虹の橋シリーズ
童話仕立ての「虹の橋」シリーズ。
5回分溜まったので纏めてみました。
お題
〔どこまでだって、追いかける〕です。
〔会話文のみ禁止〕かつ〔「明かり」の描写必須〕で書いてみましょう。
【旅人】
彼はどこまでだって追い掛けるよ。夜の国と朝の国を繋ぐ虹の橋を。霞みゆく橋の麓は、薄らと白が輝いている。まるで今から星が生まれる様に。あのゆらゆらとした輝きの中に朝の国がある。万物を優しく照らす光の国。夜の国の民が憧れてやまない夢の国。夜の民は知らない。夢は夜の国の物だという事を。
お題
『朝』と『夢見る』を使って140字SSを書きましょう!
【朝の国】
夜と朝の狭間は紫の虹で繋がれる。夜の国の人々は光に憧れ虹を渡る。消えるまでに渡り切らなければ、身体は白く砕け朝靄となって霧散してしまうんだって。朝の国の人々は夜の国を知らない。だって振り返る事をしないから。でも、僅かに辿り着いた人々から伝え聞いた、漆黒の世界を夢見るんだって。
お題
『萌え萌えです!』を最初に使ってSSを書いてください。
【昼の国】
萌え萌えです!天然美少女の女王様に皆夢中。だから昼の国はいつも賑やか。わーわー、きゃーきゃー騒がしい。夜の国から来た旅人はおっかなびっくり。漆黒の闇に星降る夜の民には昼の女王は眩しすぎ。きらきらきら。肩を丸めて通り過ぎ、雨の降るのを待ちわびる。虹の橋を渡って夕暮れの国に行く為に。
お題
『手のひら』と『毛布』を使って140字SSを書きましょう!
【夕暮れの国】
茜色の空は夕暮れの国。雨上がりの日は気をつけて。七色の縞模様にとんがり帽子の不思議な男が、寝ない子を見つけて囁くよ。星屑を食べた事あるかい?凄く甘くて口の中でパチパチ弾けるよ。小さな手のひらにきらきらの欠片を握らせる。その子は毛布を引きずって虹の橋を渡るんだって。漆黒の夜の国へ。
お題
『きっとたぶん』をお題にして140文字SSを書いてください。
【夜の国】
消えてしまった子どもたち、きっとたぶん、夜の国であのお星様を磨いているんだね。小さな手でとんがりと、とんがりの間を丁寧に磨くから、あんなにぴかぴか光るんだよ。綺麗に磨き終わったら、闇のお空にぽーんと放って、ご褒美に星の欠片を貰うんだ。パチパチ弾ける星の欠片。夜の国のおやつだって。
お題
『話』と『最後』を使って140字SSを書きましょう!
【狭間の国】
このお話の最後に登場するのはね、狭間の国。朝と昼、昼と夕暮れ。夕暮れと夜、夜と朝。そのどれもの間にある狭間の国。狭間の国に行くにはね、虹の橋の真ん中から思い切りぽーんと飛び込むんだ。空に。運が良ければ滑り込めるよ。虹色の狭間の国。全てに通じて、閉じられている誰も知らない狭間の国。
つづく。多分。




