魔王大戦記2
2話目?です、見てくれたら幸いです
起床ラッパで目が覚める、今日は非番の日だ。
「ぁあ、よく寝た、
おはようフランチェスカ。」
フランチェスカも非番のようで二度寝の体勢に入っている。
「う〜ん、あと1時間」
眠い目を擦りながら起き上がるも、再びパタリと布団に倒れ込む
「大尉殿に叱られるよ、それでもいいなら二度寝しよう」
第6魔導衛生中隊の大尉は鬼大尉という事で有名だ。
バッと起き上がるとサッと櫛で髪を整える
「さぁ、ペトラ!歯磨きへと参りましょう!
ああ!なんで気持ちのいい朝なのでしょうね!!」
わざとらしい大声でペトラに歯磨きの誘いをする
「あー、もうちょっと声を小さくしてよ。
低血圧で頭が痛いんだ。」
何を隠そうペトラは血圧が低いので、寝起きはあまり機嫌のいい方ではない。
会話もそこそこに歯ブラシとコップを持って外に出る。
廊下を歩いていると後ろから声をかけられる。
「やぁ、美しいお二人さん。
ご機嫌麗しゅう。」
ペトラはピクリと反応する。
このいやらしい喋り方、ナルシスト感盛りだくさんの声は
「レオンハルト…」
フランチェスカが挨拶をする
「あ、レオンハルト、おはよう。」
分かりやすく嫌な顔をして振り返ると、ナルシスト男が立っていた
「嫌だなぁそんな顔して、可愛いお顔が台無しだよぉ〜」
フランチェスカの対応には無反応だった。
フランチェスカが不機嫌な顔になる。
「レオンハルト、ぼくたちは暇じゃないんだ、大体ここから先は女性専用の更衣室だよ、ヘンタイさん。」
ピタリとレオンハルトの動きが止まると、苦虫を噛み潰したような顔になる。
そそくさと更衣室の中に入ると、洗面台に近づく。
ジャーッと水をコップに注ぐと歯を磨き始める、五分間しっかり磨かないとね。
磨き終わると、ロッカーからタオルを取り出し、シャワールームへ直行。
一通り体を洗い終わると、体を拭く。
羽を乾かすのが一番大変だよ…海鳥の臭いがするとか言われたくないし…
乾かし終わると、ロッカーに入っている着替えの服を取り出し、着用する。
最後にケピ帽を取り出すと、ロッカーに鍵を掛ける。
「じゃあ、フランチェスカ、お先」
フランチェスカはシャワーが長い、ぼくみたいに翼が無いのにね。
帽子をポンポンと叩き被る、ガチャと戸を開けてロッカールームを後にする
「今日のご飯は何かな」
食堂へと向かって歩みを進める
「お、ペトラ!昨日ぶり!」
背後から聞きなれた声がする、振り返ると
目元にクマがあるヴィルヘルムが立っていた。
「ヴィルヘルム、おはよう。
昨日はよく眠れたかな?」
嫌味らしく聞く
ヴィルヘルムは目を擦ると
「実はあまり眠れてないんだよなぁ」
少し眠そうだ
「そういえば今日の献立はベーコンエッグと黒パンだってさ、
それって……昨日と同じじゃね?」
確かに、ベーコンエッグと黒パンは昨日の朝も食べた気がする。
「まあ、仕方ないよ、不味いわけじゃないし。」
ヴィルヘルムが引き気味に反応する
「ま、マジか…あれが不味くないと…」
ペトラはヴィルヘルムの様子に気がつく
「なにさ、不味くないだろう?」
ヴィルヘルムは苦笑いする
「はは…いやぁ…ペトラさん?あれは、どちらかといえば〜…
不味い部類ですよ…パンはカチカチ、ベーコンエッグは油でギトギト。
フランチェスカが朝飯食わない理由がわかるよ…」
ショックだった、自分はおいしいと思って食べていたのに…実は世間一般的には不味いものだったなんて
「え?そ…そうなの?あれって不味い物なの?」
ヴィルヘルムは少し申し訳なさそうに答える
「はい、前から思ってたけど…ペトラって…味覚音痴だよね…」
ショックな一言であった、思えば昔から覚えはあった。
手料理を作って振る舞っては、兄達は引きつった顔をして「おいしいおいしい」と言うのだ。
