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決意表明

**


 クロードが犯人として学校側に拘束されている。

 レオニールからもたらされた情報は、私の思考を止めるのに十分だった。


「どうして、先生が……?」

「アレイヤ嬢は、彼が光属性の女性と以前婚約関係にあったことは知っているね?」

「もちろんです」

「だからだ」

「……はい?」


 もしかして説明が下手なのか? と不敬発言しかけてこらえる。

 元婚約者が光属性だからって私を狙う動機にはならないはずだ。


「光属性の人間が同じ国に二人といてはならない。そういう決まりが世界にあってね。君が今この国にいるということは……」


 そういう決まりがあることを、初めて聞いたんですけど?

 え、何? ゲームでも聞いたことない設定なんですけど?

 私がいるから、クロードは婚約者と離れ離れになるしかなかったということ?

 私のせいで?


 なるほど、それなら動機になってもおかしくな――


「それはありえません」


 見えない視界の中でも私は力強く否定する。


「先生が私の担当になってすでに結構な時間が経っています。これまでに私を襲う時間はいくらでもありました。それに、魔力暴走を起こしたのは私であって、先生ではありません。それから、私はこうして怪我なく生きています。視力も直に回復するでしょう。これらの結果から、先生が犯人とは考えられません」

「アレイヤ様……信じたい気持ちは分かりますけれど、それだけでは学校側は納得しないと思いますわ」


 私の手にゼリニカのものと思われる手が重ねられる。

 私がクロードを擁護しているように見えるのも仕方ない。逆の立場なら私だってそう思う。けれど、本当に違うのだ。

 ゲーム内のクロードは、主人公に新しい光魔法を授ける重要な役目を担っている。それは元婚約者から与えられていた知識で、同じ光属性だからという理由で教えてくれている。実際に対面してみても恨みや辛みを感じない。

 私にだけ冗談を言ってくれるし、

 惜しみなく光魔法について教えてくれるし、

 私の前では一度だって元婚約者の話をしたことなんてない。


 ――……待って? まるで攻略対象者みたいに聞こえるな?


 私のことを考えてくれているクロードにときめきが止まらない。何よりも好きすぎるあの声で私の名前を呼んでくれている現実って、相当すごくない? 別ゲーだけど口説きボイスで致死量級のやつが……いやいや。

 頭の中に浮かんだ妄想をゲームのシナリオという事実で消して、ゼリニカの手にさらに自分の手を重ねた。


「だったら、ちゃんとした証拠を見つけて、真犯人を探すまでです!」


 前回よりも難易度の上がった謎解きの始まりだ。

 私は負けない。

 クロードを陥れようとする犯人を、絶対に見つけてみせる!

 至福の時間を守るために!


「真犯人、か。やはり面白い令嬢だね。前回のような絶対的な証拠や状況証拠なんかは見つかっていないけれど、そう言うなら情報は提供しよう」

「ありがとうございます、レオニール殿下」


 声のする方へ頭を下げたけれど、ゼリニカによってほんの少し左に向けさせられた。

 位置のズレ、難しい。


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