案件3 魔女裁判 16
神の御心に背くような真似を、どうして彼女は犯してしまったのか。何があって、その道を選んだのか分かりませんが、彼女の選択が残念でなりません。
同じ学園の生徒が、しかも校内で自殺を遂げたという事実は、あまりにもショッキングです。
いみじくも聖蘭女子は、由緒あるクリスチャンスクールで、私を含めて洗礼を受けている者も多くいます。
せっかくの聖蘭女子高等学園の記念すべき三十年祭を前にして、このような不測の事態が起こってしまったことを、遺憾以外になんと呼べばいいのでしょう。
観念的な問題を度外視しても、彼女の訃報は悲しいことです。同じクラスでもなく、直接の接点はありませんでしたが、昨日まで存在した人間が今この瞬間にはいないという、命の儚さが身にしみます。
ヒトミさんにとっては親友であったことを思えば、その悲しみもまたひとしおでしょう。
本当に私が休んでいる間に、学園の方でこのような騒ぎが起こっているなんて、思いもよりませんでした。
四組のナナさんはお気の毒ですが、今は静かに彼女の冥福をお祈りしたいと思います。
リナさん。
改めまして、バスケ部の試合お疲れ様でした。惜しくも敗れてしまいましたが、素晴らしいプレーだったと聞いております。光明女子は、今年の優勝候補と囁かれていたのを初めて知りました。
そんな学校でも番狂わせが起きて優勝を攫われる、スポーツの複雑さ難しさを感じました。
スポーツは本当に素晴らしいです。自分が体を動かせない分、余計にそう感じるのかもしれません。
リナさんの、体が基本という言葉を肝に免じて、もう少し体力をつけたいものです。
シホさん。
私が休んでいる間に、文芸部では、創立三十年に合わせて記念文集を作ることになっていました。
それぞれ十枚以内の短編ないしエッセイを寄稿しなければなりません。印刷の手間を考えると、今からやってギリギリというところでしょう。
短編として使えそうなネタがないので、今度初めてエッセイに挑戦してみようかと思っています。
完成すればまず真っ先に、シホさんに読んでもらいたいです。私の最愛なる読者様。
ヒトミさん。
間近にバレンタインが迫っています。もちろんヨハン先生にはあげるつもりでしょうが、他にも色々義理チョコを贈る相手がいるのでしょう。
皆さんはバレンタインに誰かにあげるのですか?




