花火 / 歩道橋 / 健康志向 / 恋の音 / 河
《 お題 》
「夜のソファ」で登場人物が「浮気する」、「花火」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【花火】
花火の見せる一瞬の閃光が、夜の昏がりに沈む部屋を青く浮き上がらせた。狭いソファーで縺れ合う二人。夜空に大輪の花が咲き、しゅるしゅると散る。次の花が咲く。弾ける音が木霊する。ドン、ドン、ドンと。広がる赤い花に、妻と見知らぬ男が眠る。永遠に。「花火のようだ」と男は二人を見下ろした。
《 お題 》
「深夜の歩道橋」で登場人物が「うつむく」、「ソーダ」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【歩道橋】
深夜に一人うつむいて、眼下を通り過ぎて行く緩慢な光の流れを眺めていた。気の抜けたソーダの炭酸のように時折浮かぶヘッドライト。また、すぐに訪れる暗闇。静かな闇。何処かに帰るあの灯は僕のいる歩道橋までは届かない。僕は身を乗り出し手を伸ばす。あの光を掴もうと、連れて行って、何処かへと。
《 お題 》
『体にいいことしよう』を最初に使ってSSを書いてください。
【健康志向】
「体にいいことしようよ」君にそう言われた時、嫌な予感がしたんだ。僕はテーブルにつき、溜息を漏らす。大盛りの野菜サラダに緑のスムージー。青虫になった気分だよ。まだ暗い内に起こされて走ってこいと追い出される。汗だくで戻ってきて満足げな君の寝顔に又溜息。いいんだ、三日坊主が君のいい処。
《 お題 》
〔恋の音〕です。
〔体言止め禁止〕かつ〔匂いの描写必須〕で書いてみましょう。
【恋の音】
彼女に出逢った瞬間、頭の中で何かが弾ける音がした。修学旅行の二日目の朝、酔いが一気に醒めていく。僕は自分の臭いが気になって赤ら顔が一気に青ざめ、今度は恥ずかしさで又赤くなる。酔い潰れた友人達に囲まれた僕。僕を冷たく睨む風紀委員のバッチの彼女。ドキドキするのは恋の音? それとも…。
《 お題 》
『彼方』と『悲しみ』を使って140字SSを書きましょう!
【河】
「この河が此方と彼方を繋いでいるの」貴女は微笑を湛え水底を指差した。其処には碧の龍が横たわる。月光に煌めきさざなむ鱗。「狭間の河だから、私達も逢えるのよ」つがいを亡くし溢れ出る龍の慟哭が河となり。流れる波間、とぷりと揺れる舟の上。




