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娘を悪役令嬢にはいたしません!!  作者: 愛羽真琴
アイリーン・ベア・エリザベート篇

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新キャラ登場

翌朝の朝食の時、旦那様は目を真っ赤にはらした娘の顔を見ても何も気にならない様で、いつも通り重たい沈黙が流れた。

先に食事を終えた旦那様は私たちに目を向けることなく自室へと戻った。


私は娘が、食べ終わるのを待って、一緒に子供部屋へ戻った。

未だ暗い表情の娘になにか声を掛けようにも他人が理解出来ず、彼氏いない歴≒年齢の私には、娘を上手く励ます事が出来ず、おろおろとしてると、扉をノックする音が聞こえた。

そして思い出した。そうだ!今日は我が国一番の道具師が我が家にやってくる。

娘からは少し年上のお姉さんと同い年ぐらいの息子さんが来るはずだ!

そしてこの二人は確か同じ学園に通う事になってたはず!!

是非とも仲良くしてもらはなくてはならない。

「奥様、ワーリス様、ハチェット・ツーラー様がお見えになりました。」

「分かったわ。すぐ行くわ。」迎えに来たメイド長と、共に客間へと向かった。


「お初にお目にかかります。ハチェット・ツーラーと申します。

こちらは、姉のピン・ツーラー、弟のホー・ツーラーでございます。」

それぞれの、挨拶が済み、旦那様とハチェットさんが出ていくと部屋には私だけになった。

すると、ピンがチェリにハチェットさんのお仕事の話を沢山してくれた。

次第に、チェリの瞳も輝きを取り戻し、とても楽しそうにピンの話を聞いていた。

口下手なホーもうまい具合にピンに促され会話に入り、楽しそうな三人がとても微笑ましかった。

やがて日が傾き、ハチェットさんが迎えに来る頃にはすっかり仲良くなった三人だった。


その後も、チェリは二人とお茶会をしながらも王子とのお茶会にも参加していた。

私もピンを見習って、ここで一つ、娘におまじないを教えてあげる事にした。

昔、私は人見知りだった、そんな私に母が教えてくれたおまじないだ。

もし人前に出た時に緊張したら、人が見てると思うのじゃなくて、自分の好きなものが見てると思って、脳内変換する事によって緊張を解すのだ。

そして、それは嫌な事をされた時も同じ。どうしても避けられないのなら、こっちが大人になってあげるしかないのだ。

それからと言うのも、王子とのお茶会も大人な対応へと変化していったようだった。


それから5年の月日が流れ、娘は10歳の年になった。

王子の10歳セレモニーに婚約者ということは隠して呼ばれた娘に付き添う形で私だけが、パーティーに参加していた。

わが国ではあまりパーティーを行わない。国内に向けてあまりやる必要が無いからだ。

だから大抵は、海外に向けて行うものが主流だ。

(ふぅ、やっぱりドレスは疲れるわね。でも、うちの娘の方がもっとしんどそう。)

いくら母親が一緒だからと言っても私の娘は極度の人見知り。そのうえ普段は着なれないドレス。震えるなというほうが無茶である。

最低限の挨拶を終えると主役より先に帰る訳にも行かないので、私たちはひっそりと壁際で時間が過ぎるのを待っていた。

しかし、ダンスタイムで事件は起こった。

あろうことか、今回の主役で、最も目立つ男、王子が娘をダンスに誘ったのだ。

誰しもが憧れの王子と踊るチャンスはある、しかし、私たちには全くもっていらないチャンスだ。

だからこうして部屋の隅っこでおとなしくしていたというのに!!

私たちにしか見えないところでほくそ笑んで「そこの、きれいなお嬢さん、私と踊ってくださいませんか?」

私は唖然とした。確かに娘にはダンスの授業が組み込まれている、しかし、まだひと前で披露したことはない。

緊張しいの娘がいきなりこんな大注目の中で本領発揮できるとは思えない、しかし、仮にも一国の王子の申し出を断れるはずもなく、仕方なくうなずくように合図した。

私はそっと「今、あなたには、周りの人が皆、さくらんぼに見える魔法をかけたわ。落ち着いて、自分のペースでやってきなさい。」と優しく背中をおしたのでした。

曲が始まり、ハラハラしながら我が子を見守っていると、特に大きなミスは無かったようで、私の元に戻ってきた娘に王子は不満げ顔をしたかと思うと、女の子たちに囲まれてすぐ猫かぶりスマイルに戻っていた。


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