ」


「ありがとうございます。アルドも怪我には気を付けてください」

「ああ、直ぐに無傷で帰ってくる。勿論、ルイスも連れてな」


オリビアの憔悴した顔に、やっと少しだけ笑顔が戻ってくる。


「アルド君……私も一緒に……」

「ライラ、今回はルイスの探索が主になる。騎士の10人や20人、オレとエルにアシェラまでいるんだ。簡単に制圧できるよ。それよりソフィアを見ててくれ。まだ産まれて半年しか経ってないんだ。母親が近くにいてやらないと可哀そうだろ?」


「うん……分かった。でも絶対に怪我をしないで帰ってきて下さい。お願いします」

「分かった、約束する。絶対に無傷で帰ってくる。約束だ」


オリビアとライラへ言ったように、オレ達3人……修羅と呼ばれたオレ達なら、ただの騎士如き、どれだけいても脅威には成り得ない。


「アルド、準備できた。何時でも行ける!」

「分かった。オリビア、ライラ、子供達を頼むな。行ってくる!」

「行ってらっしゃい、2人共。ルイスを頼みます」

「アルド君、アシェラも、怪我だけはしないで……」


こうしてオリビアとライラに見送られる形で、オレ達は領主館の地下にある指輪の間に向かったのである。



◇◇◇



指輪の間へ続く階段を降りると、既に着替えを終えたエルが待っており、心配そうな顔のアオと話していた。

どうやらアオから、少しでも情報を聞き出しているようだ。


「エル、待たせた。直ぐに飛ぼうと思う。大丈夫か?」

「はい、兄さま。準備は出来ています。それとアオから話を聞いていたのですが、いきなりの事だったらしく、ラヴィさんの話以上の事は分からないそうです」


「そうか、アオの立場ならしょうがない。ここからは時間との勝負だ。飛んだら直ぐ、二手に分かれてルイスを探すぞ。見つけたら局所ソナーを2回、想定外の出来事が起こった場合は3回打って、連絡を取りあおう。魔力の消費はキツイが、背に腹は代えられん。それとアシェラはオレと行動してくれ。オレとエルの魔力の減り具合では、お前の負担が大きくなるかもしれない」

「大丈夫! ボク1人で騎士を殲滅する!」

「見つけたら2回、想定外で3回ですね。分かりました」


「じゃあ、向かうぞ。アオ、頼む、飛ばしてくれ」

「分かったよ。それと覚えてると思うけど、向こうは崖の中腹だからね。落ちて怪我しないでよ」


アオがそう告げた瞬間、1秒だか1時間だか分からない感覚に包まれたのだった。



◇◇◇



意識が戻ったと同時に、浮遊感が襲ってくる。

うぉ! あぶねー。アオが注意しくれなかったら、そのまま落ちてたかもしれない……やば……


「兄さま、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫。ちょっと驚いただけだ」


上空から声が聞こえてくるが、エルとアシェラはマナスポットの直ぐ隣で、心配そうにオレを見つめている。

2人共、オレみたいに落ちそうにならなかったのか……


うーん……何だろう。このモニョっとする感覚は……まるでオレだけ出来が悪い子みたいじゃないか!

ダメだ、ダメだ。今はそんな事よりルイスを探さないと……気を取り直して、エルとアシェラへ話しかけた。


「エル、アシェラ、さっきの話通り、2手に別れるぞ。魔力の消費は度外視して、先ずはルイスを見付ける。良いな?」

「はい。でも闇雲に探しても、ルイスを見つけられるんでしょうか?」


「賊は攫ったルイスを、ミュラー領へ運ぼうとするはずだ。でもミュラー領まで人を背負って運ぶと思うか? 恐らく馬車を使う。ミュラー領はカナリスの街から西にあるらしいからな。先ずはカナリスの街までの街道を虱潰しで探す」

「分かりました。では僕は街道の南側を探します」


「じゃあ、オレは北側だな。アシェラも念のため、魔眼で怪しい物が無いかを注意しててくれ」

「分かった!」


取り敢えずの方針は決まった。直ぐにオレとアシェラは北へ、エルは南へと空を駆けていく。

範囲ソナーを打つにしても、目視での探索もしておきたい。


結果、できる限り低空を飛んで行く事を決めた。

実は向こうへ伝わっている情報の中には、オレもルイスと同じように、空を駆けると流してある。


何故わざわざ そんな情報を? そう思うかもしれないが、オレは数年前カナリスの街で行われた交流会の最中、大観衆の前で空間蹴りを使った事がある。


調べれば簡単に分かる事実を誤魔化して、信用を無くしたくは無い。

ルイスとも相談した結果、ミュラー家には、オレとルイスだけが空を駆ける術を持っていると伝えてあるのだ。


今はオレ、エル、アシェラが空を駆けているが、魔族にエルとオレの姿を見わけられる者はいないと思う。

アシェラは……まぁ、うん……


そんな訳で、ルイスを手に入れたヤツ等は、もう1人の空を駆ける者を見付ければ、当然のように欲しがるに違いない。

範囲ソナーから漏れたとしても、向こうから近寄ってくれる事を期待して、敢えて低空を駆けているのだ。


「アシェラ、そろそろ最大で範囲ソナーを打つ。魔法が使える魔物を呼ぶかもしれない。注意してくれ」

「何か来たら、ボクがぶっ飛ばす! アルドはルイスに集中して」


「助かるよ。じゃあ、打つぞ」


最大の範囲ソナーを打ち、返ってくる魔力に全神経を注ぎ込む……エルは800メード南か……お互いの範囲ソナーが被るので、本当はもっと離れた方が良いのだが……効率は悪いが範囲外に出てしまうと連絡が取れなくなってしまう。

これは必要経費と割り切り、再度 返ってくる魔力へ集中する……オークにゴブリン、ウィンドウルフ……定番の魔物に沢山の動物……それと、これはグリフォン? 以前、マナスポットを解放した際の生き残りか?


