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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
24/99

ローゼス公爵

パインとサールは、屋敷の入り口に到着したとき、

ジェイルが追いついてきた。


ジェイル:「待てといってるだろ。」

パイン:((無視。))

2人:「・・・。」

ジェイル:「おぃ、私の話を聞け!!」

サール:((無視、無視。))

2人:「・・・。」

ジェイル:「私を無視すると、後悔することになるぞ。」

2人:((無視、無視、無視。))

2人:「・・・。」

ジェイル:「私は、この屋敷の管理者だ。」

パイン:「なに?」

サール:「なんですと?」

2人は、びっくりした顔で、ジェイルを見た。

ジェイル:「そうだ、私は国王様から管理を任されている。」

パイン:((本当なのかな?))

サール:((まあ、誰かが管理しているとは思うのですが。

    それに、あの指輪の紋章を見て、ここに来た

    ということは、紋章を知っていたのでしょう。))

パイン:((やっぱり、そうだよな。

    絶対になにか知っているな。

    乗ってみるか?))

サール:((えぇ、そうしましょう。))


パイン:「ジェイル、本当なのか?」

ジェイル:「ついてくれば分かる。」

そう言って、ジェイルは屋敷の中へ入っていった。

2人も後に続く。

屋敷に入ると、玄関ロビーになっており、その真ん中に

受付と思われるカウンターがあった。

ジェイルがそこに向かった。


受付嬢:「ジェイル坊ちゃま、視察かなにかですか?」

ジェイル:「こいつらにローゼス公爵の説明をしてやってくれ。」

受付嬢:「分かりました。担当を呼びますので、お待ち下さい。」

ジェイル:「あと、第2特別室にも入りたい。」

受付嬢:「えっ、第2特別室ですか?」

ジェイル:「あぁ、これが父上の許可書だ。」

受付嬢が許可書を受け取ると、それをチェックする。


パイン:((どうやら、本当に管理者らしいぞ。))

サール:((えぇ、ジェイルのお父様が管理者のようですね。))

パイン:((それに、第2特別室っていうのは?))

サール:((なにか、秘密の部屋って感じですね。))


