キャンプ
アニーに降ろされた場所は森の中だった。
俺たちは薪を集め、アニーの持ってきたライターで火をつけて、暖をとった。
「場所はわかるの?」
「ああ。俺は天才だから」
「そっか。変わんねえな、アニーは」
「お前もな、ベニ」
アニーはインスタントのスープを作ってくれた。
2人でそれを飲みながら、色んなことを話した。
「アニーは何で王宮に仕えてんの?」
「別に特別な理由はないよ、ただ公務員になりたかっただけ。そこで馬車の運転技術がそこそこ高かったから、それを買われた。それだけだよ」
「そっかー……。でも王宮に仕える公務員って、たくさん勉強しないといけないでしょ?」
「俺はエルターナル大学出身だから」
「エルターナル大学って、最高峰の大学じゃん!」
「ああ。……心のどこかに、あったんだよ」
少し、真面目な顔をしたアニー。俺は少し首を傾げたけど、話を続けた。
「ベニ、お前のいじめに対して、見て見ぬ振りをしてしまったこと。本当は友達の俺が止めなきゃいけなかったのに」
「でもだって、怖かった、でしょ?」
「……うん。正直、とっても怖かった。俺だって、そんなに喧嘩強い方ではないし。お前を守る力なんて、そんなにないよ。でも、それでも俺は、お前をいじめから救ってやりたかった。だから、お前を守ることができる、王宮配属の公務員を、目指したんだと思う。別に、それに執着してるわけではなかった。でも、こういう進路とかって、案外、自分のしたいことに無意識に向いていくようなもののような、気がしない?」
アニーはふふっと笑いながらポタージュを飲む。