一回や二回ではない、毎回だ。
「ごめん兄さん達…ぼく、もう……料理は作らないよ…」
しょんぼりと肩を落として、手料理作らない宣言をするペトラを見てヴィルヘルムは思った。
(なんだこの顔、めっちゃかわいいやん…元からかわいいけど)
ヴィルヘルムはじっと見つめている、ペトラはその視線気づくとサッとヴィルヘルムの顔を見る
サッとヴィルヘルムも顔を背ける。
「今ぼくの顔じっと見てたでしょ」
ヴィルヘルムは口笛を吹きながら誤魔化す
「な、なんのことですかな?俺ちゃんはただ廊下の向こう側を見ていただけですぞ」
ペトラはフーンと頷きながら辺りを見回す
「お前ら、いつまでそこでイチャついてんだよ、サッサと食堂に入れや。」
食堂の前に立っていた守衛に怒られてしまった。
早足に入ると、がらんと空いている。
今までは皆が早いだけだと思っていたが、朝食の人気が無いだけだった様だ。
相変わらず普通の味なので、早々に食べ終わる。
ヴィルヘルムは…まだ黒パンと格闘しているようだ。
「じゃあ、ぼくは部屋に戻るから」
とペトラはそそくさと部屋に戻ってしまった。
ヴィルヘルムは残念そうに食事をとっている!!
ふとペトラは考える
「……どうしてヴィルヘルムは美味しくもない朝食を食べに来るんだろう?
フランチェスカみたいに売店で買えばいいのに」
ヴィルヘルムのみぞ知るところである…
…
ペトラは部屋に帰ってくると、棚から工具箱を取り出す。
「もしかして武器庫いくの〜?
休みなのに、好きだねぇ〜」
フランチェスカがベッドで寝っ転がりながら本を読んでいる。
恋愛小説とやらだ。
「恋愛モノばかり読んで、キミはモテるだろ?
男っ気のないぼくの彼氏はSGr-65B狙撃長銃なのさ…」
工具箱手に取ると武器庫へと出掛けていく
ペトラが出て行った部屋の中でフランチェスカが呟く
「この男所帯の中で?男っ気がない?」
「いやいや、ファンは十分に沢山いるみたいですよ…ペトラ"ちゃん"?」
鈍いペトラに、頭の中はハテナだらけなフランチェスカだった。
呑気なペトラはウキウキしながら武器庫へと向かう。
「さー、昨日はたくさんお世話になったからピッカピカにしてあげないと」
武器庫の前に立つと守衛のおじさんに声をかける
「第2中隊第3小隊所属、ペトラ・アーレンス軍曹です、火器整備に来ました」
所属部隊、名前と階級を述べて軍人手帳を見せる
「はい、っと手続き完了。
アーレンス軍曹、今日も整備かい?
毎日会いに来て銃も喜んでるよ」
ペトラは火器管理科の中ではちょっとした有名人だった。
毎日の様に狙撃銃のメンテナンスに来るのだ、メンテナンスせずにジッと見つめて動かない時も多いらしい。
「SGrだけがぼくの癒しなので」
いつもはあまり笑わない、色素の薄くて体の小さい少女のような顔が満面の笑みに変わる
会話もそこそこに武器庫に入ると鍵を開けて狙撃長銃SGr-65Bを取り出す。
自分の身長程もあろうかという長大な狙撃銃だ。
鼻歌を歌いながら机の上に分解したパーツを乗せて清掃を始める
「わぁ、こんなに汚れて…」
いつしか鼻歌も止まり黙々と清掃を続けていると
「アーレンス軍曹!第2中隊第3小隊のペトラ・アーレンス軍曹は居るか!!」
突然大声で呼ばれる声にびっくりする。
「わぁあ!」
慌てて返事をする
「はっ…はい!第2中隊第3小隊のペトラ・アーレンス軍曹です!」
ピッと直立不動の体勢で敬礼をする
陸軍大尉の階級章をつけた男か立っていた。
「私は帝国陸軍第53機甲連隊第3中隊中隊長のハインリヒ・メルダース大尉だ。
至急、連隊司令部まで出頭してくれ。」
突然帝国正規軍の尉官が直々に出頭命令を出しに来るとは。
(ぼ…ぼく…何かしたかなっ………???)
