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扇情の色彩

 《 お題 》

「昼のロフト」で登場人物が「抱き合う」、「傘」という単語を使ったお話を考えて下さい。



【白】

 昼のロフトは太陽が降り注ぐ絶好のアトリエだ。

 真っ白なシーツを梁から吊って傘の様に広げる。

 ここは砂漠の天幕。

 君は拐われた姫君。

 白い光の下で僕達は抱き合い愛し合う。


「傑作はいつ出来るの?」


 くすくす笑う君。

 床の絵筆を拾い僕は君の背をなぞる。


「直ぐに。官能て題なんだ」


 画布はまだ白いまま。




 《 お題 》

『勝負』と『紅茶』を使って140字SSを書きましょう!



【紅】


 まるで勝負を挑んでいるかの様な彼女の紅い唇が薄く開かれ、金色の紅茶を湛える薄い磁器のカップに口付けられる。

 脈打つ白い喉に釘付けの僕は、どうやって彼女の紅を落とそうかと思案中。

 猫の様に細められた目が僕を挑発する。


 僕は微笑んで、カチャリ、と置かれたカップに残る紅の跡を指でなぞった。





 《 お題 》

 〔僕の知らない君の声〕です。

 〔固有名詞禁止〕かつ〔「夕焼け」の描写必須〕で書いてみましょう。


【黒】


 茜色から紺青へと移り変わる黄昏の海。

 打ち寄せる波に、喚き散らす君の声が混じる。

 僕の知らない君の声、君の姿を僕は岸壁から見下ろしていた。

 髪を振り乱して奴に縋る君。

 泣き濡れる君。


 僕の中に黒い欲望が湧き上がる。

 奴の様に、いつも取り澄ました君をこんな風に支配出来れば何程楽しい事だろうと。





 《 お題 》

『共犯者の笑み』をお題にして140文字SSを書いてください。



【黄】


 はらり、はらりと舞い落ちる銀杏が黄色い絨毯を敷き詰める朝またぎ。

 僕は風に首を竦めて会社に向かう。

 寂寥感に押し潰されそうな静けさの中、信号待ちの同僚の背中に気が付いた。

 悴む白い指先が艶かしい。


 彼女の傍らに立ち、囁いた。

「寒いね。ベッドで温まらない?」


 彼女の上に共犯者の笑みが浮かぶ。





 《 お題 》

『辛口』と『太陽』を使って140字SSを書きましょう!



【青】


 燦々と輝く太陽を湧き出た黒雲が瞬く間に覆い尽くし、大粒の雨が地面を叩きつけていた。


 カランとドアを開け入って来た彼女の髪からは雫が滴り落ちている。

 水滴を払い、髪を無造作に掻き上げる。

 頬を拭う細い指先。青い唇。


 その青を染めたくて、腰掛けた彼女の前に辛口のホットワインをコトリと置いた。







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