008 海峡の覇者
今回は話の流れ上、いつもより短くなっていますがご容赦ください<m(__)m>
それと、タイトルを変更しました。
「雷属性剣・雷槍飛」
小手調べだ。刀を≪リヴァイアサン≫に向ける。
雷の槍が一直線に雷速で飛んでいった。おそらく岩など軽く貫通するであろうその槍を≪リヴァイアサン≫は避けなかった。まとも槍を受け、耐えた。奴の尻尾付近に命中したのだが、わずかな焦げ跡しかついていない。
が、刺激にはなったらしく、蒼い帝王は大きな咆哮を上げた。音の波紋が目に見えるほどの威力をもった咆哮は、周囲を激しく振動させた。
そして、先ほどの≪ハンドレットシャーク≫とは比べものにならない規模の【ウォーターガン】を向けてきた。速度の規模も威力の規模も桁違いだ。
けれど、おれに当てるにはまるで速度が足りない。危なげなく回避すると、もう一発【ウォーターガン】を打ってきた。
学習しないやつ…ッ!!!??
水が突如膨らんだかと思うと、格子状になっておれの周囲に降り注いできた。なるほど、水の檻か。確か【スウェットプリズム】とかいう水魔法だな。
蒼き龍がニヤっと嗤ったような気がしたが、この程度危機でもなんでもない。
「氷属性剣・霧氷陣」
摂氏-100度はあろうかという冷気がおれの周囲に現れ、拡散した。すると水の檻も凍ったのでそれを剣で砕いて難なく脱出する。
そして刀の切っ先を蒼き龍に向ける。
「氷属性剣・一本氷柱」
≪リヴァイアサン≫の遥か上空に巨大な氷柱が出現し、落下する。巨大化させた分スピードは出てないが、あの巨大さなら命中するだろう。氷柱の一番上の面積は、新宿区ほどはあるんじゃないだろうか。
当然≪リヴァイアサン≫は回避するために動こうとした、が。
「ああ、悪いな。【雷槍飛】は貫通技じゃなくて感電拘束技なんだよ。」
雷の拘束によって身動きができない≪リヴァイアサン≫は、すぐさま迎撃をしようとした、が、もう遅い。
ありえない質量と重量を誇るであろう氷柱は、見事に≪リヴァイアサン≫の眉間に命中し、その巨体を海へと墜落させた。
「…終わりかよ、SSSっつてもこんなもんか。」
軽く失望したおれは踵を返し、≪エドマンド≫へと帰ろうとした。
瞬間、海が荒れた。荒れたというレベルではない。海から竜巻が発生し、天へと続くような螺旋がいくつも現れた。その竜巻は一定の間隔をあけて発生しており、さながら神殿の柱のように見えた。
そしてその中央から、眼を紅く染め氷の剣鎧を纏った海の帝王が姿を見せた。
読んでいただきありがとうございました。
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