幻想ぶらり旅
この神社の食事事情に半ば絶句してから一晩が明け、何とか朝食(ご飯、昨晩の残りのみそ汁、漬物)をとった後、なぜか境内の掃き掃除までやらされていた。あの時、「何でもやる」なんて言わなければよかった…
そんな後悔をしつつ、境内に落ちていた砂埃や小石を除けていた。
「こんなものか。霊夢、掃除終わった~」
「ご苦労様。さて、そろそろ魔理沙が来る気がするわ。 」
「そんな言ったそばから来るわk」
「霊夢、きたぜー」
えぇ~?? なんで本当に来るの??
「何よ、その顔。」
「たぶん、霊夢の勘に驚いているんじゃないか? まあ、こんだけ良く当たるんだったら仕方がないと思うが。それより、行かないのか? 」
「そうね、どこから行きましょうか? 」
どうやら霊夢の勘は本当によく当たるようだ。もう慣れるしかないかなぁ…
というか、行き先が決まっていなかったみたい。
「紅魔館なんてどうだ?」
「嫌よ、あそこ。目に悪いじゃない。」
「目に悪いってどういうことさ?」
「そのままの意味よ。おまけに、あそこの住人たちはめんどくさいのよ。」
「だが行っといたほうがいいと思うぞ? 主に図書館とかな! てことで、行くんだぜ!!」
「ちょっと!! もう!!」
ということで、これからコウマカンなるところへ行くことになった。とてつもなく不安だなぁ…
と思っていたら、霊夢と魔理沙が急旋回してきた。
「というか、今更だがリンは空を飛ぶ事ってできるのか? 」
「 空を…飛ぶ…………あ。」
「やっぱりできないのね。しょうがないから、自分で飛べるようになりなさい。」
「いや、そこは魔理沙の箒に2ケツとかじゃなくて!?」
「何を言ってるんだ? 自分で頑張って飛べるようにならないと幻想郷じゃ生活できないぜ?」
「マジかぁ~~」
飛ぶ練習をさせられた。そのおかげで何とか魔力を使って飛べるようになったので、コウマカンへ向かった。移動よりも疲れた気がする…
~少女祈祷中~
「ここが紅魔館よ。というわけだから、入るわよ」
移動した先は湖(霧の湖というらしい)のほとりにある紅の館、紅魔館。これは、正直に言うと景色に合っていない。
「って、勝手に入ったらよくないよね!? というか、この人って門番だよね!? なんで寝てr……」
霊夢と魔理沙が門番を無視して、ずかずかと門を飛び越える。当の門番は居眠りと思ったのだけれど…
「どうしたんだぜ、リン。なれたか?」
「そうじゃなくて、門番さん。起きてるでしょ?」
「「え?」」
「え、バレた? と、とにかくまずは自己紹介から。私は紅美鈴、妖怪です。能力は【気を使う程度の能力】です。」
「つまり、ド○ゴンボールってこと!?」
「はい? というか、どうして私が寝たふりなんかをしていたとお分かりに?」
「簡単なことですよ。意識がこちらに向いていたので、それを感じ取っただけです。」
意識の向きは、視線と同じようにねっとりと絡みつくように感じる。絡みついてきた意識を振りほどくのではなく、逆に溯ってやるとこちらに意識を向けてきた相手がわかるわけだ。
「そんな簡単に言いますが、それがどれだけ難しいことかわかっていますか? 特に私の場合は、気を使って意識の向きをわからなくしていたのに。」
「だから少し気が付くのが遅れたのか。」
「最終的に、どうやって導き出したんですか?」
「そんなの…なんとなく?」
「なんとなくって…そんなぁ…」
おっと、美鈴さんを落ち込ませてしまった。
「うぅ…って、それよりも、貴女がお嬢様のおっしゃっていた外来人ですか?」
お嬢様、ここの当主は女性なのか…なんか、女性率高いなぁ。
「そうです、白夜 淋です。それよりも、わざわざ狸寝入りしていたのは何故ですか?」
「お嬢様が貴女の実力を試せとのことなので。」
ということは、ここでも弾幕ごっこをしないといけないのかぁ…正直やりたくないんだよなぁ…
「というか、俺男!」
「え?」
ここだけはしっかっりと訂正しておいた。
――――
魔理沙side
どうも、リンの技術に驚きを隠せない魔理沙様だぜ。
「それだったら、やめといたほうが身のためだぜ。」
「と言いますと?」
「リンは魔理沙に勝ったのよ。」
「本当ですか!?」
美鈴は確認するようにこちらを見てきた。
「本当だぜ。なんなら割としっかりと吹っ飛ばさてちまった。」
「それでもやるのなら止めないけど?」
あの時は、何が起きたかわからなかったなぁ… 気が付いたら神社の中で寝てて、霊夢から話を聞いたら冷や汗が出たもんだ。
「ね、ねえ、俺の意見は聞いてもらえないの?」
「「関係ない。」」
「ひどっ!?」
なんとなく、コイツの扱いはこれでいい気がする。この感じ、誰かに似てるんだよなぁ~。
「まぁ、それでも、やらないといけないので。 」
「……はぁ、しょうがないなぁ。」
そんなことを考えているうちに、話が纏まってリンもやる気になったようで、あの薙刀を出した。
「いつでもどうぞ。」
「それでは、行きますよ! スペルカード発動《幻符 華想夢葛》」
美鈴は早速、スぺルカードを使った。まあ、私がやられたって聞いて、ある程度の実力があると踏んだんだろう。でも、コイツの弾幕は割と避けやすいんだよな。
「意外と避けれる! スペルカード発動《演武 幕楽舞》」
お、リンの奴もスペカを作ったか。見た感じ綺麗だし、密度もヤバい。…なんか普通に強くないか? まあ、霊夢が教えでもしたんだろ。
「え、いつの間にスペルカードを作っていたの!?」
「霊夢監修じゃないのか?」
しかし、どうやら違ったらしい。じゃあ、どうやってあのレベルのスペカを作ったんだ? それに、あの弾幕も誰かに似ている。ただ、あと一歩のところで、その誰かが出てこない。この出そうで出ない境目がもどかしい。
そんな風に考えていながらも弾幕ごっこを見ていると、すこしずつ美鈴が押されていた。
「くそ、背水の陣だ!」
「え、一人で陣といえるの? とりあえず、スペルカード発動《薙刀 夜に光る太陽》」
今度のスペカは、大玉と小弾を同時発射するものか。しかも大玉はビームを尾のように引いて網目状になってるし。これも似てるのを見たことがあるな。
さすがに、ここまでくると美鈴は避けきれなくなり、しっかりと被弾してしまった。
もうそろそろ止めてもいいんじゃないか? そう思った時だった。
「それまで。」
突如として、制止する声が聞こえたのだった。
こんな感じで書き終えました。
にしても、リン君に謎が増えましたね。




