隙間 / お誘い / ディナー
《 お題 》
「夕方のゲームセンター」で登場人物が「許す」、「ミルク」という単語を使ったお話を考えて下さい。
【隙間】
学校帰り、夕方の塾が始まるまでを、僕はゲームセンターの片隅で過ごす。テイクアウトのミルクたっぷりカフェオレとパニーニが僕の夕飯。脳を揺さぶる電子音と視界の端に点滅する光の海の中、目を瞑る。存在の余りの軽さに、僕の身体がふわりと浮かぶ。唯一僕に許された自由。揺蕩う至福の隙間時間。
《 お題 》
『ひねくれた告白』をお題にして140文字SSを書いてください。
【お誘い】
いつも澄ましたクラスのマドンナが、僕の方をチラチラと見ている。僕は友人と映画の話に夢中。ふと会話が途切れた時に、彼女が話に割り込んできた。「一緒に行ってあげてもいいわ」僕は唖然と彼女を眺めた。ほんのり赤い頬。握り拳が震えている。「行こうか」本当はこの映画、昨日観てきたのだけど…。
《 お題 》
〔声にならない〕です。〔句読点以外の記号禁止〕かつ〔味の描写必須〕で書いてみましょう。
【ディナー】
そのデザートを一口食べた時、僕はこの不自然な味に首を捻り呑み込むのを止め、密かにナプキンに吐き出した。甘やかさの中にある変な苦味。薬品の様な。会食の長テーブルの面々は喜々としている。が、やがて喉を掻き毟り一人ずつ倒れていった。一人残る僕は恐怖に叫んだ。だが掠れて声にならなかった。