表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
81/86

落日 / 朝霞 / 飽和 / 氷床下 / 林檎

 《 お題 》

 今日のお題は……『夕陽』『机』『天災』 Lets 創作


【落日】


 夕陽に染まる教室の、

 窓際の机に腰掛ける、

 君はひとつの影法師。


 丸まった背中。

 脚はほかの机の上。

 身動ぎもせず。


 僕はとくんとくんと高鳴る鼓動を押さえようと、

 きゅっと拳を握り込む。


 まるで天災。

 昨日までは普通の日常だったのに。

 いきなり恋に落とされて、嵐に呑まれて途方に暮れる。




 《 お題 》 

「朝のグラウンド」で登場人物が「髪を撫でる」、「水」という単語を使ったお話を考えて下さい。


【朝霞】


 陸上部の朝練を見る為に、私の朝はかなり早い。

 空を眺めているフリをして、

 教室の窓からそっと探すトラックの上のあの背中。


 黒髪を無遠慮に撫でる風にすら嫉妬するのに、

 練習後、ふざけて水飲み場の水を掛け合う無邪気な声には頬が緩む。


 ふいに見上げる視線。

 慌てて顔を伏せる臆病な私を彼は知らない。




 《 お題 》

 今日のお題は……『学校』『コーヒー』『節制』 Lets 創作


【飽和】


 学校という閉じられた時空の中で、

 僕は今日も夢想する。

 眩しい青に眇められた赤い目を擦りつつ。


 コトリと机に置かれたまだ温かい缶コーヒー。


「少しは節制しろよ」


 呆れた笑みに、僕もニヤッと笑い返す。


「後もう少しで世界征服できるんだ」


 広がる意識が空気に溶ける。

 目を瞑るだけでどこにでも飛べる。




 《 お題 》

 今日のお題は……『メモ』『恋人』『氷河』 Lets 創作


【氷床下】


 行方不明の恋人の唯一つの手がかりメモに残されていたのは、

 グリーンランドの地図だった。

 探検隊に加えて貰い、氷河に覆われたその地を目指した。


 何もない。

 見渡す限り何もない白い世界。


 吹雪に襲われ一人取り残された。

 朝日が昇る。


 蒼く光る足下に氷床に閉じ込められた古代都市が広がっていた。




 《 お題 》

「昼のアパート」で登場人物が「嫉妬する」、「林檎」という単語を使ったお話を考えて下さい。


【林檎】


 赤く熟した嫉妬する心を下ろし金に当ててみる。


 甘酸っぱい匂いが、

 昼下がりの空気がむわりと歪む、四畳半のアパートに不釣り合いに充満する。


 林檎の芳香と生々しく混じり合う汗の匂い。

 チリン、と申し訳程度の風鈴の音。


 液体になった想いは生温く、

 ごわごわの繊維質を残して口内に不快にへばり付く。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