↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
英雄の誓い
50/99

英雄の誓い

連合暦20年6月17日、


パイン達が話を終え、バーバラ達の所へと移動したとき、

2人は、和気あいあいと雑談していた。

バーバラのこんな笑顔を見たことがなかったパインは、

少し驚いた。


パイン:「話は、終わりました。」


バーバラとレミューズが声のする方を振り向くと、

パインと神妙な顔をしたジェイルの2人が立っていた。


残りの者達は、話し合いをした場所に留まっている。


バーバラ:「さて、どんな話し合いをしたのか分からないが、

     結果は教えてくれるんだろうな?」

そう言って、2人を交互に見る。


ジェイルが口を開いた。

ジェイル:「実は、大河の水差しの在処に心当たりがある。」


その発言にレミューズが驚いた。


レミューズ:「ほぅ、で、どこにあるんだ?」

そう言って、ジェイルを見つめる。


ジェイル:「この情報を教えるには、交換条件がある。」


レミューズは、少しイラついた顔をしながら言った。

レミューズ:「なんだと、交換条件だと、

      まあいい、とりあえず言ってみろ。」


ジェイル:「救出隊のメンバーに加えてほしい。」


レミューズ:「なんだ、そんなことか。

      まあ、それについては、私ではなくバーバラが

      決めることだ。」

そして、バーバラを見つめる。


バーバラ:「残念ながら即答することは出来ない。

     カイン王の許可が必要だ。

     すまないが、分かってほしい。

     しかし、カイン王に進言することは可能だ。

     私が進言すれば、よほどのことが無い限り許可が

     おりるだろう。」


ジェイル:「分かった。

     2つ目の条件だが。」

レミューズ:「まだあるのか?」

ジェイルは、少しためらいながら、はっきりとした口調で言った。

ジェイル:「レミューズさん、俺をあなたの弟子にしてほしい。」


レミューズは、突然の言葉に驚きを隠せなかった。


----


少し前、パイン達が車座に座ったとき、

ジェイルが皆を一度見まわして話を始めた。


ジェイル:((実は、確信は無いんだが、

     大河の水差しの在り処を知っているかもしれない。))

ジェイル以外の者は、その発言に皆驚いた。


ジェイル:((皆は、俺が貴族だということは知っていると思う。

     実は、子供の頃にカルラドの王子と何回か

     交友があったんだ。

     その時に聞いた話なんだが、王子が生まれる少し前、

     そう、今から20年ほど前だ。

     丁度、魔獣の話が出てきた頃、カルラドの川が

     汚染される事態が起こったらしい。

     カルラドの川は、魔獣王城がある山に続いている。

     その水を浄化するために、魔法の品を

     使ったというんだ。

     そして、その場所もある程度までは、聞いている。))


サール:((その魔法の品が大河の水差しということですか?))

ジェイル:((いや、大河の水差しとは断言できない。

     しかし、その可能性は十分にある。))

サール:((それはすごい情報ですね。))

パイン:((なるほど、それで、相談したいこととは?))


ジェイル:((俺は、ベルノを助けたい。

     それで、救助隊に志願したいと思う。))


パイン:((それは、いい考えだ。

     もちろん、我々も参加するよ。))

パインは皆を見回し、同意を求めた。

全員がそれに賛成し、うなづいていた。


ジェイルは、少し険しい顔をしてから言った。

ジェイル:((だけど、今のままだと、ダメなんだ。))

皆は、ジェイルが何を言いたいのか分からなかった。

ジェイル:((今のままだと、俺はお荷物でしかない。))


パイン:((突然何を言い出すんだ。

    そんなことは無いぞ。))

サール:((何を言っているんですか?))


ジェイル:((いや、今のままだとダメなんだよ。

     それで、レミューズの弟子にしてもらおうと

     考えているんだ。))

パイン:((それって、パーティーを離れるってことか?))


ジェイル:((結果的には、そういうことになるが、

     ずっとじゃない。一時的な離脱だ。

     救助隊の出発までに一人前になって戻ってくる。

     だから、わがままを許してほしい。))

そう言って、ジェイルは皆に頭を下げる。


この後、パイン達の必死の説得にも関わらず、

ジェイルは、自分の考えを変えなかった。


シェリルは、最後まで、同行することを望んだが、

ジェイルは、パーティに神聖魔導士がいないことを理由に、

残ることを説得した。

そして、しぶしぶ同意した。


---


バーバラは、レミューズをじっと見つめていた。

レミューズが困惑する顔を初めて見たこともあったが、

どのように答えるかに興味があった。


しばらくの沈黙があり、そして、レミューズがジェイルを見た。

レミューズは、一回溜息をつくと、静かに口を開いた。

レミューズ:「これは、まいった。

      ところで、条件はこれだけなのか?」

ジェイル:「あぁ、そうだ。」

レミューズ:「んー、弟子は取らない主義なんだがな。」


ジェイル:「俺がいると所在だけでなく、設置されている場所

     まで、行くことができるぞ。」


レミューズ:「設置だと!!

