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パンツを見たら殺しますよ?  作者: ねむり だいじろう
第1章 わたし、エステサロン作ります!!

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第10話 アンジュ(前)


『ホリエトワール』―――


ここは他国との国境(こっきょう)に位置し、交易(こうえき)(さか)んな『ナニワーヌ王国』の第2都市である。



真白と美桜は、お洒落(しゃれ)な商店街の一角(いっかく)にあるランジェリーショップの前に立っていた。


「どうした?真白。」

「アンジュ・ド・ルミエール・・・」

「え?」

「私のあこがれ・・・どうしてここに?」


「初めて聞くブランドだな。知っているのか?」

「同じかどうか、わからないけど・・・」


「入ってみていい?」

「もちろん。」


真白は呼吸を(ととの)え、木製(もくせい)(とびら)を開いた・・・


そこは、真白が夢にまで見たキラキラした世界。


パンツ、パンツ、ブラ、パンツ。

ブラ、ブラ、パンツ、ブラ、パンツ。


素敵(すてき)♡」

「こんな世界があったなんて・・・」


「いらっしゃいませ。お客様。」

「あ、は、はい!」

「ごゆっくり、ご(らん)ください。」

「あ、ありがとうございます!」


「真白、緊張(きんちょう)しすぎじゃないか?」

「だって~、(はじ)めてなんだも~ん。」


「あ!あれは・・・」


CMで見たパンツが展示(てんじ)してあった。

白のシルクサテン。小さなリボンが1つのシンプルデザイン。


「お客様、こちらは当ブランドの人気シリーズ『Clarteクラルテ』でございます。」

「クラルテ・・・」

「他にも、黒を基調(きちょう)としたゴージャスデザイン『Nocturneノクチュルヌ』」

「ペールブルーを基調としたキュートなデザイン『Aubeオーブ』もございます。」


「どれも素敵だけど・・・やっぱり私は、クラルテだな。」


「あ、あの、このパ、パ、パ、パンツは、ししし試着(しちゃく)とか・・・?」

「申し訳ございません。ショーツの試着は出来かねます。」

「ででで、ですよね。ごめんなさい。」


「お客様、ちょっと失礼しますね。」

さわさわさわ・・・


「キャッ」

「失礼しました。」


「お客様でしたらこちらのサイズでピッタリだと思います。」


目の前に差し出されたのは、白の光沢(こうたく)(まぶ)しいクラルテの上下セットだった。


「これを私が・・・」

真白は(ふる)える手で受け取ると、自然と涙があふれた。


「これ・・・ください。」

「ありがとうございます。お(つつ)みしますね。」


真白は8000WN(ワーヌ)支払うと奇麗(きれい)包装(ほうそう)された商品を受け取った。


「また、いらしてくださいね。」

「はい!必ず。」


店を出ると、2人は顔を見合わせた。

「良い店だったな。」

「うん!とっても。」


真白は美桜がこっそりノクチュルヌのセットを買っているのを見逃していなかった。

(ウフフ、美桜は黒が好みなのね。)


「さあ。良い買い物もできたし、今度こそ帰ろー。」

「ああ。行こう。」



宿屋近くの路地(ろじ)―――



1人の薄汚(うすよご)れた幼女(ようじょ)がこちらを見ていた・・・




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