俺と癒菜の初デート
更新遅くなってしまいました!
初デートです、どぞ(/・▽・)/
次の日の朝には予定は決まっていて、今日のデートは癒菜の母親がどこかで見ている、監視のもとで行われる。
場所は合宿の時に集合した駅前。
日曜なだけに、今日も駅前は一通りが多い。
約束の五分ほど前に来て、癒菜が来るのを持っている間、様々な人が目に入る。
日曜に仕事の入った人、旅行から帰る人、しかしそんな中、俺の目の前の信号を渡って来る見慣れない服装の金髪の少女。
「おはよう・・・待った?」
「いいや、時間ぴったりだ」
普段、見ない白い色のセーターに紺色のシャツ。
新鮮でそれでいて、見てれていしまうほどに可愛かった。
「それで、まずは・・・アーケードね、行きましょう」
「そうだな」
最初のデート先はアーケード通りを歩く予定になってる。
俺と癒菜は通りに入ると、辺りは人であふれかえっている。
この通りはこの街の人気の場所の一つだ。
「ね、ねぇ?」
「なんだ?」
少し歩くと、癒菜が少し落ち着きがない様子で声をかけてきた。
「手、繋いだ方がいいかしら?」
「そうだなぁ。別にいいと思うんだけど・・・見てるんだろ?」
「・・・うん」
癒菜の母が見ている以上、それっぽい雰囲気をさらに出した方がいいだろう。
俺は癒菜の手を取り、繋いだ。
「手、繋いどくか」
「う、うん」
恥ずかしいのか、少し戸惑いながらも、俺の手を優しく握り返してくる。
少し立つと、慣れてきたのか彼女は笑顔で俺を見てきた。
「嬉しいのか?」
「あたりまえじゃない」
そう言い返してくる彼女の笑顔は、今まで見たことがないような笑顔だった。
「さて、まずは服屋さんだな、どこがいい?」
そういうと、辺りをきょろきょろしながら気になるお店がないか見ているようだ。
ここに来ることは決まっていたが、そこからどこに行くのかは決まってなかった。
「そうね・・・・・多くて決められないから、歩きながら気になったところを歩いていきましょう」
「おっけい」
そういって、人をかき分けながら歩いていると、気になったか、癒菜がワンピースのお店の前で立ち止まり、そこのお店に決まった。
「見て見て、どお!」
そして入るなり、さっそく一着着て見せた。
一自分の服の上から重ねて見せてくる癒菜を見て、少しいつもの感じとは、良い意味で違和感を感じた。
「なによ?」
顔に出ていたのか、ジトっと俺の目を見てきた。
「いや、いつもと違って、新鮮だなっと」
「私だッて女の子よ? 可愛い服を見れば普通にテンションあがるわよ」
特に悪い意味で言ったわけじゃないが、癒菜はふんと試着室の中へと戻っていった。
そういえば、美奈も初めてワンピースを買ったことがあった。
あのワンピースは、合宿に行く少し前に染みをつけたって言って落ち込んでいたことを思い出した。
一着買っていくか。
そう思って俺は、一着の白色のワンピースを手に取る。
サイズは前に見たときに把握済みだ。
「どうするの?それ」
着替え終わった癒菜が、隣に来て俺の持つワンピースに疑問を浮かべて訪ねてきた。
「これは美奈に買っていこうかなって、この間染みつけたって落ち込んでてさ」
「ほんと、他人には優しいのね」
「それは癒菜もだろ?」
そういって癒菜のワンピ―スを通り際に手に取ると、値段を把握した。
「癒菜の分も買ってやるよ」
「いいわよ、風夜の家の生活金なくなるじゃない」
「バーカ、デートしてるのに婚約相手の服を買わないなんて、婚約者として終わってるだろ?」
もちろん、半分はそう思ったが、もう半分はグ〇グル先生情報だ。
本当、便利な世の中になったものだ。
それにここで美奈の分だけ買うわけにもいかない。
「それじゃ、お言葉に甘えるわ!」
癒菜も納得してくれて、二着のワンピースをレジに持っていき、会計を済ませた。
会計を待っている間に、癒菜は先に外に出ていた。
「ありがとう」
先に外にでて待っていた癒菜に、コバルトブルーの色をしたワンピースが入った袋を渡した。
受け取ると、それを大切そうに抱きしめていた。
「次は、どうするか?」
「え。 あ・・・あそこ行きましょう!」
俺に買っ貰った服をみて、うっとりとしていた癒菜が、次に行くべき場所を指さした。
