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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
26/99

シュルトス公爵

3人は、ジェイルが用意していた馬車に乗っていた。

ジェイル以外、行き先をしらない。

ジェイルは何か考え事をしているようで、

ぼんやりと夕日で赤く染まる町並みを眺めていた。

パインもサールもその雰囲気に声をかけづらい状況だった。

そんな中、パインは思い切ってジェイルに声をかけた。

パイン:「ところで、ジェイル」

ジェイル:「ん?」

ジェイルの返事はつれないものだった。

パイン:「お前の屋敷で俺達を閉じ込めたときがあっただろ?」

ジェイル:「あぁ。」

パイン:「あの時、気が変わっただけと言っていたが、

    なにか理由があったんじゃないか?」

ジェイルがしんみりと話し始めた。

ジェイル:「あぁ、あの時は、父上に言われたんだよ。

     アリスを連れて行けってな。

     理由は言わなかったけどな。

     結果的にアリスが召喚士になったけどな。

     だが、俺には本来の目的である、

     "ドラゴン使い"

     になる夢が残っている。

     そう、あの"従僕の剣"ってあっただろ。

     あの剣は、ズールの屋敷で見つけた巻物に

     書かれていた情報を元に俺が作らせたんだ。

     笑っちゃうだろ、実物なんて見たこと無いのに

     想像で作らせたんだぜ。

     そんなもの、存在しないかもしれないのに。」

2人は黙ってジェイルの話を聞いていた。

突然、ジェイルのテンションが上がった。

ジェイル:「だが、アリスが召喚士になった。

     ということはだ、、、。

     あの巻物に書かれていたことが

     事実である可能性が高いということだ。

     そう、"従僕の剣"はきっと存在する。」

そう言って、勢い良く立ち上がった。

 「ゴッン!!」

ジェイルの目の前にキラキラと星が輝いた。

ジェイル:「いてててて。」

ジェイルが頭を抱え、うずくまった。

パイン:「おい、大丈夫か?」

ジェイル:「そうだ、思い出した。

     アリスにあったら確認しようと思っていたんだ。」

パイン:「なにをだ?」

ジェイル:「星型のアザだよ。

     アリスにそれがあるか?ということだ。」

パイン:「あぁ、それなら、俺も聞こうと思っていたよ。」

ジェイル:「・・・。」

そんな会話が続く中、馬車は目的地へと到着した。

そこは、豪邸だった。

パイン:「すごいな、この屋敷。

    ジェイルの屋敷より大きいんじゃないか?」

ジェイルは、くやしそうに言った。

ジェイル:「あぁ、さすが公爵様の屋敷って感じだよな。」

パイン:「公爵様?」

ジェイル:「そうだ、シュルトス公爵の屋敷、

     そう、アリスの実家だ。」

パイン:「えーーーーーっ。」

サール:「やっぱり、そうでしたか。」



話は、少し前へと戻る。

アリスが連れて行かれる少し前、彼女はサールに近づいていた。

カバンの中を手探りでゴソゴソと漁る。


薄暗い中だったため、中を確認する事も出来ない。

アリス:(あれ、どれだろ?)

 「ゴソゴソ、ゴソゴソ。」

アリスのカバンには色々と私物が入っていた。

アリス:(あった、あった。)

そして、その長い何かを、むんずと掴むと、サールの頭に

ポイッと放り投げた。

その時、1つの指輪を一緒に掴んでいたとも知らずに、、、。


サールの叫び声が聞こえた。

アリス:(やった、私って、グッジョブ!)

そして、クスクスと笑いながらサールに近づいた。

その時、別の叫び声が聞こえた。


その後、サールに作り物である事を告げ、

サールが落としたぬいぐるみを探した。

そして、出口のカーテンから漏れる光に照らされている

倒れたパインを発見した。


アリス:「あっ、パイン、どうしたの?」

その声に反応して、サールがパインに近寄る。


その時突然、手を引かれ、耳元で声がした。

???:「アリスお嬢様、旦那様の緊急事態です。」

アリスが声のするほうを見る。

アリス:「えっ?、クラウス?!」

そして、次の瞬間、転移改の巻物が広げられた。


アリスが辺りを見回すと、そこは見覚えのある屋敷の中だった。

アリス:「クラウス、

    どういうこと?

