表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/86

翼 / 代償 / 喪失 / 半分 / 虜囚

《 お題 》

『飛翔』と『隠れ家』を使って140字SSを書きましょう!



【翼】

天高く飛翔する翼から俯瞰する草原は果てしなく広く、永遠に続く萌えいずる生命の新緑に輝いていた。その中に一点、血の染みの様に鈍く赤錆色のパティオが浮かび上がる。人の足では、まして馬ですら辿り着けないであろう山脈を超え、見つけた敵の隠れ家。その遥か頭上を僕を乗せた大鷲は旋回していた。





《 お題 》

『終わりだね』を最初に使ってSSを書いてください。


【代償】

終わりだね。男は楽しげに微笑んで蝋燭を吹き消した。漆黒の帳が僕を覆う。僕はこの悪魔とのゲームに負け、代償に感情を差し出した。魂を取られるよりマシだと思ったのだ。男の指先の上で、僕の感情が小さな焔となり七色に輝き揺らめいている。男はそれをグラスに移し掌で温め美味しそうに飲み下した。





《 お題 》

「深夜のベンチ」で登場人物が「笑う」、「靴」という単語を使ったお話を考えて下さい。



【喪失】

深夜のベンチに丸くなり満天の星空を振り仰ぐ。きしきしと肺を冷やす冬の冷気に息が白く凍りつく。乾いた笑みが零れ落ちる。ぼろぼろの革靴が、記憶を失くした僕が僕だという最後の証。どうせ死ぬのなら自分として死にたいのに…。何者かも判らない誰かがこの世から消えたとして、何の感慨も沸かない。



《 お題 》

『僕の半分』をお題にして140文字SSを書いてください。



【半分】

故郷を後にした僕は、僕の半分を君の元に残してきた。だから身体は軽く、心はもっと軽く飛ぶように足は進んだ。夜になると魂は空を駆って君の元へ飛ぶ。僕は心おきなく各地を巡る。戻っている間、旅先の半分が何をしているかなんて考えもせず。まさか追われる身になっているなんて、思いもつかぬまま。





《 お題 》

〔君の手で僕を●●て〕です。

〔二人称(君、あなた等)の使用禁止〕かつ〔食事描写必須〕で書いてみましょう。



【虜囚】

長細いディナーテーブルで僕だけの晩餐。人質の価値でさえなくなった惨めな虜囚の僕。前菜から順番に金で縁取りされた器は次々と替わる。僕はゆっくり咀嚼し呑み込んでいく。デザートを終え、僕は傍らの給仕をちらと見上げた。今日こそは、その手で哀れな僕を屠ってくれるものと期待していたのに、と。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