受付嬢:「問題ありませんね。」

ジェイル:「当たり前だ。直接もらったのだからな。」

受付嬢が、3人分のバッジをジェイルに渡す。

ジェイルがそのバッジを2人に渡す。

ジェイル:「このバッジを見えるところに付けておけ。」

そのバッジには、小さな魔法陣が描かれていた。

2人は、それに従い、見える位置に付けた。


1人の中年の男性が近寄ってきた。

受付嬢:「彼が説明を行います。」

???:「案内役のコーラルです。」

そう言って、お辞儀をする。

2人:「よろしくお願いします。」

2人もお辞儀をした。


コーラル:「それでは、こちらへおいで下さい。」

コーラルは、右奥の扉に向かって歩いてゆく。

3人もそれについて行く。

扉を開けると、広い廊下だった。


壁には何枚もの人物画が飾られていた。

ジェイル:「詳しくなくていいので、簡潔に説明してくれ。」

コーラル:「かしこまりました。

     こちらが、初代ローゼス公爵です。

     しかし、残念ながら、本人を描いたものでは

     ありません。

     伝承を元に描いたものとされています。」

それは、いかにも貴族と言う感じの初老の男だった。

コーラルは、話を続けた。

コーラル:「初代の当主は、ルシード王国の建国時に

     貢献した人物として有名な人です。

     当時この地域には、数十の部族がおり、

     争いを行っていました。

     そこに、遥か北から1人の若者が数人の

     従者を従えてやってきました。

     そして、その若者がこの地域を平定し、

     国を興したのが、ルシード王国の始まりと

     言われています。

     その従者の1人が、初代ローゼス公爵です。」

パイン:「北からというのは、どこから来たのですか?」

コーラル:「残念ながら、それは分かりません。

     あくまで、伝承であり、記録ではないのです。

     そして公爵は、この地でいくつかの古代遺跡を

     発見したとされています。

     当時の国王様は、その遺跡の発掘および調査を

     公爵に任せました。

     そして、何代にもわたって、古代遺跡の研究が

     行われていきました。」

コーラルは、そう言いながら、廊下を進みだした。

そして、1枚の額縁の前で立ち止まった。

その額縁には人物画は入っておらず、例の紋章と同じ絵が

飾られていた。

コーラル:「ここに描かれているのが、ローゼス家の紋章です。

     入ってから、ここまでが伝承の人物画です。

     そして、これ以降が記録に残っている人物画です。

     しかし、この紋章の間に何人の当主がいたのかは、

     はっきりしていないのが現状です。」

サール:「その間の伝承や記録がないってことですね?」

コーラル:「その通りです。」

コーラルは、さらに廊下を進む。

そして、また、1枚の人物画の前で立ち止まった。

その人物画には、当主と共に美しい女性が描かれていた。

今までの人物画は当主のみであった為パインは少し気になった。

コーラル:「こちらの肖像画の女性は公爵の奥方様です。

     記録では貴族ではなく一般庶民であったと

     されていますが、

     その素性は明らかにされていません。

     見て分かる通り、奥方様が描かれている肖像画は

     これ1枚のみです。

     理由は分かりませんが、

     特別な意味があるのかもしれません。」

その後、5枚ほどの人物画が続き、終わっていた。

コーラル:「ローゼス家は、この後、最後の当主が跡継ぎを

     残す前に死去したため、

     家系が途絶えてしまいました。

     しかし、その功績と研究成果を後世に残すため、

     その屋敷を残すことにしたのですが、

     その意思を継ぐと名乗りを上げたのが、

     ロミュラン伯爵でした。

     他に名乗りを上げるものが居なかったため、

     ロミュラン家が管理を任される事となった訳です。」

パイン:「ロミュラン家?」

ジェイル:「私の家系だ。」

パイン:「えーーーっ。」

ジェイル:「驚くこともなかろう?」

パインはジェイルに小声で耳打ちした。

パイン:「お前、趣味でやってたっていったよな?」

ジェイル:「あぁ、言ったよ。」

パイン:「立派な仕事だろ。」

ジェイル:「いや、これは秘密だがな、

     記録によるとだ、

     面白そうだから引き受けたらしいんだ。」

パイン:「なんだそれは、、、。」


コーラル:「さて、この部屋からが、

     代々行われていた研究の成果の部屋となります。」

そう言いながら、扉を開けた。

中へ入ったとき、パインは驚いた。

部屋の中央には、ドラゴンと思われる模型が飾られていた。

コーラル:「この部屋は、ドラゴンの部屋です。」

サール:「ドラゴンの研究をやっていたのですか。」

コーラル:「はい、ドラゴンは伝説や伝承などの物語の生物と

     言われていますが、ドラゴンに関する遺物は

     数多く存在しています。

     しかし、その全てが壁画や石版にかかれた文字や絵のみで

     ドラゴンの骨などが発見されたという報告は受けて

     いないのが現状です。」

そう言いながら、1つの区画に案内する。

コーラル:「ここにあるのが、古代遺跡で見つかった石版です。

     ここには、口から炎を吐いている巨大なトカゲの

     ようなものが描かれていますね。」

そこには、剣と盾を持った人間が、巨大なドラゴンに

立ち向かっている絵が描いてあった。

コーラル:「このような石版や壁画が、

     複数の遺跡から多数発見されています。」

そして、また歩き出す。

コーラル:「そして、これが、従僕の剣です。」

そこには、1本の短剣が置かれていた。

柄には、宝石がいくつか埋め込まれ、

刃先には魔法陣が描かれている。

パイン:「従僕の剣?」

コーラル:「はい、これは模造品ですが、この剣を持つ者に

     ドラゴンが従うと言われています。

     記録では、本物の剣があったとされていますが、

     真実かどうかは分かりません。」


パインは、ジェイルに近寄ると耳打ちした。

パイン:「ところで、お前の家の倉庫にあるものって、

    ここから持ち出したものじゃないだろうな?」

ジェイル:「さぁ?

     私には分からんな。」

ジェイルはそれだけ言うと、パインから離れた。


コーラル:「さて、次の部屋へと参りましょう。」

そして、次の部屋の扉を開けた。

その部屋には、多数の絵が飾られていた。

パインは、その絵の中から1枚の絵を見て驚いた。

パイン:「おぃ、あれって、シヴァじゃないか?」

そして、その絵を指差す。

コーラル:「良くご存知ですね。

     あれは、幻獣シヴァの絵です。

     この部屋は、召喚士の部屋です。」

パイン:「えっ?」

コーラル:「シヴァを知っているということは、召喚士という

     言葉を聞いたことがありますね。」

パイン:「はい。」

コーラルは、ゆっくりと進みながら話を続けた。

コーラル:「公爵は、召喚士の研究も行っていました。

     召喚士に関する情報は非常に少なく。

     ここにあるのは、ほとんどが壁画を絵に起こしたもの

     です。

     唯一その言葉があるのが、この石版です。」

そして、1つの展示物の前で立ち止まった。

その石版には、古代文字が刻まれていたが、

パインには、当然読むことは出来なかった。

しばらく、2人が無言でそれを見ていると、

ジェイルが突然口を開いた。

ジェイル:「もういいだろう、第2特別室に行こう。」

そう言って、コーラルを見る。

コーラル:「分かりました。それでは、ついてきてください。」

コーラルは、壁に掛けられているカーテンを開くと、

その後ろにあった扉の前でなにやら呪文のような言葉を言い、

扉を開け中に入った。

その小さな部屋には、所狭しと様々な品が置かれていた。

C:「それにしても、相変わらずジェイルは

  よくわからない人ですね。」

A:「ジェイルの性格って、もしかしたら、

  代々受け継がれているのかも、、、。

  面白そうだから引き受けたとか、言ってたし。」

C:「えぇ、そんなこと言ってましたね。」

A:「第2特別室も気になるところです。」

C:「第2ということは、第1もあるんでしょうね。

  わたしは、第1の方がきになりますが、、、。」

A:「まあ、第2のほうは、次回でわかるんでしょうね?」

C:「たぶん、分かると思いますが、、、。

  これ以上話すと、殴られそうなのでやめておきます。」

A:「それがいいですね、、、。」

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