    お父様の緊急事態って。」

クラウス:「とりあえず、旦那様の寝室まで、お急ぎ下さい。」

アリスとクラウスは、寝室まで急いだ。


部屋に入ると、ベットに横たわる父親がいた。

そして、横に立っているのは、母親だった。

アリス:「お母様!!」

母親:「あっ、アリス、戻ってきたのですか。」

アリスがベットに近づくと、父親が横になっていた。

アリス:「お父様!!」

そして、アリスが父親を揺すった。

しかし、ピクリとも動かない。

アリス:「えっ?!」

母親が、アリスの手を取り、部屋の外へといざなう。

アリスも黙ってそれに従った。


部屋の外で出ると、アリスはすぐに確認した。

アリス:「一体お父様に何が?」

母親:「聞いてないのですか?」

アリス:「クラウスにお父様の緊急事態だと言われて、、、。」

母親:「オホホホホホ、緊急事態ですか、、、。」

アリス:「えっ?」

母親:「ただの食べすぎですよ。

   薬を飲んで寝ているだけです。

   きっと、あの人がクラウスに命じたのでしょうね。」

アリス:「フヘッ?、なにそれ。」

母親:「まぁ、せっかく戻ってきたのです。

   今日は、ゆっくりとしていきなさい。」

そして、母親はメイドを呼ぶと、アリスの着替えを指示した。


アリスは湯浴みの最中、ずっとパインとサールの

ことが気になっていた。

アリスが湯浴みを済ませ、真っ赤なドレスに身を包むと、

母親の元へと向かった。

アリス:「お母様、パインとサールが心配しているかも?」

母親:「お友達のことですか?」

アリス:「はい。」

母親:「それなら、先ほどロミュラン伯爵のご子息が

   来られたので伝えてもらえるよう言っておきましたよ。」

アリス:「ジェイルが来たんですか、、、。

    大丈夫かな?」

母親:「伯爵には色々とお願いしていましたので、

   大丈夫でしょう。」

アリス:(えっ?一体何をお願いしていたんだろう?)

その疑問を母親に質問しようとしたときに、クラウスが

やってきた。

クラウス:「旦那様がお目覚めになり、

     お嬢様をお呼びです。」

アリス:「はい、分かりました。」


クラウスにつれて行かれたのは、書斎だった。

中へ入ると、父親以外の女性がそこにいた。


アリス:「お父様、大丈夫ですか?」

父親:「おぉ、アリスか。

   来てくれたのか。

   もう、大丈夫だよ。」

アリス:(もう、無理やり、つれてきたくせに、、、。)