ルイスの反応は感じられ無かったが、ダカート村に懐かしい人達の反応があった。


「アシェラ、少しだけ寄り道したい。以前 話したダカートの風ってパーティの反応があった。ルイスを逃がすために、囮役をかって出てくれたそうだし、何か知ってるかもしれない」

「ボクには判断できない。アルドに任せる」


アシェラには了承を貰ったので、後はエルか……空を駆けながら走り書きの手紙を書き、アオに収納を見るよう、エルへ伝えてもらった。



◇◇◇



ダカート村の上空まで空を駆けてきた。本当なら村の手前で地上へ降り、村人を驚かさない配慮をするべきなのだが、今は1分1秒が惜しい。

申し訳ないと思いつつ、反応があった家の前まで空を駆け、急降下で降りていく。


『すいません! アルドです! ダカートの風の皆さん、聞きたい事があるんです!』


ノックも適当に扉をあけ放ち、一息に言い切った。

家の中にはソーイとパーガス、そしてウィズが呆けた顔で、立ち尽くしている。


『皆さんはルイス達を逃がしてくれたんですよね? ルイスがどこに連れて行かれたかしりませんか? どんな小さな事でも知っている事を教えてください!』

『アルド、何でお前がここに……ルイスから遠い場所へ旅に出てるって聞いてたのに……』


あ、ダカートの風のメンバーには使徒の件は話して無かったんだった……あー、どうしよ……もぅ、今更だ。このまま強引に進めさせてもらう!


『その件は今度 話しますので。それよりルイスの行方を知りませんか?』

『ルイスか……オレ達は、洞窟に隠れてたアイツ等を見つけて、囮をかって出た。そこからは会ってねぇ。逆に教えてくれ。ルイス達は逃げられたのか? どうなんだ』


そうか……ダカートの風の皆は、ルイスの行方を知らないのか……


『ラヴィさんとメロウさんは疲弊してますが、無事に保護しました。ネロも保護はしましたが、右腕を無くして重傷です。ルイスは……3人を逃がすため、敵に捕まったそうです……』

『くそっ! ルイスは逃げられなかったのか……すまねぇ、お前との約束を守れなかった……ザザイが重傷を負ってまで頑張ったってのに! くそっ!』


は? ザザイが重傷を負っただと? そんな話、聞いて無いぞ。


『ザザイさんが怪我をしたんですか?』

『ああ。騎士を引き付けるために、ワザと音を立てながら逃げたんだ。そしたらザザイの姿を見た騎士が、「紛らわしい! 冒険者風情が邪魔をするな!」って激高しやがってな。腹に剣を突き入れやがった。何とか血止めだけはしたが……今は隣の部屋で眠ってる。村人にカナリスの街まで回復魔法使いを呼びにやらせてるが……あの傷じゃ……くそっ……』


ルイスだけじゃなくてザザイさんまで……クエン=フォン=ミュラー、お前だけは絶対に思い知らせてやる!

腹の底に黒い物が沸き上がる感覚の中、ザザイさんの容態が気にかかる。


今はルイスを見付ける事に専念するべきだ……でもルイスを逃がすために怪我をした人を放っておくのか?

しかもザザイさんが死んだりしたら……いや、それを言えば、今 この瞬間、ルイスの身にも危険が迫ってるかもしれない……


グルグルと思考が回る中。オレが発した言葉は……


『……ザザイさんを診させてください。最低限の応急処置だけはしていきます』

『お前、まさか……回復魔法まで使えるのか? ドラゴンスレイヤーで治療も出来るとか……アルド、お前は一体……』


『時間がありません。パーガスさん、早くザザイさんの所へ!』

『わ、分かった。こっちだ』


パーガスが慌ただしく隣の部屋の扉を開けると、腹に真っ赤に染まった包帯を巻かれたザザイが横たわっていた。


「これは……この出血量、アシェラ、直ぐに輸血魔法を! オレはソナーで傷の治療をする!」

「アルド、ごめん……ボク、輸血魔法を使えない」


「え? あ、そうか……輸血魔法を使えるのはオレとエルだけ……」

「ボクが傷を診る。アルドは輸血魔法を使って」


「あ、傷ならお前でも……しかも魔力視の魔眼で、オレより上手いくらいか……」

「アルド、早く! この人の魔力、今にも消えそう! 急がないと、間に合わない!」


「わ、分かった。直ぐに始める」


ルイスを探さないと……焦れる心を必死に落ち着かせながら、アシェラと共にザザイの治療に集中するのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
よし、奴らは潰そう、消滅させよう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