表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
ベンヌの住まう山
56/99

ズールの予言書

連合暦20年6月18日、


ジェイル達がエッグ王子と謁見していたころ、

パイン達はコゴーロと会話をしていた。


コゴーロ:「さて、肝心な指輪の話をするとしようかの。」

パイン:「はい。」

パイン達は、コゴーロに注目する。


コゴーロ:「先ほど、パインさんに、ベンヌと仮契約したと

     言ったじゃろ。」

パイン:「はい。」

コゴーロ:「お前さんとベンヌは、既につながっているのじゃよ。

     ただし、ベンヌ自体が遥か遠くの山に籠っている。

     そのため、今はわずかなつながりのみなのじゃよ。」

パイン:「ベンヌに近づけば、

    より強く感じるということですか?」

コゴーロ:「うむ、そういう事じゃな。」

コゴーロは、一呼吸おいて、話を続けた。


コゴーロ:「お前さんの赤い指輪じゃが、ベンヌの精神体を

     青い指輪に送る力があるのじゃ。」

パイン:「えっ、という事は、ベンヌが自分の中に入って、

    赤い指輪から青い指輪に移動するということですか?」

アリス:「なるほど、それを私がシヴァの呼び出しに使うという

    事ですね。」

コゴーロ:「そうじゃな、そういう事じゃ。」


パイン:「ベンヌの精神体が入ってきても、大丈夫なんですか?」

コゴーロ:「んー、たぶん大丈夫じゃろう。」

パイン:「たぶんって、、、」


コゴーロ:「そうじゃな、お前さんが激流に片足を突っ込んだ

     状態で、耐えることができれば何とかなるじゃろ。」

パイン:「えっ?」


コゴーロ:「別の言い方をすると、お前さんの中を精神体が

     激流のように流れてゆくのじゃ。

     お前さんは、自分の精神体が激流に流されないように

     激流を無視するのじゃ。

     これができれば、無限の精神体を青の指輪に流す事が

     できるのじゃよ。」

パイン:「激流の横にいて、激流を無視しろって

    言ってるんですよね?」

コゴーロ:「そうじゃ。」

パイン:「えーっ、それって、難しいですよね?」

コゴーロ:「難しいじゃろうな。」

パイン:「あのー、もし意識しちゃったら、どうなりますか?」

コゴーロ:「お嬢さんの精神力が無くなった時と同じじゃよ。」

パイン:「意識を失うってことですか?」

コゴーロ:「そうじゃな。」

パイン:「あー、よかった。死ぬんじゃないんですね。」

みるみるパインの顔が笑顔になってゆく。


コゴーロ:「ただし、言っておくことがある。

     ベンヌのいる山は、断崖絶壁にあるからの。」

パイン:「えっ、という事は、意識が無くなったら、

    崖から真っ逆さまってことですか?」

コゴーロ:「まあ、そういう事になるじゃろうな。」

パイン:「・・・」

みるみるパインの顔が険しくなっていゆく。


コゴーロ:「安心するのじゃ、ベンヌにあう前に、ちゃんと

     訓練する場所もある。」

パイン:「えっ、一発勝負じゃないんですね。」

コゴーロ:「そういう事じゃ。」

パイン:「よかった。」

みるみるパインの顔が普通の顔に戻ってゆく。


コゴーロ:「それじゃあ、これからベンヌに会いに

     行くんじゃが、わしと精神の指輪を持つ者だけじゃ。」

サール:「えっ、我々は、いけないんですか?」

コゴーロ:「残念じゃが、そういう事じゃな。

     これから、ズールの屋敷へと向かうんじゃが、」

パイン:「えっ?ズールの屋敷ですって。」

コゴーロ:「ベンヌの山には、ズールの屋敷から飛ぶ魔法陣を

     作ると言い残しているんじゃよ。」

サール:「もしかして、あの魔法陣ですかね?」

パイン:「あぁ、あれしかないよな。」

シェリル:「あぁ、私が試してみた魔法陣ですね。」


アリスは、思い出すしぐさをする。

アリス:「んーーーーっ、あぁ、あれね。」

パイン:「そうそう、それ、それ。」

実際には、同じ物を想像しているかは、誰にも分らなかった。


コゴーロ:「お前さん達、もしかして、ズールの屋敷の場所を

     知っているのかの?」

パイン:「えぇ、知っていますよ。」

コゴーロ:「それはよかった、実はの、屋敷の場所を教えられて

     いたのじゃが、忘れてしまったんじゃ。」

サール:「えっ、もし、我々が知らなかったら?」

コゴーロ:「手分けして、探すしかなかったじゃろうな。」

パイン:「うぁっ、、、。」


こうして、パイン達一行は、ズールの屋敷へと向かうべく、

とりあえず、ジェイルの屋敷へと向かった。


ジェイルの屋敷では、ポールが丁重に迎え入れてくれた。

今朝出発する前に、パイン達が来て何かを依頼された場合、

それを最優先で対処するようにと言われていたらしい。


出発直前に、パインは少し考えると話だした。

パイン:「サールとシェリルは、ズールが残したっていう本の

    調査をしてくれないか?」

サール:「なるほど、そうですね。

    それがいいかもしれないですね。」

パイン:「それで、それが終わったら、ジェイルの屋敷で

    落ち合うでどうだ?」

サール:「えぇ、それでいいですね。」

シェリル:「はい、わかりました。」


この会話の後で、パインとアリスは、例の飛ぶことの

できなかった魔法陣から未知の場所へと旅立った。

残ったサールとシェリルは、ズールの予言書の手がかりを

探す事となった。


サール、シェリル、ポールの3人が談話室で話をしていた。

サール:「さて、王宮に有るか知るのには、

    どうすればいいのかな?」

ポール:「それは、本なのですね?」