「了解しました!分解していた銃を組み立てるので少々お待ちを!」
手早く組み上げていく
「おぉ、」
後ろで手を組んで見ていたメルダース大尉ですら、感心する速さだ。
「うちの奴らもみんなそうならいいのになぁ」
大尉はボソッと呟いた。
組み上げた狙撃銃を棚の中に戻して鍵を掛けると、敬礼をしながら
「申し訳ありません、ペトラ・アーレンス軍曹、連隊司令部へ出頭します!」
と大尉に向かって声を上げる
武器庫の守衛に鍵を返すと、大尉に連れられて連隊司令部へと向かう。
「アーレンス軍曹、SGr-65Aなんていう旧式銃をよくもまあ使いこなしているなぁ」
ペトラは少し嬉しそうに
「大尉殿、あの子はB型で、生産数の少ない希少モデルです」
大尉は更に驚く
「B型だったか!確か精度が上昇した代わりに、整備性が悪化したせいで採用が見送られたって言う」
ますます興味が湧いたようだった
連隊司令部に到着する
天幕に入るとメルダース大尉が敬礼する
習うようにペトラも敬礼する
「第3中隊中隊長!ハインリヒ・メルダース大尉です!アーレンス軍曹を連れてまいりました!」
ペトラは緊張で硬くなりながらも敬礼をしながら名乗る
「じッ…城塞線防衛機構軍第6防衛大隊第2中隊第3小隊!ペトラ・アーレンス軍曹デス!!!」
少し噛んでしまった
目の前に座っているのは陸軍中佐の階級章をつけた初老の男性
「ワシは第53機甲連隊第15機械化猟兵大隊大隊長のカール・フォン・ブラオンターク中佐だ。
アーレンス軍曹、まあ…気を楽にしなさい」
(きっ…貴族様?!)
貴族の出であろう中佐に緊張してどうしようもないペトラ
「はッはいッ」
ブラオンターク中佐は苦笑いしながら口を開く
「まあ…とりあえず本題に入ろう。
アーレンス軍曹!貴隊の中隊長から聞いておるが、貴官は北部軍管区兵学校の射撃大会で優勝経験があるとか?」
ドキッとした
「はっはい、正確には兵学校対抗の射撃大会です。」
中佐と大尉は顔を見合わせる
「射撃の腕は大したもののようだな」
ふむ、と腕を組むと
「軍曹!現在我が帝国陸軍では新型狙撃銃の採用が決定され現在更新中である。
君にはその新型狙撃銃を使用して貰いたい。」
ペトラはポカンとした。
「へえ?」
「ふむ、新型狙撃銃を使用してその性能を最大限に引き出して欲しいのだ。」
要はタダで新型狙撃銃をくれるという事だ
「使ったら感想を教えて欲しい、感覚で構わない。」
ペトラはふと考えた
(ごめんよ…SGr-65…ぼく…浮気しなきゃいけないみたいだ)
少し反論してしまう
「な、なぜぼくなのですか?アルベルト少尉やロレンス少佐の方が、ぼくよりも賞を取っている優秀な方です!」
これには大尉が答える
「もちろんそれは、若いからだよ。
それに第6防衛大隊長からの推薦もあったしね」
ペトラは驚く
「ハルトマン大隊長が?!」
中佐が感心したように頷きながら話し始める
「本当にハルトマン大佐は部下をよく見て居られる、頭が上がらんよ」
いつも飄々とした呑んだくれ大隊長のイメージしか無かったが、実はとんでもない人だった事に酷く驚いた。
「軍曹、例の狙撃銃は兵站中隊から受領してくれ。
以上だ、行って宜しい」
大尉に連れられて兵站中隊の天幕まで来てしまった
大尉が兵站中隊長に声を掛ける
「ヴォルフ中尉!ヘルミーネ・ヴォルフ中尉!例の狙撃銃を受領に来たぞ!」
天幕の奥から眼鏡をかけたブロンドの女性が出てくる。
「あ、アーレンス軍曹デスネ!
