幻獣の剣
連合暦20年6月3日、
パイン達は、昨日話し合いの末、天馬の尻尾亭へと戻った。
そして、拠点にて一夜を過ごした。
もちろん、ジェイルとシェリルは屋敷に戻ったのだが、、、。
朝、パイン達が朝食終え、くつろいでいる時にジェイルが
慌てて入ってきた。
ジェイル:「おい、聞いたか?」
アリス:「おはよーーっ。」
サール:「おはようございます。」
パイン:「なに、慌ててるんだ?」
ジェイル:「カイン王が、襲われたらしい。」
パイン:「なんだって!!」
アリス:「えっ!!」
サール:「本当ですか?」
ジェイル:「あぁ、町中この話題でもちきりだ。
なんでも、近衛兵が襲ったということだ。」
パイン:「まさか、あいつらなのか?」
ジェイル:「それは、わからない。
なにせ、あれは極秘だからな。」
その時、パインはバーバラが入ってくるのを見た。
パイン:「バーバラさん。」
その声に全員が入り口を見る。
バーバラ:「無事だったか。
心配したぞ。」
アリス:「へっ?」
パイン:「どういう意味です?」
バーバラ:「昨日の夜、ニコが消えた。」
パイン:「えっ、ニコさんが?」
バーバラ:「そうだ、お前達がロナルド・ビリウスの元へ
向かったとニコから連絡があった後から消息が
分からなくなった。
さらに、ジーン・グレンジャーも行方不明だ。
そして、カイン王の襲撃。
お前達のことが心配になって来たというわけだ。」
パイン:「えっ、ジーンさんも行方不明なんですか?」
バーバラ:「この話はここではまずい。」
パイン:「なら、屋根裏部屋でどうですか?」
バーバラ:「いや、傭兵協会へ行って、パーティーを組もう。」
パイン:「そこまで秘密というわけですね。
分かりました。」
彼等は傭兵協会へ向かうと、6人でパーティーを組んだ。
そして、傭兵協会の会議室へと入った。
パイン:((カイン王は無事なのですか?))
バーバラは、窓の外を見ながら話し始めた。
バーバラ:((あぁ、カイン王は無事だ。
命には別状はない。))
パイン:((それは良かった。
犯人は捕まったんですか?))
バーバラ:((いや、襲撃直後に自害されてしまった。
この件に関しては口外しないようにしてくれ。))
パイン:((わかりました。
ところで、ジーンさんが行方不明というのは?))
バーバラ:((あぁ、公演が終わった後に消えたらしい。
いま、別件として捜索しているところだ。))
サール:((ところで、何故ジーン・グレンジャーのことを?))
バーバラ:((私は、ジーン・グレンジャーのファンなんだ。
ロナルド・ビリウスと聞いたとたんに、
ジーン・グレンジャーと分かったよ。
無事でいてくれるといいのだが、、、。))
アリス:((へー。バーバラさんって、
ジーンさんのファンだったんだ。
メモメモっと、、、。))
バーバラ:((お前達の行く先々で問題が発生しているんだ。
狙われていたとしても、
おかしくないと考えたんだよ。
それで、ここに来たわけだ。))
サール:((なるほど、そう言うわけでしたか、、、。
しかし、何故今になって、こんなことを、、、。))
バーバラ:((私はカイン王にシロッコを見せたあの時、
ヴァニッシュの関係者がその場にいたと
予想している。
彼等は我々の動きを探っていた。
そして、ベンヌの情報を持っている者を
襲っていると考えている。))
パイン:((しかし、何故我々を襲わないんでしょうか?
その方が早いと思うんですが、、、。))
バーバラ:((それは私にも分からない。
しかし、何か理由があることは確かだと思う。
ヴァニッシュは、我々の知らない何かを知っている
のだろう。))
パイン:((まあ、彼等もいるからな、、、。))
ジェイルがパインの肩を叩く。
そして、続けて全員の肩を叩いた後、首を横に振り、
言うなという素振りを見せる。
バーバラ:((彼等とは?))
ジェイル:((アリスはシュルトス公爵のご令嬢ですよ。
アリスの護衛をしているのは当然ですよ。))
バーバラがこちらを向いた。
そして、真剣な顔をして話しを始めた。
バーバラ:((なるほど、そう言うことか。
ところで、カイン王を襲った近衛兵だが、
自宅を捜査したところ、ある資料を見つけたんだ。))
サール:((資料が見つかってんですか。
犯行前に何故、証拠を消さなかったんでしょう?))
バーバラ:((実はな、それは偶然だったんだ。))
サール:((偶然?))
バーバラ:((あぁ、カイン王の襲撃の少し前に、
非番の警備兵が自宅に帰る途中に偶然放火の現場に
遭遇したんだ。
その家というのが襲撃をした
近衛兵の家だったんだ。
犯人は取り逃がしたが、家は無事だった。))
パイン:((そんなことが、あったんですか、、、。
でも、なんで魔法とか使わないんですかね?))
