↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/11

狙われたのはどっちか

**


 魔力暴走によって起きた事故、または事件。


 容疑者はクロード・ランドシュニー。


 一対一の授業での出来事だから犯人と目される理由も分かるが、動機がイマイチ。

 使っていた教室に荒らされた痕跡はなく、暴走した魔法が光属性だったことが大きいようだ。

 それもそのはず、手の平大の石に魔力を注入するだけで攻撃性のある魔法が発動するわけがない。

 私自身、魔力が乱れる兆候は感じなかったし、治療院での検査でも魔力に問題はなかった。

 よって、故意に引き起こされた魔力暴走であると決定付けられる。

 クロード本人からも話が聞ければよかったが、クロードも私同様に視力が一時的に低下しているらしい。私ほどではないが、ダメージは負っている。身体的外傷がないと踏んだ上での犯行だと学校側は考えているようだが、相手が光属性だと分かっていたなら対策の方法はあった。自分の目を犠牲にしてでも、と考えるには私自身のダメージも小さく、やはり関与は疑わしい。


 視力を奪われたところで、魔法が使えなくなるわけではないのだから。


 現在、周囲の音から判断するに、二日の入院を余儀なくされた私の病室には私一人だけ。

 残されたのはレオニールから与えられた情報のみ。



 教室から使用された石が消えていた。

 教室に変化は特にない。

 事故後、教室に入ったのは三名の教師と五名の生徒会役員。



 生徒会役員にはアルフォンと入れ替わりでレオニールが所属しており、レオニールは副会長の職に就いている。アルフォンは会長だったが、アルフォン在籍時に副会長だった侯爵令嬢が会長にスライドしたという。

 私とクロードが使った教室は当然他の人も頻繁に使う教室なので、二人以外が確認に入って違いを探すことも容易だった。


「石に魔力を注入してすぐに魔力が暴走した結果が分かった……。でも、私には自覚がないし、石自体に細工がされていた感覚はないし、もしそんな細工があったら先生が気付いていたはずだし、ランダムに選んだ石に細工がしていたのなら、それはそれで別の問題が発生する。もしも私と先生を狙ったとしたら、どうやって……」


 教室は二人だけで使うこともあってそれほど広くはない。

 少人数で利用するための教室で、礼儀作法の補講なんかをしたりもする。


「細工をしたとなると、教室自体に仕掛けをしたと考えた方が多分楽なはず」


 各属性に分かれて同じ内容の授業をする。石を選ぶのは担当の教師であり、石の保管は学校側がしていて、石を取るところを目撃している人は多いだろう。


 ――いや待って。先生は確か、私の魔力量に合うように大きいものを選んだと言っていた。一番大きいものを選んだのか二番目なのか分からないけど、石に細工をするなら――駄目だ。私の魔力量を知っているのは先生くらいなんじゃないかな。他の授業では出力する魔力量は決められている。それを見て全魔力量を調べて石の大きさを特定するなんて不可能だ。


 私の魔力量を知っていて、石を選べたクロードがやはり犯人に一番近くなってしまう。

 違う。

 クロードが犯人ではない証拠を探さないといけないのに。


「現場が見られなくて状況証拠から犯人を導き出せないのなら、どっちを狙っていたのか、動機の面から探せないかどうか。……むん。私を狙う理由は光属性だとしても、先生を狙う理由ってなんだろう?」


 病室のベッドの上で膝を折って、唯一自由に動かせる脳を働かせる。

 五体満足でも見えなければ動くのは危険が伴う。ベッドから降りるのも一人では危ない。

 だから考える以外にすることがない。


 さて、狙われたのは私か、それともクロードか。


 例えば教室に細工を施した場合、授業よりも前に教室に入った人物がいたことになる。それで犯人が分かれば簡単な話だが、恐らく有力な証言など出ない。

 せめて教室に細工をした痕跡があれば話はまだ変わるのだろうが、事故後に教室に入ったレオニールが「何も変化はなかった」と言うのなら望みは薄い。


「手掛かりが何もないと、推測も始められない……」


 聞いた情報と自分が見て覚えている情報だけではクロードの無実を証明できそうにない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。