      なるほどな。大体想像がついたよ。

      カルラド城の地下だな。」


ジェイル:「えっ、なんでわかった?」

ジェイルは、とっさにそう答えてしまった。

そして、しまったという顔をした。

まさか、その言葉で場所を特定できる者がいるとは

考えてもいなかったのだ。


レミューズ:「やはりな。

      何故、いままでそれを思い出さなかったのが、

      不思議なぐらいだ。

      そう、魔獣王城が初めて目視された頃に

      カルラドの川が汚染される騒ぎが起こった。

      その時、魔導士の募集があったんだよ。

      私は、それに参加することはなかったがな。

      そして、しばらくしてそれが収まった。

      たしか、ザイムが襲われた後ぐらいだ。

      時期的にも、一致する。

      カルラドの川は、魔獣王城のある山から流れ、

      カルラド城の地下を通過していることは、

      周知の事実だ。

      これらを総合すると、まず間違いないだろう。」


パインは、レミューズの言葉を聞いて関心していた。

バーバラほどの人物が天才と呼んだ理由がよくわかった。

20年も前の、それも自分が参加したことがない事を

覚えているなど到底自分にはまねできない。

この人の前では、隠し事など不可能だと痛感していた。


その時、ジェイルは、どうするかを考えていた。

交渉材料が無くなってしまったのだ。

自分の失態とはいえ、どう食い下がればいいのか考えていた。

しかし、まったく思いつかなかった。


無言のジェイルを見つめ、バーバラが救いの手を差し伸べた。

バーバラ:「レミューズ、あまりいじめるな。

     困っているじゃないか。

     もう、決めているんだろ?」


その言葉にレミューズは軽くうなずき、ジェイルを見た。

レミューズ:「ジェイルと言ったな。

      まず、目上の者と話すときは敬語を使え。

      そして、私のことは師匠と呼ぶように。」

ジェイル:「えっ、それじゃあ、弟子にしてくれるんですか?」

レミューズ:「私の本意では無いがな。

      情報としては、十分に価値のあるものだった。

      私は、厳しいぞ。覚悟しておけ。」


ジェイルは、今まで見せたこともない笑顔をすると、

突然大声をあげて叫んだ。

ジェイル:「ベルノーー、待ってろよーーー、

     絶対に助けてやるからなーーーー。」

その声は、ザイムの町中に響き渡った。


その後、幻獣の剣と渦雷の剣の捜索が行われた。

幻獣の剣と思われる折れた剣が発見されたが、

レミューズ曰く、「これは、偽物だ。」という一言で

偽物と判定された。


バーバラは、それに関しては、全く反論しなかった。

パインは、それだけレミューズを信頼していることの

現れだと思った。


渦雷の剣については、現物は存在しなかった。

しかし、その剣がズールに売られていることが売買記録から

判明した。


バーバラは、撤退の準備をするためせわしく動いていた。

レミューズは、それを手伝う。

パイン達は、撤退開始までの間、一か所に集まり雑談していた。

ジェイルは、レミューズの計らいにより、最後の時間を

パイン達と共に過ごすことを許された。


パイン:「またしても、ズールか。」

    ジェイル、渦雷の剣は、ズールの屋敷に

    無かったんだよな?」

ジェイル:「あぁ、もちろん無かったよ。

     もし、あったら既にお前が手にしてるよ。」

パイン:「そうか、それにしても、このズールという人物、

    一体どこまで関わっているんだ?」

サール:「そうですね。

    もしかしたら、ズールのたどった道をたどるだけで、

    全てが解明されるかもしれないですね。」

シェリル:「ごめんなさい、私の記憶が戻らないばっかりに。」

パイン:「いや、そういう意味じゃなくて、、、。」

アリス:「あぁーーーっ、パインがシェリルを虐めたーーーっ。」

アリスがパインをつんつんと突っつく。

そんな、姿を見たジェイルは、少し寂しそうな顔をしていた。


ザイムの町に夕日が差し込み始めた頃、ついに別れの時が来た。

レミューズとジェイルは、カルラドへと直行する事を決めた。

パイン達は、今後の事を話し合うため、

カイン王と謁見することとなった。


全員が一か所に集まり、そして次に会うときは、

魔獣王城に突入する時だと決め、それぞれのやるべき事を

成し遂げるため激励しあった。


そして、2つのパーティーは、転移の魔法を使い、

それぞれの地へと旅立っていった。

A:「えっ、もしかして第2章完ということですか?」

C:「どうやら、そういう事みたいですね。

  第3章は、ベンヌの話みたいですが、、、。」

A:「なんか、無理やり終わらせてませんか?」

C:「ストーリー的には、問題ないみたいですが、

  ちょっとだけ、省いたらしいです。

  その辺りは、番外編送りみたいです。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=714265189&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。