「アクセサリーショップ?」
「いいでしょ?」
「あぁ、いいぞ」
了解を得ると、癒菜が俺の手を引っ張り、お店へ入っていった。
中に入って見てみると、主に海外の品々が、多く飾られていた。
「これなんてどうかしら」
癒菜はリボンを手に持ち、髪の左側につける。
色は赤で、髪の色ともいい感じだ。
「似合うぞ、髪の色ともいい感じだ」
「ほんと? じゃあ――」
癒菜が期待しているような目線を俺に送っている。
「あぁ、買ってやるよ」
そういって癒菜からリボンが渡された。
そのあと様々なアクセサリー見たが、やっぱりこれがいいと言って、最後にリボンの会計を澄まして、俺達はその店を後にした。
外にでて、次はどこに行こうかと聞こうしたら、ちょうど癒菜が時計を見て言った。
「もうすぐお昼ね、クレープ屋さんい行きましょう、案内するわ」
「おう、頼む」
俺はアーケードの人混みを、癒菜のあとについていく。
「ここにあるのよ?」
木々が多く遊具のない公園。
そんな公園には、週末になるとピクニックや友達とスポーツをしに来たりと、様々な人が来ることから、クレープの類だけじゃなく、パンやアイスなどの移動店なども来ている。
「こんにちわー!」
癒菜は店員の人にあいさつをすると、注文をし、注文のあとは店員の人と、何やら世間話などを始めた。
「あれ、彼氏さん?」
「まぁ、そんなところですね」
「いいなー、私まだ彼氏いないのに~」
そして世間話もほどほどにしたところで、クレープ屋さんの店員はクレープをデコレートして癒菜に渡すと同時に、俺について聞いたようだ。
年齢は二十代といったところか。
少し羨ましそうに癒菜を見てる。
「そんなことないですよ、いい人見つかりますよ、きっと」
「そうね、それじゃあ、デート楽しんでね」、
「はい」
会話を終えた癒菜が、俺の座るベンチの方に歩いてくる。
その会いどりは軽快で、とても嬉しそうだった。
きっと俺とのことを聞かれたからだろう。
「はいこれ、私のおすすめよ」
「えっ、これ・・・量多くない?」
「そうかしら?」
渡されたクレープを見ると、どこを見てもチョコ、チョコ、チョコのチョコづくしだった。
これでは糖尿病一直線だ。
しかし癒菜はとなりに座るり、美味しそうに食べている。
癒菜は普段、こんな甘いものをたべてるのか・・・。
俺は一瞬癒菜の方をみて、まずは一口、控えめにかじった。
「・・・うまいっ!」
「でしょ?」
隣で美味しそうに食べてる癒菜が俺を見る。
一瞬俺の味覚はおかしいのかと思ったが、クレープのチョコは見た目ほど砂糖を使っていないようで、甘さは控えめだ。
これはクセになる、今度美奈も連れてこよう。
「あっという間になくなったわね」
「うまかったなぁー」
その後はクレープの甘さに食欲が増し、数分でお互いに食べ終えてしまった。
「それじゃ、歩きましょうか」
癒菜は立ち上がり、俺に手を差し出した。
「そうだな」
俺はその手を掴み、立ち上がった。
手をつないだまま、二人は人通りの少ない、木が多い一本道に来た。
ここからの会話は、本物の会話だ。
偽りのデートの会話なんかじゃない。
これから先の会話は、癒菜の過去と、今後についての会話。
昨日冬に電話で言われた約束。
『ならちょうどいいわ、癒菜には部活に戻って来るように伝えてちょうだい、ううん、説得して』
『わかった、約束する』
『・・・お願いね』
「なぁ癒菜、ここの会話は、本当にお母さんは聞いてないんだな?」
「えぇ、大丈夫よ」
俺は一応確認を取る。
デートプランとともにメールでは、公園の木の道だけは、二人だけの会話の場になってると書いてあった。
「それじゃあ聞くが、俺は今回、癒菜の婚約者の振りをしてる」
「えぇ、そうね」
「それをすることで、癒菜のお願いを聞いた・・・次は俺のお願いを聞いてくれないか?」
俺の言葉の真意を悟ったのか、癒菜は戸惑いつつも、『うん』と答えた。
俺は少し間を開けてから、声のトーンを少し低くして言った。
「部活に戻れ」
それはいつもとは違う、命令口調で言った言葉。
それでも、癒菜は動じなかった。
「いや、私はもう戻れない、あの子達に合わせる顔がないもの」
癒菜の意思は、簡単に変わる気配はなかった。




