俺へ先輩からの色仕掛け
さあ、もうすぐ水着回!
今回はタイトル通り、あの方が色仕掛けでまさかの・・・?
「癒菜先輩、こんばんわ」
「こんばんわ、風夜」
電話のあと、お昼近くになって起きた美奈に今日の予定を説明して、持ち物の確認をした。
午後誤五時に家をでて、駅に着くころには丁度六時だった。
駅の改札口の入り口に立っていたのは癒菜先輩一人。
「冬と幸也はまだなんですね」
「そうね」
「何やってるのかしらあいつはっ」とか愚痴を言う先輩を見ながら美奈に飲み物を買ってあげて、待つこと三十分。
「あ、来たわ」
タクシーを降りて全力ダッシュでやってくる二人が見えた。
「ごめん、ハァ、ハァ・・・幸也のせい」
全力ダッシュで息をきらせた冬が、理由を言った。
「俺のせいじゃない! 水着があんなにあるから悪い!」
「それ、あんたのせいよ。 まったく」
幸也の言い訳に、先輩が容赦ないダメ出し。
「大丈夫か? あんま無茶するなよ?」
冬の背中をさすりながら、心配する。
「うん・・・ありがとう」
特殊な喘息持ちの冬は、激しい運動はできない。
冬の喘息は、心拍数に応じて症状が悪化する。
小さいころに冬が大切なペンダントをなくし、大泣きした時は、喘息の症状がフルででて、入院。なんてこともあった。
「落ち着いたか?」
「うん」
呼吸が安定した冬を見て、安心する。
隣では、美奈も心配そうに見ていたらしく、俺がそっちを向くと、美奈も安心したようだ。
「それじゃあ、もう新幹線来るし、切符渡すわね」
お財布から人数分の切符を取り出して、それぞれに配っていく。
「部屋割は、一号室が冬と幸也。 二号室、美奈と風夜。 三号車が私。さぁ、行くわよ」
そういって改札口に切符を通して、先に行く。
それに続いて俺たちも改札口に切符を入れてついていく。
階段を上って駅のホームにつくと、すでに電車は停車していて、入り口では癒菜先輩が待っている。
「ほら早く、乗り遅れるわよ?」
手を振って急ぐように言われた。
小走りで新幹線へと入った。
「それじゃあ、こことここ、で、ここが私の部屋よ」
癒菜先輩がテキパキと部屋を教えていき、みんなそれぞれの部屋に入ってよっくりしている。
「荷物はここに置いておこう」
部屋に入って俺と美奈は、荷物を地面に置いて、部屋を見る。
部屋は、ユニットバス、タンス、壁に備え付けられた小さなテーブル。そして――――
「――――ベット・・・・」
ベット。そこまでならまだいい。
「シングル・・・・」
ベットを見た美奈が、少し顔を赤くしながら俺を見た。
確かに、俺と美奈は普段、一つのシングルベットで寝てるが、この部屋のベットは人一人ようやく寝られるほどの大きさしかない。
「えっと・・・・夕飯食べに行く?」
「そ、そうだねっ!」
このことは後で癒菜先輩に聞こう。
「おい幸也、いるか?」
俺は冬たち一号室の部屋の扉を二、三回ノックした。
返事はすぐに返ってきた。
「きゃああああ!!」
冬の悲鳴となって。
「冬っ!」
俺を鍵が開いていたため、扉を開けて部屋に突入した。
「どうした冬!!」
部屋に入ると、幸也はいなく、冬がベットの上で目尻に涙を浮かべ、自分で自分を抱きしめて座っていた。
「で、でたの!」
「でたってないがっ!」
冬が震える手で地面を指さした。
「Gがっ!」
「なんだそんなことか・・・」
思わずため息が出た。
「そんなことってなによ!」
「で、どこにいったんだ?」
素早く黒いアレを見たらしい。
「わからない」
「じゃあ無理だ」
討伐できないというと、「そんなぁ~」といやそうにする冬。
そこで疑問に思ったことが一つ。
「ん? 冬のベット、大きくないか?」
俺たちのが小さいせいなのか、冬の部屋のベットが大きく見える。
てか待てよ。
なんで俺たちのベットだけ小さいんだ?
