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国境 / 再会 / おねだり / 本 / 甘味

《 お題 》

『境界線の引き方』をお題にして140文字SSを書いてください。


【国境】

境界線の引き方を教えて欲しい。地図の上に描かれた線など彼らには関係ないのだから。彼らは何百年もこの地にこうして生きてきた。風に舞い、動き続けるこの砂に線が引ける訳がない。広大な砂漠に塀を張れるはずもない。オアシスからオアシスへ駱駝を率いて旅をする彼らは、境界など楽々超えて行く。





《 お題 》

『姫君』と『上着』を使って140字SSを書きましょう!



【再会】

道に迷い雨に濡れ、震えて泣いていた小さな少女に、俺は着ていた上着を貸してやった。手を引いて近くの村まで送ってやった。たったそれだけの事だった。その上着に俺は十年経って再会した。落ちたばかりの城の自害した姫君の膝の上に。知っていたのだろうか?この城に火を掛けたのが俺だという事を。





《 お題 》

「朝の教室」で登場人物が「喜ぶ」、「アイス」という単語を使ったお話を考えて下さい。


【おねだり】

日差しが突き刺さる夏の朝。俺は汗ばんだシャツをパタパタと煽り教室に入る。このクソ暑いのに喧しく騒ぐ集団の中からあいつの袖を引っ張った。「ほら」手にしたレジ袋を差し出す。「最後の一個だった」溶けかけの季節限定柚レモンアイスにぱぁ、と喜ぶあいつの顔。「さっさと食え、先生が来ちまうぞ」





《 お題 》

『夢』と『掃除』を使って140字SSを書きましょう!


【本】

掃除をすれば夢が叶う!なんて変なハウツー本を貰った。掃除したの?とその子に訊くと、にやっと笑みが返ってきた。取り敢えず読んで、騙されたと思って掃除を始めた。だって、私の人生どん底だったから。狭い部屋がみるみる綺麗になっていく。部屋が虹色に輝きだす。叶うかな?私の夢、異世界召喚!






《 お題 》

「夜のキッチン」で登場人物が「感じる」、「記憶」という単語を使ったお話を考えて下さい。



【甘味】

夜のキッチンで、コーヒーを淹れた。鼻腔を擽る薫香と、喉奥を通り抜ける温もりが、過ぎ去った甘い記憶を呼び覚ます。ミルクと砂糖をたっぷり入れて飲んでいた甘党の君。本当はコーヒーが嫌いだった癖に。君の面影が僕の瞼裏で甘く蕩ける。ブラックコーヒーに仄かな甘味を感じ、僕は苦笑を漏らした。





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