そんなことを考えながら、その女性を確認する。

それは、バーバラだった。

アリス:「えっ、バーバラさん?」

バーバラはアリスを見ると、口を開いた。

バーバラ:「アリスさんが、シュルトス公爵のご令嬢だとは

     思いもしませんでした。

     傭兵協会に登録してあった家族名から

     ここにたどり着くまで苦労しましたよ。

     存在しない家族名をくっつけるのは、

     今後やめて頂きたいですね。」

アリス:「ごめんなさい、

    自分の力で色々とやってみたかったので、、、。」

バーバラ:「まあ、それは、よしとします。

     それより、いったい何が起きているのか、

     色々と聞かせてもらえると助かるのですが、、、。」

父親:「どうやら、アリスのお友達もこちらに来られる

   ようなので、食事でもしながらお話ししましょう。」

アリス:「えっ、パインとサールが来るの?」

父親:「今は、ローゼス公爵の屋敷にいるようだ。

   マスターバーバラ、いましばらく、お待ち頂けますかな?」

バーバラ:「はい、分かりました。」


パインとサール、そしてジェイルの3人がシュルトス公爵の

屋敷へと到着した。

パイン:「すんげーーーーっ!!」

サール:「ほんとうに、すごすぎですね。」

2人は、その玄関ロビーに唖然としていた。

パイン:「この玄関だけで、俺の家より、何倍も広いよ。」

サール:「えぇ、当然ですが、私の家が何個はいるのか

    想像もつきません。」

その時、1人の使用人と思われる男性が複数のメイド達と

共にやってきた。

クラウス:「ようこそ、いらっしゃいました。

     執事長のクラウスと申します。」

そう言って、メイド達と共に深々とお辞儀する。

パインは、突然の丁重な挨拶に気が動転してしまった。

パイン:「いえいえ、こちらこそ、なんというか、

    アリスが、いや、ちがうか、あの、その、つまり、

    とっ、とつじぇん、

    おひゃましてしまいまひて、すみまひぇん。」

パインは、どうしたらいいかわからずに、顔を真っ赤にして

しどろもどろに答えた。

サール:「パイン、何言ってるかわかりませんよ。

    彼が言うには、突然お邪魔しまして、すみません、

    と言っています。」

クラウス:「はい、存じておりますよ。」

クラウスは、ニコニコしながら答えた。

後ろでは、メイド達がクスクスと失笑していた。

クラウスが咳払いをする。

すると、メイド達の失笑がピタリと止まる。

クラウス:「失礼いたしました。

     それでは、こちらへおいで下さい。」

そう言われ、クラウスの後に続いた。


部屋に入ると、真っ赤なドレスを着たアリスが立っていた。

アリス:「あっ、パイン。サール。」

パイン:「えっ?アリスなのか?」

アリス:「どぉ?似合ってる?」

そう言って、くるっとターンする。

真っ赤なドレスの裾がヒラヒラと揺らめく。

パインは、アリスの姿に見惚れていた。

サール:「うぉーっ。めちゃくちゃ綺麗ですよ。」

アリス:「そお?ありがとう。サール。」

そして、パインを覗き込むようにじっと見つめる。

サール:((パイン、どうしたんですか?))

パインは、その言葉で、我に返ると、真っ赤になって答えた。

パイン:「ああ、とっても似合ってるよ。」

アリス:「うふっ、ありがとう、パイン。」

その後、3人はクラウスに促されるまま、席につくと、

主人の登場を待った。


C:「アリスは、ご令嬢だったんですか。」

A:「んー、なんか、ありきたりのパターンですね。

  もっと、違うパターンを期待していたのですけど、、、。」

C:「まあ、素性を調べたら、貧乏か金持ちか

  どっちかになっちゃうでしょうけどね、、、。」

A:「たしかにそうですね。普通の家庭だと、流れ的に

  つまらないですし、展開も難しいし、、、。」

C:「まあ、作者の技量次第ってことですか?」

A:「なるほど、作者に技量が足りないと、、、。」

C:「そうで、、、。

  あっ、作者が後ろで、メイス構えてますので、

  これ以上言うのは、止めておきましょう。」

A:「そうそう、第1章が終わるってききましたが、

  本当ですか?」

C:「みたいですね。どうも、第1章はアリスに関するお話

  だったみたいですね。」

A:「ということは、この後、パインとかサールとか

  ジェイルとかバーバラとかポールとかローザとか

  コゴーロとか・・・(そのあと、登場人物を羅列する)。

  のお話もあるんですか?」

C:「残念ながら、それについては、

  まだ答えることは出来ません。」

A:「ひっぱりますね。」

C:「それより、どうも、番外編を考えているみたいですよ。」

A:「番外編?」

C:「登場人物の裏話らしいですが。」

A:「へぇーーーっ、ちょっと気にはなりますね。」

C:「まあ、期待せずに待ちますかね。」

A:「そうしましょう。」


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