「どうしたのよ」
そこへ美奈と一緒に、癒菜先輩が部屋に入ってきた。
「癒菜先輩? これはどういうことでしょうかぁ?」
俺は笑って癒菜先輩を見る。
「俺たちのベット、明らかに他より小さいですよね?」
「えぇっと。 それわぁ・・・・・」
焦りが顔に出てますよ、先輩。
「そんなこといいじゃん、夕飯食べに行こうよぉ」
美奈が、待ちきれない様子で訴えた。
すると癒菜先輩のお腹が鳴り、全員の視線が癒菜先輩へ集中した。
「アッハハハハ、食べに行きましょうか」
苦笑いでそういった。
「理由はあとでしっかりと聴きますからね?」
「お手柔らかにお願いね」
俺は先輩に、あとでまた理由を聞くと言っておいた。
それもそうだろう。
まだ付き合ってもいないのに、あんなに密着してなるなんて、無理だ。
「こちらがデザートのチョコレートパフェです」
係りのウェイトレスのお姉さんが、デザートのパフェを持ってきた。
夕飯は和風から洋風。様々なものがあり、みんな好きに頼んだ。
お腹がいっぱいになった幸也と俺はデザートは頼まず、女子三人組が、それぞれ好きなものを頼んだ。
冬がショートケーキ。美奈はチョコレートパフェ。癒菜先輩がバニラアイスだ。
「んー。甘くておいしい!」
両の頬を抑えて、美奈が喜んでいる。
「ケーキも甘さ控えめでおいしいわよ?」
「ほんとっ?一口ほしいなぁ」
「いいわよ」
「やったっ」
冬と美奈が楽しそうにお互いのデザートを食べ比べている。
「はぁー、おいしかったわ!」
癒菜先輩はすでに食べ終わっていた。
「早いですね、癒菜先輩。 もっと味わって食べないと」
「おいしいからこそ、すぐに食べるのよ!」
「それじゃあ・・・」っと、メニュー表をみて、追加のデザートを頼もうとする癒菜先輩。
そこで俺は癒菜先輩からメニュー表を取り上げ、元の場所に戻した。
「ナニするのよ、風夜」
「何。じゃないですよ、話の続きをするんで、ちょっとこっち来てください」
俺は「えー!」と言っている癒菜先輩を無理やり連れていって、先輩の部屋に連れ込んだ。
「もうっ、もっと優しく扱ってよね?」
自分で抵抗しておきながら、文句を言う先輩のその言葉を無視して、会話を始める。
「で。なんでベット小さいんですか?」
「まったく、まだ気にしてるの?」
ため息を出してあきれる先輩。
「気にしますよっ! 何考えてんですか! 先輩生徒会長ですよね? いくら家族でも、年頃の男女があんな狭いベットで・・・・・あとは言わなくてもわかりますよね?」
「なにぃ? そんにヤりたいの? 風夜クンのけだものーこわーい!」
「ふ・ざ・け・な・い・で・く・だ・さ・い!!」
頬を赤く染めて自分の体を抱きしめている先輩。
まったく、この人を生徒会長にしたのは誰なんだ?
・・・・・俺だった・・・・。
俺が一年の頃に、二年だった先輩に勧めたらなってしまったんだった。
二年で生徒会長に選ばれると、そのまま継続して三年も生徒会長になる、少し変わったルールがある。
「そんな怒らないでちょうだい? これは私なりの協力の仕方なんだから」
「先輩なりの?」
「そう。美菜も風夜も、お互いを意識しすぎよ。今まででさえ十分カノ彼っぽかったんだから、今までのままでいいのに、だ・か・ら、私なりの気遣いで、今の状況にいたるわ」
「それは、たしかにありがたいですけど、もっと方法あったと思いますよ?」
「そうね。 ちょっと、強引過ぎたかしら・・・・」
先輩の表情が、少し暗くなる。
「でもっ・・・・!!」
先輩が俺の肩を掴み、引っ張った。
「これでも私なりに考えたの。 だから・・・・」
引っ張られ、俺が先輩を押し倒したような形になってしまった。
先輩が潤んだ上目使いで俺を見る。
その先輩の表情に、少しドキッとしてしまう。
「私に、ご褒美ちょうだい?」
先輩が止めといわんばかりに、俺に捨てられた子猫のような顔で訴える。
「ぁ・・・ぇっと・・・・」
なんて返せばいいかわからない。
そして先輩が追い打ちをかける。
「あなたが望むなら私。 ・・・・・なんでも、シテアゲル」
そして着ている服をまくり、桃色に染まったしっかりと引き締まったくびれ。
そして純白色の下着に隠された、ちょうどいい形のソレを露にした。
やばい、理性を抑えるのでていっぱいだ。
「・・・・・プフッ」
「え?」
「・・フフッ・・・アッハハハハ!!」
先輩がお腹を抱えて笑いだした。
これはもしかして・・・・騙された?
「ホント風夜って、変に自分に素直じゃないわねっ、アッハハハハ!」
「悪かったですね、ヘタレで!」
なおも大笑いする先輩に、俺は少し拗ねたように答える。
「でも、安心したわ、乱暴なひとじゃないって、確信したわ」
笑い過ぎたのだろう。涙を拭って、意味有りげな言葉を言う。
「どういう意味ですか? 俺のことは、先輩だってよく知ってはずですよ?」
「でも人って、ああいう、変わったりするのよね・だからちょっと心配だったのよ。 今夜美奈に変なことしないか」
「しませんよ!」
俺がそういうと、「ヘタレだしね」と皮肉にも一発かましてくれた先輩。
すると部屋にノックの音が響きた。
「お兄ちゃん、いる?」
美奈が部屋を訪ねてきた。
「ほら、未来の奥さんがお出迎えよ、行った行った!」
先輩が俺の背中を押して、部屋から追い出した。
「おやすみ!」
そういって先輩は扉を閉めて、鍵もした。
「ばか・・・・・」
私はベットに飛び込み、そうつぶやいた。
「それじゃあ美奈、俺シャワー浴びてくるから」
「うん。わかった」
シャワーに入り、何か美奈がしてくるかと思ったが、シャワーは何事もなく浴びることがでいた。
シャワーは・・・・。
「電気切るぞー」
「ほんとに寝るの?」
今だに緊張した様子の美奈。
「しかないだろ」
「そうだね!」
しかし、決意したように、拳を握り、「せーのっ」の言葉とともに、ベットに入ってきた。
美奈が落ちないように、俺が壁とは反対に、美奈が壁側に寝る。
夏場だが、クーラーが程よく効いていて、とても心地いい。
すぐに意識は眠りに落ちた。
「おにっ・・・風夜・・・おやすみ」
そう言って私も、眠りに落ちていった。
さぁ、いよいよ次は目的地に到着!
いいなぁ~旅行。
自分も旅行行きたい!