バーバラ:((お前、そんなことも知らなかったのか、、、。))
サール:((パイン、街中での攻撃魔法は禁止なんですよ。
それに、結界があるため威力が極端に落ちますし、
魔法を使うとすぐに分かるんです。))
パイン:((なるほど、魔法だとすぐに警備兵が
来るからという訳か。))
バーバラ:((そうだ、そう言う訳だ。
話を戻そう。
その近衛兵の家に色々な資料があった。
カイン王の情報やノワン・ハルバールの情報がね。
もちろん君達の情報もあった。
その中の一つに幻獣の剣と言う言葉があった。))
ジェイル:((えっ、幻獣の剣だって、、、。))
パイン:((なんだ、ジェイル、聞いたことあるのか?))
ジェイル:((いや、残念ながら、その名前は聞いたことが無い。
しかし、剣ということは従僕の剣と関係があるのかと
思ったんだ。
そもそも、従僕の剣という名前は、ズールの残した
資料から得たものだし、それが本当の名前かどうかも
分からないんだよ。
従僕の剣の別名なのかもしれないし、
その逆も考えられる。
もし名前が複数あるなら必ず意味があるはず。))
サール:((なるほど、もしズールが付けた名前だとすると、
その名前にした理由があるということですね。))
パイン:((別の剣という可能性もあるぞ。))
ジェイル:((あぁ、その通りだ。))
サール:((その資料には他に何が書かれていたんですか?))
バーバラ:((その資料には、調査済みか、未調査なのか
分からないが、数箇所の位置が記されていた。
そして、その場所に行って見るつもりだ。
そこで、お前達にも同行してもらいたいのだ。))
ジェイル:((それは、大歓迎だ。))
パイン:((えっ、いいんですか?))
バーバラ:((理由は2つある。
1つは、幻獣の剣というぐらいの品物だ。
幻獣の力が必要になるかもしれない。))
アリス:((シロちゃんの力が必要になるかもしれない
ということですね。シロちゃん、すごーい。))
シロ:((そうにゃ、シロはすごいにゃ。))
バーバラ:((あぁ、そうだな。
もう一つは、しばらくの間、
お前達を監視下に置きたいということだ。
これによって、お前達の安全も確保できる。))
サール:((まさか、我々を疑っているんですか?))
バーバラ:((いや、私個人としてはお前達を信じているよ。
しかし、お前達の周りで問題が多発しているんだ。
その点については理解してほしい。))
パイン:((んー、なんか釈然としないなー。))
バーバラ:((分かった、私は一旦パーティーから抜ける。
それで話し合って結論を出してほしい。))
そう言うと、バーバラはパーティーから抜けた。
パイン:((まず、監視の件なんだけど。
意見を聞かせてほしい。
まず、ジェイルはどう思う?))
ジェイル:((私はかまわないぞ。))
パイン:((ジェシカは?))
ジェシカ:((私も大丈夫です。))
パイン:((そうか、じゃあ、アリスは?))
アリス:((私は気にしないよーー。))
サール:((サールは?))
サール:((私は、昔も今もバーバラさんを信頼しています。
疑われたとしても自分に恥じる事が無いなら
何も問題ありませんよ。
平然としていましょう。))
パイン:((確かにサールの言う通りだ。
自信をもって言えるよ。
監視の件は、甘んじて受け入れよう。
じゃあ、幻獣の剣の場所だけど。
ジェイルは?))
ジェイル:((もちろん行く。))
パイン:((そう言うと思ったよ。
ジェシカは?))
ジェシカ:((行きます。))
パイン:((アリスは?))
アリス:((いくーーーっ。))
パイン:((サールは?))
サール:((実は、何か嫌な感じもするんですよね。
罠の可能性も否定できません。))
ジェイル:((おいおい、たとえ罠だとしても、
これは行くしかないだろ?))
サール:((確かにそうなんですけどね、、、。))
ジェイル:((魔獣王を倒すのが我々の目的なんだぞ。
もし倒すのに必要な物ならば、今でなかったとしても
いずれ行くことになるんだよ。))
サール:((その通りですね。
分かりました。行きましょう。))
パイン:((よし、全員行くに決まったな。))
パイン:「バーバラさん、一緒に行きます。」
バーバラ:「そうか、行ってくれるか。」
パイン:「ところで、どのぐらいの人数で行くんですか?」
バーバラ:「これは機密事項の一つなんだ。
なので、私だけだ。」
パイン:「えっ、そうなんですか。
まあ、敵かもしれない人を連れてゆくよりもいいか。」
バーバラ:「そう言うことだ。」
そして、バーバラをパーティーに再び加えると、資料に示された
場所を目指した。
A:「カイン王が襲われたんですか。
風雲急を告げるって感じですね。
なにか動き出したって思えるのですが。」
C:「えぇ、なにか動き出してますね。」
A:「パインも言ってましたが、パイン達を襲わない
理由ってのも気になりますね。」
C:「そうですね、どうしてなんでしょうかね?」




