再会
嫌いだ。
俺だって、お前らのこと。
この国の、お前らのことが。
嫌いだ。
みんな、嫌いだ。
嫌い。
嫌い……。
アーチ状の窓を眺める。
青く暗い空の上、月が出ている。
荷物はまとめた。
部屋に兵士が2人入ってきた。
連れられるままに、階段を降りて城を出る。国境となっている王宮の裏門をくぐると、騎手と馬、馬車が用意されていた。
そこに1人、座って。
馬車が動き出した。
どこに向かうのかも知らされないまま。
動き出した。
水は持ってきたから、大丈夫だ。
別にもう何でもよかった。
この国にいたって、みんな俺のことが嫌いなんだから。
いっそ全員死ねばいいんだよ。
こんな国の奴ら。
リアルでは暴力で、引きこもればSNSで陰湿に、いじめてばっかり来やがって。
俺を救ってくれるのはもう、アニメだけ。
アニメの世界に入っているその時だけ、俺は、この国のことを忘れられた。
ずっとそうだった。
俺はアニメに、救われたんだ。
4時間くらい経ったのだろうか。
馬も疲れているようで、速度も遅くなってきた。
騎手は馬を止めた。
ドアを開けて、俺を地上へと降ろした。
「お疲れ様。ベニ王子」
「ありがとう……」
騎手は、俺の名前を呼ぶと、ふふっと笑った。
……あ。
騎手の顔に、めちゃくちゃ見覚えがある。
……わかった。
完璧に思い出した。
「お、お前は……」
「久しぶりだな、ベニ」
小学校の頃の唯一の友達、アニーだ!
「アニー! 何でここに! 全然気づかなかった!」
「ははっ、なんせ、お前を追放するために国外に運んでいる張本人だからな」
「まじかよ、アニーだったのかよ!」
2人でケラケラと笑い合った。
「ベニ、国民がお前を追放するまで、追い込むなんてな……」
「……うん」




