鷹 / 歌声/ ロマン / 母 / 鳥籠
《 お題 》
『口笛』と『最初』を使って140字SSを書きましょう!
【鷹】
鋭い口笛が空を切る。緩やかにうねる稜線に沈む太陽。燃え立つ空からやがて現れた黒点が、遮るもののない金色の砂漠に濃い影を落とす。高く差し出された片腕に大きな翼が舞い降りバサバサと羽音を立てる。交わされた約束通り、次の口笛で鷹は僕の腕に乗り移った。これが僕と鷹の最初の出逢いだった。
《 お題 》
「深夜の水族館」で登場人物が「待つ」、「CD」という単語を使ったお話を考えて下さい。
また、水族館
【歌声】
人影の耐えた深夜の水族館。CDをかけて私は待つ。緑色のライトが照らす静まり返った水槽で魚たちも微睡む中、魚たちの吐く細かな気泡が集まって、彼女が姿を現すのを。荘厳にしめやかに流れるオルガンの音色で目覚めた彼女が、青銀の鱗を煌めかせ水を揺らし、今夜も唄いだす。帰りたい、還りたいと。
《 お題 》
『男のロマン』をお題にして140文字SSを書いてください。
知らんぞ…
【ロマン】
ガラス瓶の中に一年掛けて造形された大きな帆船。男のロマンだろ。なんて鼻高々に自慢するこいつ。窓辺に置かれてきらきら輝く閉じ込められた船。ある日こいつが出かけている間に、僕は船を出航させた。ガラス瓶ごと青く煌く海原に。戻って来て戦慄くこいつに言ってやった。「これぞ男のロマンだろ」
《 お題 》
『無理をするのは得意』をお題にして140文字SSを書いてください。
【母】
「無理をするのは得意なんだ」母は笑顔で力こぶを作る。「好きを得意にしてるんだよ」畳み掛けて僕を叱る。「私の楽しみなんだよ」進学なんかしなくていいじゃないか。僕が働けばもっと楽になるじゃないか。勉強しろと母は言う。私の分までしてくれと。そして話して聞かせてくれと学校はどんな所かと。
《 お題 》
『鳥』と『猫』を使って140字SSを書きましょう!
【鳥籠】
鳥籠の鳥は銀色の猫が好きでした。サテンのクッションに寝転がりいつも欠伸をしている猫。空の瞳を細く開け、時々鳥を見上げます。いつもの様に鳥籠が下ろされる餌の時間の、ふっと誰もいなくなった瞬間。転がる鳥籠の扉が開く。ああ、やはりこの猫が私に自由をくれるのね。飛び立つ瞬間、光る銀の爪。




