表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/276

5話 列車の旅

今回から異世界編スタート!

タイトル通り列車で学園まで行きます!

 転校先の学園に向かうためにら列車に乗る必要がある。

 そのため俺は先ほど転移した場所から見えた町の駅に移動した。

 ファンタジー世界なのに列車があるとは。

 しかも、かつては車も走っていたそうな。

 だが人を轢く可能性があるため、数ヶ月で販売中止と回収になったらしい。

 また、飛行機の代わりに飛行船や飛行艇が飛んでいる。

 そして俺は乗車券を買うために券売機の前に立っている。


「何て書いてあるんだこれ」


 さて、これは何語なんだ?

 恐らくは右から読む言語、文字の形は平仮名或いは片仮名にアルファベットが混ぜられた感じだ。

 おいおい、こっちの言語なんてモノは教わってないぞ。

 それに言語が理解できないから駅員に訊ねる事すらできない。

 まあ、背後の奴に乗車券を早く買うように催促されているのは雰囲気でわかるがな!

 そうだ爺ちゃん改め親父に渡された、あの本に何か書いてあるかも!

 …とりあえず謝罪を込めた表情で頭を下げて列を退くか。


「あ、最初の頁に書かれている」


 龍は列から退いて近くのベンチで医学書のように分厚い本を開けた。

 そして最初の頁に『初めにこの世界に来たらこの魔法陣を手の甲にでも良いから、とりあえず体に書け。言語がわかるようになる!それとトイレで書け』と赤字で書かれていた。

 そのため龍はトイレに

 幸いにもトイレはピクトグラムの看板により、直ぐに見つかった。


「あってるよな」


 そして手の甲にペンで魔法陣を書いた。


「うおっ!光った」


 稚拙な魔法陣は僅かに輝いた後に消えてなくなる。


「すげぇ!さっきまで意味不明だった言葉が日本語になってる!」


 魔法って便利だな!

 多分、異世界の言語を自動で翻訳してくれる魔法なのだろう。

 これであの意味不能な文字が読めるぞ!

 

「……はぁ!?どうなってんだこれ!」

 

 俺は個室から出て意気揚々と券売機に向かおうとした。

 だが衝撃のあまり鏡の前で立ち止まる。

 何故なら頭には角、背中には大きな翼、そしてズボンから竜のような尻尾が生えていたからだ!

 もう一回、あの本を開ける!

 絶対に何処かに書かれている筈だ!


「…注意事項読み忘れてた」


 注意事項には『なお、副産物として魔族の特徴がでる』とあった。

 また、魔族の特徴を出せたりしまえたりする魔法陣も書かれていた。

 …焦りすぎて完全に無視していたな。


 先ほどと同じく魔法陣は光り角と翼と尻尾はしまわれた。

 感覚的には『しまわれた』というよりかは『消えた』感じに近い。

 てか、そんな簡単に生物の構造を変えれるものなのか?


 さて、人の見た目に戻れた事だ乗車券を買いに行くか。


「文字は…日本語じゃないがわかる。翻訳ではなく強制的に理解させているのか」


 ユルグレイト学園に行く乗車券は…これだな。

 フェル?これがこの世界のお金の単位か。

 どうせ魔王ルシフェルのフェルを取ったもんだろ。


「一番ホームにユルグレイト王国行きの特急列車が参ります。黄色い線の内側までお下がりください」


「やっべ!あれじゃん!」


 そういえばユルグレイト学園がある場所はユルグレイト王国と言うらしい。

 一騒動はあったが何とか無事に列車には乗れた。

 ありがたいことに全席が個室で誰も入室していない場所に入れた。


「暇だし…このデカい荷物の確認でもするか」


 親父に渡された大荷物、何が入ってるのか気になっている。

 恐らくは勉強道具と着替え一式だろう。

 でも、金属が擦れ合う音が聞こえていた。


「日本刀が四本。護身用ってかファンタジー世界なら対魔物用だろうな」


 それに伴い砥石等の手入れ用の道具が出納された木箱が入られていた。

 一応、手入れの仕方は親父から習っているので心配ないだろう。


「ついでに短刀が三本」


 まあ、包丁かサバイバルナイフの代用にしそうだ。


「…ライフル一丁と拳銃が二丁」


 何でライフルや拳銃の使い方を教え込まれたのか疑問に思っていたが、このためか。

 ちゃんと替えの弾丸まで用意されている。

 こっちの世界の弾丸、装填できるんだろうな?

 ってか魔物のに銃って効くか?


「後は日用品かな」


 着替え一式が三着、替えの眼帯が三枚、タオル六枚入れられている。

 食料には五日分の缶詰め、水が三リットルだ。

 この世界にも駅弁って売ってるのかな?

 それと火起こし用のマッチが三十本、出番はなさそう。

 学校系としてはユルグレイト王国の地図と学園への招待状、鉛筆削りと鉛筆八本と消しゴムが二個、ノートが五冊だ。

 …何かもう一冊、分厚い本が出てきたんだが。


「魔物図鑑?」


 ゲームとかで聞いたことある名称の魔物が載っている。

 スライムとかゴブリン、そしてドラゴン!

 流石にまだこの世界に慣れてないから遭遇したくないな。

 …前言撤回、死ぬ可能性があるのならば遭遇したくない。

 さてと持ち物確認に戻るか。

 

 ポーションとラベルの張ってあるビンが八個出てきた。

 …体力が回復する薬なんだと思うけど苦そう。

 いざという時は気合いで飲み干すか。


「こう荷物整理をしたが一番気を付けなければならないのはこれだな」


 もちろん、刀と銃も扱いには細心の注意を払わなければならない。

 けど、何処かで財布を落としてしまえば詰みだな。

 財布には50000フェル入っている。

 一応、乗車券用に個別で25000フェル入れられていたが。

 …にしてもユルグレイト王国に転移させろよ。

 今から何日かかるか知らないけど、25000なんて一日の料金ではないことぐらい理解できる。

 大方、転移先から独り旅をさせて異世界経験積ませようっていう魂胆だろう。

 はぁ、早く安心して寛げる場所に着かないかな。

フェルはこの大陸共通の貨幣です。

日本円と同じ価値の設定、極端ではないにしろ物の価値は違います。

硬貨も一円から五百円、お札も千円から一万円あります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