サール:「はい、そうみたいですが。」

ポール:「それであるならば、王立図書館で探すのが良いかも

    しれませんね。」

サール:「なるほど、王立図書館ですか、、、

    うん、それが一番よさそうですね。」

ポール:「では、早速、馬車の用意をさせましょう。」

サール:「すみません。よろしくお願いします。」

ポール:「いえいえ、お坊ちゃまの指示ですので、、、。」

斯くして、サールとシェリルは、王立図書館へと向かった。


2人は、王立図書館に入ると、真っ先に受付へと向かった。

サールは、受付で「ズールの予言書」という本が無いかを

聞いてみた


受付嬢:「しばらくお待ちください。」

そういうと受付の人は、奥の書だなから1冊の本らしきものを

持ってきた。


サール:「もしかして、ありました?」

受付嬢:「いえ、これは、目録です。」

サール:「なるほど、そうですか。」

受付嬢が目録をペラペラとめくってゆく。

そして、ある一か所まで進んだところで手を止めた。


受付嬢:「えーとですね。まず、ズールの予言書という本は

    ありませんね。」

サール:「えっ、無いんですか?」

受付嬢:「えぇ、しかし、ズールという人が著者の本は

    ありますね。」

サール:「それは、なんという本です?」

受付嬢:「旅行記という本ですね。」

サール:「発行者はどうなってますか?」

受付嬢:「カルラド王宮になっています。」

サール:「あぁ、それだ!!、閲覧することはできますか?」

受付嬢:「申し訳ありません。この本は閲覧できません。」

サールは、驚いた。

サール:「何故ですか?」

受付嬢:「20年ほど前に回収命令がでているんです。」

サール:「うっきー、何故です?」

受付嬢:「詳しく説明しますと、およそ100年前に

    カルラド王宮から、各王国の王立図書館に贈与されて

    います。

    ところが、20年ほど前に王宮から回収命令が発令

    されて、全て回収・破棄になっています。

    指示者は、カルラド王宮の大臣になっていますね。」

サール:「何故だ?」

受付嬢:「申し訳ありません。残念ながらそれを知る方法は、

    もうありませんね。

    名前を見る限り、今の大臣と同じ名前なので、

    本人に直接聞くのが早いと思います。」

サール:「確かにそうですね。

    わかりました。ありがとうございました。」

サールは、シェリルの方を向くと、早口でいった。

サール:「ジェイルの屋敷に戻りましょう。

    ポールさんに相談すれば、

    大臣と話せるかもしれません。」

シェリル:「確かにそうですね。すぐ戻りましょう。」

そして、2人は馬車に乗り込むと、ジェイルの屋敷へと向かった。

馬車の中で、2人は、どうして大臣が回収命令を出したのかを

考え始めた。


シェリル:「なんで、回収命令を出したんでしょうかね?」

サール:「そういえば、バーバラさんに、こんな話を

    聞いたことがあります。

    カルラドで大臣が行方不明になったという公示が

    あったんですよ。

    たしか、今から、20年ぐらい前に起こった話だったと

    思うのですが。

    で、その時、大臣の補佐をやっていた宮廷魔導士が

    大臣になったらしいんですが、これが、異例中の

    異例の人事で、様々な噂が流れたらしいです。

    その中の1つに、宮廷魔導士の大臣暗殺説というのが

    あってですね。

    それで、バーバラさんは、噂の芽は若いうちに摘めと

    私に教えてくれたのです。」

シェリル:「えっ、回収命令とどういう関係が?」

サール:「20年前に大臣が変わっている可能性があるかもと。」

シェリル:「なるほど、その元宮廷魔導士だった大臣が

     着任した直後に回収命令が発令されたという事

     ですね。」

サール:「私の記憶が確かなら、可能性がありますね。」

シェリル:「戻ったら、早速ポールさんに確認しましょう。」

サール:「えぇ、そうしましょう。」

そんな会話をしながら、馬車はジェイルの屋敷へと戻った。

ジェイルの屋敷に入ると、何やら慌ただしい状態だった。

奥で、ポールが何やら指示を出している。

そして、ポールがこちらに気が付くと、小走りに走ってきた。


ポール:「サール様、シェリル様、大変でございます。

    ジェイル坊ちゃまが、、、。」

珍しく、ポールが少し取り乱していた。

シェリルが心配そうな顔で問いかけた。

シェリル:「ジェイル様に何かあったのですか?」


ポール:「とにかく、こちらへ急いでください。」

そう言って連れていかれた場所は、屋敷の医療部屋だった。


ベッドの周りには、何人もの精霊魔導士が集まっていた。

そして、ベッドの上にはジェイルが仰向けに寝ていた。

赤いローブの所々にどす黒く変色した血の跡のようなものが

見えた。


シェリルが精霊魔導士を押しのけてベッドの横に躍り出た。

ジェイルをじっと見つめる。

しばらくそのまま動かなかった。

そして、ジェイルの胸に顔をうずめるように覆いかぶさると、

大きな声をだして泣き出した。


シェリル:「ジェイル様ーーーーーっ」


A:えっ、まさか?

  まさかですよね?

  そんなことないですよね?

C:さて、何かとんでもないことが、、、

A:いゃーーーーーっ!!

  ってことですか?

C:まあ、続きを、楽しみに待っていてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=714265189&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