コチラの受領証にサインをしてくださいデス」
胸元から受領証を取り出す、少し湿っている気がする。
「ヴ!ヴォルフ中尉!何てとこに仕舞ってんだ!」
メルダース大尉が怒鳴る
「大切なものデスからね、大切な所に仕舞って当然デス。」
さも当然のかのような返答をする
「大切なものの仕舞い方じゃないぞ!くしゃくしゃ…!!!」
兵站中隊の兵士達が笑っている
「大尉殿、ヴォルフ中尉は何度言っても無駄でありますよ」
ヴォルフ中尉の背後からやって来たのは副官のミヒャエル曹長
「この人はこれで兵站司令部の人気者なんでありますから…」
メルダース大尉が呟く
「おっ〇い芸…」
ペトラがメルダース大尉を睨むように見つめている、その視線に気が付いたのか振り返る
「いや、これは違うぞ?ペトラ軍曹、そ…そうだ、受領証のサインは終わったかね?」
スっと受領証を渡す
「た、確かに。
ヴォルフ中尉!受領証だ。」
「はぁい、確かに〜。」
背後にいた兵站曹長が狙撃銃を手渡す。
「SGr型の後継型としてエルマー社が開発したEGr-73であります。
他社の狙撃銃と比べてSGr型は傑作と名高いだけに、本銃もまた高性能で安価、更には整備性に優れているのであります。
SGr-65は未だに現役でありますね。
新型のヴェルト社のM460や、ザルツラント・アームズのWS200と比べても高性能と言える代物で、未だにSGrを使用する狙撃兵は多い印象でありますね。」
ペトラが目を輝かせている
「そうですよね!SGr-65は帝国史に残る最高傑作銃だと思います!
なんと言っても初期型のSGr-65Pは狙撃銃に革命を起こした銃で…」
ふと我に返る
「はっ…え…?
ぼ…ほく…いゃ…私、すいません!語り始める所でした!」
大人しく狙撃銃を受け取る
(ああ…♡SGrの面影がある…♡)
うっとりと銃を眺める
「ぐ…軍曹?」
曹長が顔を覗く
「はっ!申し訳ありません!」
突然の反応に曹長は驚くが、説明を続ける
「どうやらSGrを使っていた様でありますので、要点のみ。
本銃の見所はなんと言っても弾倉式を採用したことであります。
拡張弾倉にも対応しており、更にはクリップ装填も可能であります。
もう一点はバレルの短縮であります、射程が多少短くなった代わりにバレル自体が強化され、多種多様な弾薬に対応し、銃身寿命も飛躍的に長くなったのであります。
更に更に、短くなった事により取り回しが良くなったのが正規軍の狙撃兵の中で最も評価される部分であります。」
ペトラは実際に構えたり、構造を確かめたりしながら説明を聞いていた。
「さすが老舗エルマー社、いい仕事をしますね。」
曹長は頷く
「やはり狙撃銃と言えばエルマー社でありますね、ゲヴェール銃を作った最初の工房がある所でありますから…
という訳で説明は以上であります。」
メルダース大尉はまだ口論を続けている
「あの、狙撃銃を受領しました」
恐る恐る声を掛ける
「おお、軍曹、では暇するとしよう。
中尉!もっと胸元を閉めるのだぞ!」
聞いているのか居ないのかよく分からないヴォルフ中尉は軽く返事をする
「はぁい、大尉〜」
溜息をつくと天幕を後にする
「軍曹、せっかくの休み中に済まなかったな。
ではまた後日、貴官の部隊は我が第3機甲中隊に随伴する事となっている。
期待しているぞ」
大尉はピシッと敬礼をする、それに返礼で返すと大尉は連隊司令部へと戻って行った
「はぁ、緊張でつかれたよ。
でも、これから宜しくEGr-73」
ボソリと狙撃銃に挨拶をすると、再び武器庫へと向かう。
…
「失礼します、武器庫に新しい銃器を預けにきました」
コーヒーを飲んでいた守衛のおじさんが鍵を取り出しながら話しかけてくる。
「アーレンス軍曹お帰り、そいつは良い銃だ、最新鋭のEGrってところかな?
