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現実ネトゲに異世界人最強を入れてみた  作者: ◆smf.0Bn91U
MMO「ラッキー・スター」と異世界の傭兵
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星羅とあおい姫☆ミ の合流

>>後をつけていたのは分かってたんだ~☆


 あおい姫がオープンチャットで言葉を続ける。

 まるでそこに、自分がいると知らしめるかのように。


>>だから、周辺に仕掛けといたの。あなたの足を止める罠をね♪


 その言葉を見て、星羅を攻撃していた二人がコンテナを回り込みながら近付いてくる。

 ……狙い通り。

 そう言わんばかりに、死んだ星羅と距離が開いたのを確認してからようやく――


「リザレクション!」


 ――あおい姫は復活魔法を使って星羅を復活させた。

 その突然現れた吹き出し文字に反応し、咄嗟に動き始めていた足を止めさせてしまう二人。


 PvPやGvGの際の復活魔法は、復活させることが出来てもHPが1しか回復しない。

 すぐに仕留めれば何も問題ない。

 むしろ後顧の憂いを断ちたければ、復活されてもすぐに何かしらの攻撃をすべきなのだ。


 しかし、とっくに死んで、復活させられることはないと高を括り、すぐ下の通路にいるであろうことが予測できたあおい姫の元へと向かっていたせいで、すぐに何かしらの攻撃に移ることが出来なかった。


 その隙に星羅は、コンテナを「ジャンプ」のスキルで乗り、再びクールタイムを一本初期化するアイテムを使い、「ジャンプ」で飛び降りながら……そのまま振り下ろす大攻撃を、銀髪兎耳の男キャラにぶつけた。


 武器を変える余裕もなく槍のままで大攻撃を放ってしまったため、さすがに今度は一撃とはならなかった。しかし一気にHPを削ることは成功した。


 復活させられると同時にコンテナに向けて「ジャンプ」を放ったその淀みのない行動。

 もしかしたら、あの場に留まって三人を相手にしていたのは自己犠牲ではなく、一つの作戦だったのかもしれない。

 そう思えば、コンテナに寄り添うように三人を相手にしていたのも説明がつく。ギリギリコンテナ越しに魔法の範囲に入る場所を把握していたのだろう。


 全てが作戦の内。

 ただ、槍を装備し直さず攻撃に移ったことを思えば、あの罠に嵌められた神鳴だけは想定外だったのかもしれないが。


 それでも、罠を仕掛けたあおい姫と・そこに追撃を浴びせることが出来た星羅の機転は、十二分に凄スゴいことなのだろう。

 なんせチャットには一言もこれらのことを説明した形跡が無い。

 この試合が始まる前にした作戦会議だけで、今でもまだ彼女たちは立ち回っている。


 一体どれほどのことを想定し、どういった内容の作戦を立てたのか……。

 きっとあおい姫は、神鳴が「察知」のスキルを使って近付いてきていることを察していた。

 逃げる時に立ち止まらなかったのがその証。止まれば追いつかれ、攻撃され、この作戦がフイになってしまうことを知っていたからだ。

 罠アイテムは仕掛けている間、パーティメンバーにしか仕掛けているモーションを見せない。

 つまり他のパーティではわからないということ。

 不自然に立ち止まっていれば警戒できるのだろうが、コンテナ越しに魔法を使うためのタイミングを見計らっているように思わせていれば……それも不自然ではなくなる。


>>来るな!


 星羅から追撃として放たれる小攻撃の乱打を防御ボタンを押し続けることで防ぎながら、なんとか文字を小隊チャットに打ち込む。


 咄嗟に、なのだろう。

 それが無意味――もしくは伝わってもかなりのラグがあることを、この瞬間だけ忘れてしまっていたに違いない。

 今彼の元へと向かってきているチームメイトは、パーティメンバーではない。

 パーティチャットで伝えることが出来ないというのは、こういう咄嗟の時に対処不可能なのが辛い。

 ささやきモードで話しかけるという手段もあるだろうが、誰にささやくかの指定をしている余裕が無い。

 事前準備として戦闘前に指定していれば良かったのだろうが、そこまで想定した作戦を立てていた様子はなかった。


 そりゃそうだ。

 なんせ相手は三人。こちらは十人。

 こんなギリギリにまで追い詰められるだなんて、誰が想定できるだろうか。


「魔法の矢!」


 『魔法属性』のとあるスタイルのアクティブスキル・「魔法の矢」。

 詠唱者の周辺に魔法の矢を生み出し、時間差で対象へと放たれる攻撃スキルだ。


 さすがに魔法は防御することが出来ない。

 一撃攻撃をもらった段階で身動きが取れない罠は外れているので逃げようと思えば逃げられるはずだが、先程からの星羅の小攻撃がそれを許していない。

 多少のダメージを覚悟で逃げようとも、槍の間合いを考えればその間にHPが削りきられてしまうだろう。

 『シールドスタイル』の「踏ん張り」スキルを習得していればまた変わったのだろうが……暗殺者のような遊撃をしていたところを見るとら、まあ習得していなかったのだろう。


 そもそも『遠距離属性』である以上、真正面から戦闘になった段階で、死に一歩近付いた状態に身を置いているようなものだ。


 だから……ここで星羅とあおい姫を同時に相手することになった時点で、彼が死んでしまうことは確定していたも同義なのだ。


>>こっちはダメだ!


 それを悟ったのか。

 防御を解除し、小攻撃と共に魔法の矢を一緒に受けながら、ささやきモードでこちらへと向かおうとしていたチームメイト二人に向け、最後のその言葉を打ち込んだ。

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