隠れ家カフェ
《 お題 》
『途中』と『隠れ家』を使って140字SSを書きましょう!
【虹色ソーダ】
帰路の途中に隠れ家的なカフェがあった。
古風な洋館のドアを開けると、青い壁にステンドグラスの光が揺れる。
僕はここでいつもソーダを注文する。
透明の炭酸に七色の氷が浮かぶ。
氷が溶ける間、その上に座る人魚が唄ってくれるのだ。
その僅かな時間、僕は全てを忘れて唄に浸る。
水の中を揺蕩う様に。
《 お題 》
〔あたたかなひと〕です。
〔直喩禁止〕かつ〔キーワード「手紙」必須〕で書いてみましょう。
【ほっとパンケーキ】
帰路の途中に隠れ家的なカフェがある。
古風な洋館のドアを開けると、蝋燭が灯るテーブルが幾つか。
私はその一つに腰掛けパンケーキを注文する。
温かなパンケーキのバターが溶け切るまで、置かれたガラスの蜂蜜ポットの中でお婆ちゃんが童揺を口ずさんでくれる。
月に一度、私はここで故郷に手紙を書く。
《 お題 》
「深夜の事務所」で登場人物が「噛み付く」、「星座」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【宇宙ゼリー】
深夜の事務所で部下に噛み付かれ、疲れきった私は帰宅途中で隠れ家的なカフェに寄った。
古風な洋館のドアを開けると、青い光がさんざめく。
ここの名物、夏のゼリーを注文した。
ゼリーの中の金平糖が夏の星座を形作る。
パチパチと星が弾け、彗星が飛び交う紺青を口に運ぶ。
残った器が真空の空になる。
《 お題 》
『パズルのようだ』を最初に使ってSSを書いてください。
【七色シャーベット】
その隠れ家的な古風な洋館カフェのドアを開けると、しっとりと甘い香りが鼻腔を擽る。
この香りの菓子を注文した。
「パズルのようだな」
一目見てそれが気に入った。
知恵の輪の様なリングが絡み合う七色シャーベット。
甘い香りは故郷を巡る四季の香り。
僕の心を解きほぐす。
帰ろう、やっと僕は決心した。
《 お題 》
「早朝のプール」で登場人物が「奪われる」、「手品」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【モーニングAセット】
隠れ家的なカフェの古風な洋館のドアを押した。
茫然自失のままモーニングを頼む。
プールの早練の時、僕は大切な手紙を奪われた事に気が付いた。
渡すつもりの恋文を。
出された厚切りトーストの上に僕の綴った文字が焦げ付いている。
急いで齧って呑み込んだ。
きっと手紙から文字は消えた筈。
手品の様に。