射撃の腕が認められたんだなあ」
伊達に武器庫の守衛をやっていないなと感心した
「そうなんです、まさかぼくがそんなに有名になっていたなんて知りませんでしたよ」
守衛のおじさんはカラカラと笑う
「ははは、軍曹、わしでも知っとるよ。
お前さんが来た時は、期待の狙撃手がこの大隊に来るって大騒ぎだったんだぞ?」
なんだか恥ずかしい気持ちになった
「ご期待に添えず申し訳ありません」
おじさんは不思議そうにペトラの顔を見る
「何言ってるんだ?最新鋭の狙撃銃がタダで手に入ったってことは、お前さんが認められてるって事だぞ?
凄いことだ…気張って行けよ!」
おじさんは親指を立てる
「ありがとうございます」
軽く一礼すると銃を預けて武器庫を後にする、時計を見るともう昼だ。
「お腹すいたなぁ」
大して動いていないのに空腹感を覚える
「食堂に行こう」
食堂に向かう道を歩いていると、横を新兵達が隊列を作って走り抜けていく。
通り抜け際に軽く敬礼、すると返礼が返ってくる。
(懐かしいなぁ、補充兵なんて久しぶりに見たよ)
近頃は他の通用門防衛部隊に新兵を取られていたが、この襲撃事件に応じて派遣されたようだ。
おーい
なにか呼ばれたような気がした
おーいって!
聞こえる?
「聞こえてんだろお前!」
突然肩に手を置かれる
「聞こえてないはずがないじゃないか、ヴィルヘルム。」
いつもの事だがヴィルヘルムが立っていた
「新型狙撃銃ってのはどうだったんだよ?」
耳聰いなぁ、まだ誰にも言っていないのに
「キミはどこからそういう情報を手に入れてくるんだい?」
皮肉を込めて言った
「ほ、ほら兵站中隊の近くに偶然いてさ」
少し言葉に詰まったのが気になるが
「そうなんだ、それよりもご飯に行かないかい?
お腹が空いて仕方がないんだ」
ヴィルヘルムは頷く
「ちょうど誘おうと思ってたんだ、俺も腹減った…」
そこまで言いかけていた時、大声で呼びかけられる
「ペトラとヴィルヘルムじゃないか、一緒に飯食わないか?」
声の主は…エーリヒだった、新兵を3人連れている
「あっ、エーリヒ」
「ちっ」
こっそりとヴィルヘルムが舌打ちをする。
ペトラは呑気に新兵に近づくと、軽い敬礼の後に握手をする
「やあ、新兵さん達。
歓迎するよ!ぼくはペトラ・アーレンス軍曹、こっちか相棒のヴィルヘルムだよ」
新兵の1人が何かに気づいたようだ、オドオドしている
「もッ…もしかしてッ!!
アーレンス軍曹は、兵学校対抗射撃大会でぶっちぎりの記録を残したって、あの?」
他の新兵も気付いた様だ
「ぼくはただの選抜射手だよ、前線は大会で賞を取った時とは違うんだ。
それにぼくよりも優秀な狙撃手は沢山いるよ。」
もう1人の新兵は口ごもったが話し始める
「でも、貴方は凄い人ですよ。
尊敬してます」
むず痒い、あまり尊敬とかされたくないけど…
「ぼくより先に、先輩方の事を尊敬してね。
ちなみにぼくは、アルベルト少尉を尊敬しているんだ」
アルベルト・ミュラー少尉は要塞狙撃中隊の指揮官だ、要塞狙撃兵は1個小隊4人で編成される。
それが5グループで1個要塞狙撃中隊となる。
彼は一兵卒からの叩き上げで、己の射撃技術と独学の兵法で少尉まで上り詰め、精鋭の要塞狙撃兵指揮官となったのである。
「アルベルト少尉と言えば、こんな事言ってたぞ
アーレンス軍曹を要塞狙撃中隊に引き抜きたいな
だそうだぜ」
エーリヒの突然の発言、照れを隠せないペトラは頭を掻いて誤魔化している
「照れてんの隠せてないぞ」
ヴィルヘルムがニヤケている
「そんな事はどうでもいいからご飯にいくよ!」
怒り気味に言うとズンズンと食堂に向かって歩いていってしまった。
設定も晒した方がいいのですかね




